【連載】Vol.010「Mike's Boogie Station=音楽にいつも感謝!=」

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ポール・マッカートニー、通算7度目の日本武道館が2017年4月25日に決定! 多くのロック・フリークたちが改装前のロック聖地を目指す!! Welcome back to Japan, PAUL!


ポール・マッカートニーが日本に帰ってくる。4月27日、29日、30日が東京ドーム。そしてつい先頃、追加公演が発表になった。25日に日本武道館!51年前の夏、ジョン、ポール、ジョージ&リンゴ、ザ・ビートルズの日本公演が実現。その会場が日本武道館だった。11曲のステージだったけど、僕ら日本のロック・ファンにとってはそれまでのベンチャーズやピーター&ゴードンとはひと味もふた味も違ったスケール感の大きな、まさに世界を制覇した若者たちの叫びだったのだ。


プログラムを開いてみると、素晴らしい内容の文章が数多く掲載されている。60年代のビートルズ対ストーンズという音楽番組をはじめその後も多くのワークスでご一緒させていただいた故・福田一郎さんの「“20世紀”に生きるその音楽性」をはじめ現在もいろいろお世話になっている湯川れい子さん、星加ルミ子さん、木崎義二さん、亀渕昭信さん、朝妻一郎さんらの名文、貴重資料。こうしたキャーチー&マニアックな原稿に21世紀の現在、改めて感動させられる。高校時代よく遊びに行かせてもらった御茶ノ水のミュージックライフとともに新大久保の木崎編集長の「ティーンビート」。66年8月号は“ビートルズ来日記念特別号”。今でも懐かしくて徹夜になってしまうほど読み返してしまう。同号の”座談会 観て聴いて泣いたビートルズ“に出席していた女性(当時高校生)Mさん&Nさんはストーンズ・ファン・クラブも手伝ってくれていたおふたり。話は飛ぶけど、同号”アメリカン・ニュー・ヒット”(担当は故・桜井ユタカさん。僕のR&B師匠で『Soul On』をお手伝いさせていただいた時期も…)にはポール・リヴィアーとレイダーズが登場するけど、ユーミンが当時彼らのFCを手伝っていたんだって(何度か一緒に仕事をした時ご本人から聞いた)。


あれから49年後、2015年4月28日ポールは再び武道館ステージに立った。「キャント・バイ・ミー・ラヴ」で始まる”ブドーカンヘ ヨウコソ。B4ステージを彷彿とさせた”ナツカシ―“「ペイパーバック・ライター」&ポール代表作「イエスタデイ」。B4含めライヴでは世界初お披露目、”ツギハ セカイハツコウカイ”「アナザー・ガール」。演奏後、その出来に満足一杯でサムズ・アップしたポールの笑顔がとても印象的だった。その日のレビューは【Budokanチョーサイコー!『ポール・マッカートニー OUT THERE in 日本武道館 2015』11日オン・エア】と題して同年7月に某コラムに書かせてもらったが、あれから2年、またまたポールを東京ドームだけでなく武道館でも楽しめるなんて、夢のようだ。昨年10月のデザート・トリップWEEK END ONEでのポールもとっても素敵だったんだけど(このコラムのVol.2参照)、もはや気持ちは武道館。


今回、果してどんなセットリストになるのか、僕の周りの四捨五入70の多くのB4 フリークたちはワイワイガヤガヤ…。個人的にはワン・コーナー、ジョンが歌っていたけど、ジョージが、リンゴが、ということを超越して、デザート・トリップで93年以来封印していた「アイ・ウォナ・ビー・ユア・マン」を取り上げていたんだから、66年の武道館セトリ、あの11曲を実現して欲しいと願っている。
1. ロック・アンド・ロール・ミュージック
2. シーズ・ア・ウーマン
3. 恋をするなら
4. デイ・トリッパー
5. ベイビーズ・イン・ブラック
6. アイ・フィール・ファイン
7. イエスタデイ
8. アイ・ウォナ・ビー・ユア・マン
9. ひとりぼっちのあいつ
10. ペイパーバック・ライター
11. アイム・ダウン

プレスリリースで湯川れい子さんも記されている通り、日本武道館は2020年の東京オリンピック目指してもうすぐ改装に入る。B4やレッド・ツェッペリン、ディープ・パープル(アルバム『ライヴ・イン・ジャパン』のJ写、フロント・ロー、ちょっぴり下手側で腕組んで足のばしているのは誰でしょう。隣の隣が湯川さん)、ストーンズや2年前ポールが演奏した武道館でミスター・マッカートニーを堪能するのはこれが…。

PAUL McCARTNEY ONE ON ONE JAPAN TOUR 2017
*4月25日 日本武道館
*  27日 東京ドーム
*  29日 東京ドーム
*  30日 東京ドーム
http://oneonone-japantour.jp/

●ポール・マッカートニー日本武道館ショット
(C)MPL Communications/MJ Kim
●そのほかの写真=from Mike’s Collection

【小学6年生でビートルズ公演を体験したのだ 世界で活躍する写真家テラウチマサト】
富士山から多くのアーティストのポートレートまで、あらゆるジャンルにチャレンジしその見事なワークスで世界的にその名を知られる写真家テラウチマサト。プロデューサーとしても様々な世界をクリエイトしている。
http://www.terauchi.com/


そんなテラウチと再会した。昨年10月、デザート・トリップ初日、ローリング・ストーンズLIVEを楽しんでいたら、後半になって前方へ突っ込んでくる日本人グループが…その中に彼がいたのだ。ワォ!帰国後、半蔵門のイタリアン・レストランでワイン&音楽談義で楽しんでいたら、B4の話題に。「実は僕、66年ビートルズ観てるんですよ」、「エッ、だってテラウチさんは僕より4つ下だから。16、15、14…ウーンすると小学生!?」。「6年生でした。この話しをするの大学時代の友人、そしてマイクさんが二人目なんです」。「エッ!ぜひぜひ近々インタビューさせてください!」。ということで超々多忙なテラウチマサトにインタビュー。“小学6年生でビートルズを体験した”を熱く語ってもらった。


*なぜか自宅にプラチナ・ティケットが1枚あったんだ
1966年、小学6年生。当時、僕は富山県在住。祖父母も同県出身。正力松太郎さんも富山生まれ。実家は読売新聞の購読契約係をしていた。ジャイアンツ戦のティケット、長嶋さんが練習中に折ってしまったバットなど読売系のものがいろいろある中、ビートルズ公演ティケットも1枚あった。祖父は厳格な人で、ロックは不良の音楽として家ではきつく禁じられていた。しかし音楽教師だった祖母はビートルズを認めていた。そこで祖父に内緒、また平日だったんで学校へ欠席届を提出、祖母連れられて東京へ…。隣に住んでいたビートルズ・ファンの同級生にももちろん内緒。彼には未だに言ってない…。


*武道館周辺はお巡りさんだらけ
武道館に着くと、とにかくお巡りさんが驚くほど多く警備していたのが印象的だった。僕は悪いことしているのかナァ~、補導されたらどうしよう。学校休んで来ているわけだからドキドキしっぱなし。そこにはティケットを持ってない女子たちがたくさんいた。

*武道館に一人で入場
ティケットは1枚しかなかったので、祖母は外で待機。僕は一人で会場に入った。場内であるお姉さんに声をかけられた、「一人で来たの?何年生。私は中3…。気をつけてね」。周りはみんな大人の人に見えた。高校生以上が多かったのかナァ~

*ビートルズの演奏、歌声はよ~く聴こえた!
司会はE・H・エリック。日本のバンドも出演。今思うと凄い方々なんだけど、その時は全く興味がわかなかった。ただビートルズをひたすら待っていた。いよいよ待ちに待ったビートルズが登場!彼らの演奏、シャウトははっきりよ~く聴こえた。今のロック・コンサートとは違い、観客はきちんと座席に腰をおろし静かに見入っていた。女の子が声援を送ったりタオルを振り回してたりしていたけど、全体から見るとそんなに多くはなかった。アリーナにステージがセットされ、動くお雛様を眺めているような感じだった。

*これが世界のスーパースター!
小学生ながらビートルズのステージに圧倒された。これが世界のスーパースターなのだ!!「ペイパーバック・ライター」での見事なハモリに感動。「アイム・ダウン」でのいきなりのシャウトに吃驚。あの衝撃は今でも忘れられない。凄い、凄い。


*ビートルズ武道館公演でポール・ファンになった
でもコンサート中も小学生だということがばれたらどうしようとドキドキ状態は続いた。何度も言うけど、観客はとっても静か。学芸会のようでもあった。音楽はしっかり聴いていたけど、年齢がばれて学校に連絡されたらどうしようということで、下ばかり向いていた。「イエスタデイ」も素晴らしかった。リンゴが1曲歌った…。あっという間に終了。それから50年たった昨年、デザート・トリップで再び聴いた、「アイ・ウォナ・ビー・ユア・マン」。武道館のビートルズ公演以来、大のポール・ファンになった。デザート・トリップでのポール、ギターの弾き方、歌い方、ステージでの雰囲気、その全てが変わってないことを実感し感動した。本当に懐かしかった。武道館でポールが「ドウモ ドウモ」、「Tokyo Japan」とMCしたことを今でもはっきり憶えている。

*最近はストーンズも楽しんでいる
武道館LIVE後はB4に更に注目。新聞でビートルズという文字を見つけると何度も読むようになった。中学に入ると、ビートルズのアルバムを輸入盤で購入。もちろん今も大事にコレクションしている。またザ・フーも好きになった。壮大なロック・オペラに魅かれた。ビートルズ解散後は、ウィングス、ポールのソロとずっと追いかけている。あまり興味がなかったストーンズだけど、デザート・トリップでミック・ジャガーの素晴らしさに衝撃を覚え、帰国後ストーンズの映像作品を買いあさって楽しんでいる。


*人は両翼を知ることが大切だと思う
人には器がある。器とは、両翼を知っていること。たとえばロックで言うと、ビートルズは本流、ストーンズは革新の代表。クラシックでは、これも僕流だけど、モーツアルトがビートルズ、ベートーヴェンがストーンズ。この両翼を知っていれば、ここで聴いているこの音楽はどこに位置するのか、中間なのか、ビートルズよりなのかストーンズ・サイドに近いのか…。分ってくるはず。写真家としても両翼を把握してシャッターを切る。不良でいくのか正統派でいくのか。僕は不良からちょっと正当派寄りの撮影が好きだ。中間部が良いかもしれない。正統派の富士山、異端な富士山、その中間部の富士山が実は良い作品が撮れるんだ。

*今の時代は革新にある
デザート・トリップでストーンズが「カム・トゥゲザー」を取り上げた次の日、カー・ラジオからはビートルズの同曲がガンガン流れてきた。革新が正当なことをやると人々は注目する。卒業式で教師は優等生よりも不良たちに「先生ありがとう」と言われたほうが嬉しい。今の時代は革新にあると思う。UK雑誌「Restaurant」が発表する“2016年 世界のベスト・レストラン50”で1位にランキングされたOsteria Francescanaで昨年食事する機会があったんだけど、何とデザート・ワインでスタート!最後のひとつ前にしーザース・サラダが出てくる!!完全に不良。4月にはヴァイオリニスト、鈴木舞のジャケット写真を撮影するんだけど、エッと驚く作品にしてみせる。ストーンズから少しビートルズよりにしたタッチでの撮影。アーティストやミュージシャン、ストーンズとビートルズの両翼、どっちからでもいいから外へ飛び出していけば革新は起こる。僕はそれに期待しているし、楽しみにしている。


●写真(少年時代を除く):吉田 藍

◆LIVE INFO


【メンフィス・ソウルの屋台骨 伝説のオルガン奏者ブッカー・T.ジョーンズ来日決定!】
1960年代のメンフィス・ソウル、スタックス・レコードのハウス・バンドとしてオーティス・レディング、サム&デイヴ、エディ・フロイドらのレコーディング、ライヴをしっかりと支えたブッカー・T.&ザ・MG’s。自らも62年に「グリーン・オニオン」の大ヒットを放った。スティーヴ・クロッパー、アル・ジャクソン、ドナルド・ダック・ダン。音楽史にその名を残すミュージシャンを輩出。リーダーのブッカー・T.ジョーンズは伝説のオルガン奏者としてわが国でも多くのファンに注目されている。70年代以降もソロや多くのミュージシャンとの交流の中でアグレッシヴな活動。この6月に日本公開が決定した映画「約束の地、メンフィス~Take Me To The River」にも出演、素晴らしいパフォーマンスを披露している。ブッカー・T.ジョーンズのBlue Note TOKYOでの来日公演が急きょ決定したのだ。
*Blue Note TOKYO
2017年4月10日、12日、13日
ファースト・ステージ17時30分開場 18時30分開演
セカンド・ステージ20時20分会場 21時開演
http://www.bluenote.co.jp/jp/artists/booker-t/

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