坂本龍一、新作アルバムの全貌を明らかに

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坂本龍一が4月4日(火)から東京 ワタリウム美術館で企画展<坂本龍一 | 設置音楽展>を開催する。

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この展覧会は3月29日(水)に発売された8年ぶりのアルバム『async』の世界を音と映像、インスタレーションで多角的に紹介するもの。『async』の5.1チャンネル・サラウンドの特別ミックスに芸術家の高谷史郎による映像を付加した試聴室「drowning」、ニューヨークの新進気鋭の若手映像チーム“Zakkubalan”がアルバムの制作環境を坂本龍一のプライベート空間の映像とそこに響く音で仮想的に再現した「volume」、タイ出身の映画監督で映像作家のアピチャッポン・ウィーラセタクンが『async』からイメージした映像を上映する「first light」などが展開される。


この開催を記念して行われたプレス向け内覧会では、坂本龍一本人が『async』について語る場面も。2014年に中咽頭ガンを患ったことからそれまで作り貯めていた新作アルバムの素材を破棄し構想も一度ゼロに戻したこと、2015~2016年の3本の映画のサウンドトラック音楽の制作で見えてきたもの、2011年の東日本大震災や自身の病気によって得た衝撃や死生観と、新作へのその影響のこと。これら新作にまつわる考えや過程が、ここで初めて明かされた。

マスコミや関係者にも事前に音を聴かせないという異例のプロモーションをとった本作。だが、「最愛の存在は気軽に人に紹介したくないというような気持ちで、発表まで誰にも聴かせなかった」と語る坂本龍一は、こういう特別な方法で「最愛の存在」を特別にお披露目したかったとも言う。

会場内では『async』の制作に影響を与えたもの、ヒントになったものである書籍や映画DVD、そして自筆の楽譜や落書きも含むメモなども展示され色々な楽しみ方ができる。さらに1Fの受付脇には聴き手との双方向のコミュニケーションのための「コミュニケーション・ウォール」を設置。来場者は会場の展示で感じた『async』に対する感想や質問を自由に用紙に書き込め、それに対する坂本龍一からの返答もまたそのウォールに貼り付けられるとのこと。

アーティストの制作過程の内面が丸裸になっているとも言えるこの<坂本龍一 | 設置音楽展>は、最新作『async』のみならず、音楽家・坂本龍一自身がいま内に抱えるすべてを全公開した異例の展覧会となっている。


<坂本龍一 | 設置音楽展>

会期:2017年4月4日(火)~5月28日(日)
休館日:月曜日
開館時間:11:00~19:00(毎週水曜日は21時まで延長)
入場料:大人 1,000円/学生[25歳以下] 500円/ペア券:大人2人 1,600円
会場:ワタリウム美術館

坂本龍一オリジナルアルバム

3月29日(水)リリース
※CD、アナログ盤、配信(ハイレゾ含む)

■CD 「タイトル未定」
RZCM-86314 ¥3,780(税込)

■アナログ盤 「タイトル未定」
RZJM-86312~3 ¥7,020(税込)

12インチ重量盤・2枚組
※ボーナストラック1曲

◆坂本龍一 オフィシャルサイト
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