18歳ラッパーのちゃんみな、初のワンマンライブを開催

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18歳のラッパー、ちゃんみなが3月27日に代官山UNITで初のワンマンライブ<ちゃんみな 1st Live 未成年〜To be QueeN〜>を開催した。

◆<ちゃんみな 1st Live 未成年〜To be QueeN〜> 画像

3月8日に発売したメジャー1stアルバム『未成年』のリリースを記念して開催されたこのライブでは、初ワンマンとは思えないほどの堂々としたパフォーマンスを展開し、時にMCで笑いを誘うなど、会場に訪れた満員のオーディエンスを前に完成度の高いライブを繰り広げた。また同時にLINE LIVEでもライブの模様を生配信し、延べ30万人が視聴した。

■<ちゃんみな 1st Live 未成年〜To be QueeN〜>ライブレポート

くるみ割り人形のSEが流れる中、照明が落ちると、この日を待ち望んでいた満員のオーディエンスから歓声があがる。ステージ上のスクリーンにはPrincessのアニメーションが映し出され、「昔々、あるところに、世界一Microphoneが似合うPrincessがいました」というナレーションが流れ出す。悪い王様によって城の中に閉じ込められたPrincess=“ちゃんみな”という設定で始まるライブは、エンタテインメントに対する彼女の強いこだわりを感じさせた。


ステージがライトアップされると、中央に置かれた玉座には“ちゃんみな”の姿が。その周囲を、オネエダンサーを含む男女6人のダンサーが固め、メジャーデビュー配信シングルとなった「FXXKER」を披露。鳴り響く重低音の中、ステージからは客席を突き刺すようなレーザーが放たれ、ダイナミックなダンスとともに演奏がスタートした。この曲は“ちゃんみな”がメジャーアーティストとしての意志を明確に表明した曲。満員のオーディエンスは彼女の意思表示を大声援で受け取った。

3曲目の「Princess」では圧倒的な声量でアレンジを入れ、自らが「世界一Microphoneが似合うPrincess」であることを強烈にアピール。オーディエンスからは「ヤバい」「凄い」など感嘆の声が飛び、場内のバイブスはすでに最高潮に。

圧巻だったのが、ライブ中盤のダンスショー。DAOKO「ダイスキ Feat. TeddyLoid」を大胆にサンプリングした電子音の中で、和装姿のダンサーが能のモチーフを取り入れたダンスを披露。“ちゃんみな”は花魁姿に着替え、羽の着いた扇子を揺らしながらレゲエ調の「ナニモコワクナイ」へと繋ぐ。ステージ後方には東京の夜景が映し出され、伝統的・古典的要素と現代的要素を見事に融合させた演出に、オーディエンスは度肝を抜かれることになった。こうしたユニークな演出は、韓国・アメリカ・日本と複数の文化圏で育った彼女特有の文化感覚に基づいたものかもしれない。エンターテイナーとしての才能を強く感じさせる演出だった。メジャー1stワンマンライブで花魁をモチーフにしたことは興味深く、今後長く語り継がれることになるだろう。さらに7曲目「ダイキライ Feat.ちゃんみな」では「I Hate You!!」という叫びとともにエネルギーを爆発させた。


再びナレーションが始まり、城を逃げ出したPrincessのその後が語られる。彼女は自分の歌声に人を楽しませる力があると気付き、その歌声でQUEENになる夢を持つようになり、旅を続けたという。続く「She’s Gone」では直筆の歌詞をスクリーンに映しながらエモーショナルに熱唱。感極まって涙ぐむ場面もあった。

9曲目の「未成年 Feat. めっし」で親友・めっしの名を呼ぶと、ステージにはめっし本人がゲストとして登場。肩を組んで歌う二人に、オーディエンスはこの日一番の歓声で応えた。

MCを挟むと、“ちゃんみな”はなんと、オーディエンスにマイクを渡し、賑やかな質問受付タイムが始まる。「好きなブランドは?」「使ってる口紅のブランドは?」などの質問から、「別れた恋人をもう一度振り向かせるにはどうしたらいい?」などの真剣な恋愛相談まで幅広い質問が飛び、温かい雰囲気に包まれた。

トロピカルな「OVER」を挟んで、ラストは「大人になること」をテーマにした「LADY」。MVも話題のこの曲は、LINE MUSICデイリー総合1位、iTunes HIP HOPチャート1位を獲得するなど、彼女の新たな代表曲になりつつある。未成年から大人になる微妙な時期の葛藤をアーバン・ポップに落とし込んだナンバーで、「みんなに歌ってほしい」と呼びかけると「wanna be a lady」の大合唱が起きる。“ちゃんみな”はオーディエンスに手を伸ばし、一人一人の手を握りながら歌い切った。ラップの文脈でシーンに登場した“ちゃんみな”だが、あくまでも彼女の本質はシンガーであることを強く印象付けた。

アンコールでは、この日登場した全ダンサー+めっしと一緒に未成年Tシャツを着て再登場。頭には銀のティアラが輝き、海外の音楽シーンとも親和性の高い『UR like ME』を披露した。まるで1曲目の「FXXKER」が遠い昔に感じられるほどピースフルで多幸感に溢れた雰囲気で、彼女の音楽性の幅広さを感じさせた。


演出や全体的な空間作りまで、トータル・プロデュースを彼女自身が担当したメジャー1st ソロライブ。彼女のこだわりをふんだんに組み込んだ試みは、誰が見ても明らかに大成功だった。そのクオリティの高さに多くのオーディエンスが震撼し、“ちゃんみな”の魅力に感染することになった。

かねてより、ソロライブは小さい頃からずっと目指してきた夢だと語って来た“ちゃんみな”。夢を叶えたその姿は清々しかったが、すでに彼女の表情からは未成年のあどけなさが消え、次のステージを見据えているように見えた。

この日“ちゃんみな”は、かつての夢を越え、女王(QUEEN)への階段を登り始めたのだった。
文:山田宗太朗


なお、ちゃんみなは5月3日には東京・国立代々木競技場第一体育館にて開催される日本最大級のファッション&音楽イベント<GirlsAward 2017 SPRING/SUMMER>に出演することが決定、またLINE MUSICでは“ちゃんみな”のオリジナル・着信音が配信される。こちらの詳細は、追ってアナウンスされる。

◆ちゃんみな オフィシャルサイト
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