【レポート】かまいたち、26年ぶり京都凱旋ライブで「ラストプレゼントです」

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1980年代後半のインディーズシーンを席巻したかまいたちが4月1日、京都MUSEにて<かまいたち追加公演「狂乱舞踏二〇一七」>を開催した。同公演は地元・京都にて26年ぶりのワンマンとなる凱旋ライブだ。

◆かまいたち 画像

1年で一度だけウソが許される「エイプリルフール」。こんな日に、嘘のようなことが現実となった。チケット発売直後に即完となったプレミア公演は前述したとおり、解散直前の1991年に行われた京都スポーツバレー公演以来、実に26年ぶりのワンマンライブとなるもの。


定刻を10分ほど過ぎたころ、パンパンに膨れ上がった会場にSEが流れると、けたたましいサイレンが場内に鳴り響いた。KENZI(Dr)がお馴染みの赤い拡声器を持ってステージに登場。かまいたち解散後も、自らが率いるTHE DEAD P☆P STARSやアンチフェミニズムの活動(昨年のデビュー30周年記念イベントにて「かまいたち」が復活)を続けるなど、今なお一線のアジテーションにオーディエンスが即座に反応、怒号にも近い歓声でこれに応える。MOGWAI(B)、屍忌蛇(Support G/VOLCANO)、そして髪の毛を怒髪天の如く逆立て、ガーゼシャツに身を纏ったSCEANA(Vo)がステージに現れたところで歴史的ワンマンが幕を開けた。

26年ぶりという事実は、メンバーも相応に歳を重ねているということでもある。しかし、「かMARCH」「NO THANK YOU」からスタートしたライブは初期衝動という言葉がぴったりであり、GIGという言葉も似つかわしい。激しいビートにストレートな歌詞、POPなメロディが融合したナンバーを連発する彼らに、再結成にありがちな安堵感は微塵もない。当時からのPUNKスピリット剥き出しのリアルが叩き込まれる。





「質問あったら答えるで~!」と場を和ますMOGWAIや、サポートギターとしてお馴染みの屍忌蛇による「今からやぞ~!」をはじめとする円熟味を増したMCは、彼らがこれまでに培ってきたキャリアに裏付けられて、個々のキャラクターが色濃く反映されている。当時と変わらない独特なオーラを放つSCEANAは、さらにカリスマ性が増し、存在自体が伝説のようだ。

トレードマークのグリーンの2バスドラムを駆使したKENZIのソロでは、「夢の続き」を同期音源と自身の演奏で歌うなど、そのパフォーマンスは彼ならでは。スティックやぬいぐるみ、服など、様々なものがフロアに投げ込むも、あらゆるものを投げ過ぎて自身が使うスティックが無くなるという珍事はご愛嬌だ。




SCAENAが白のガーゼシャツに着替え、「Bad worst~形だけ~」でステージに再登場するとGIGもいよいよ佳境へ。「199Q」「スピロヘータ」といったアグレッシヴチューンから、「FACE TO FACE」「TOY DOLL(S)」「自由の女神」といったタテノリナンバーが加わると、ここ京都にもクラウドサーファーが現れる。

「前回の京都が1991年の京都スポーツバレーやから、実に26年振りに京都に帰ってきました! 前回の京都を観た人は居るん?」──KENZI

という問いかけには多くの手が挙がる一方で、最近のファンも少なくない。2016年秋の<VISUAL JAPAN SUMMIT>出演で触れた若い世代にも“はちゃめちゃ狂”が伝わっているなど、客層も幅広い。そして、今夏に赤坂BLITZで行われる最終公演<THE END>について、KENZIが口を開いた。

「前回の新宿LOFTをライブレコーディングしたので、その中からあの問題作を含めた何曲かをCD無料配布します! かまいたちからのラストプレゼントです」──KENZI

1980~1990年代に頻繁に行われてきた“無料配布”は、かまいたちの代名詞的なプロモーション方法であり、彼ららしい置き土産となるに違いない。

GIG終盤は「I LOVE YOU」「ノイローゼ」でさらにヒートアップ。そして、本編ラストの前にSCAENAがスタッフから謎のポスターを受け取った。そこには歌詞に登場する人物の姿が。これを勢いよく破り捨て、大熱狂のなか「KILL YOURSELF」が演奏されて終了した。




間髪入れずに巻き起こるアンコールを受けて、メンバーが再びステージに。前回の新宿LOFT公演ではアンコールはなかったが、さすがに地元京都。「I’ve no power」の後、サイン色紙や私物がプレゼントされる抽選会が行われるなど、この日集まったファンへ感謝の気持ちを表すサプライズとなった。

そしてなんといっても、この日最大の事件はアンコールの最後に「カーネーション」が演奏されたことだ。今までライブで披露されなかった名曲が、長い年月を経てこのタイミングで演奏されたことは、今後かまいたちを語るうえで欠かせないワンシーンとなった。京都凱旋を終え、残すところ赤坂BLITZ公演のみ。ラストにどんな花火を打ち上げるのか!? その瞬間をぜひとも目撃してほしい。

■<かまいたち追加公演「狂乱舞踏二〇一七」>
2017年4月1日@京都MUSEセットリスト

01.かMARCH
02.NO THANK YOU
-MC-
03.みにくいあひるのこ
04.Boys, be ambitious
05.天邪鬼
-MC-
06.妖怪ROCK
07.へのへのもへじ
08.マスターベーション
-ドラムソロ-
09.夢の続き
10.Bad Worst~形だけ~
11.199Q
12.スピロヘータ
-MC-
12.FACE TO FACE
13. OY DOLL(S)
14.自由の女神
-MC-
15.I LOVE YOU
16.ノイローゼ
17.KILL YOUR SELF
encore
en1.I've no power
-MC-
en2.カーネーション

■<かまいたち最終公演「THE END」>

2017年08月05日(土)赤坂BLITZ
開場17:00 / 開演18:00
▼チケット
1Fスタンディング¥6,500(ドリンク別)/2F指定席¥7,000(ドリンク別)
※2F指定席はSOLD OUT
http://eplus.jp/the-end85/

◆かまいたち オフィシャルサイト
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