【詳細レポート】L'Arc-en-Ciel、<25th L'Anniversary LIVE>2日目「みんなの笑顔に会うためだったなら、この長い道のりも悪くなかった」

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L'Arc-en-Cielが2017年4月8日(土)および9日(日)の2日間、東京ドームにて<25th L'Anniversary LIVE>を開催した。先ごろ公開した初日レポートはメンバーのパフォーマンスやステージ演出を中心にお届けしたが、2日目は25年が育んだ鉄壁のバンドサウンドにフォーカスしたい。2日間延べ46曲に総動員数11万人が熱狂した<25th L'Anniversary LIVE>の最終日をレポートする。

◆L'Arc-en-Ciel 画像

2日目は朝から雨が降り続くあいにくの空模様。しかし、初日のMCでtetsuyaが「久しぶりに屋根のある会場です」と語っていたように、日本初の全天候型多目的スタジアムである東京ドームが気象に左右されることはない。加えて開場時刻には、その雨がピタリと上がるというミラクルが、水道橋駅からドームへ列を成して歩くファンの表情をますます笑顔にさせていくというもの。この日のステージもここ東京ドームのみならず、日本全国はもとより世界10地域の映画館や劇場でライヴビューイングが実施され、ライヴの模様が届けられる。

青空や夕暮れ、星空や広大な大地など、野外ならではのシチュエーションを天然のステージ演出として楽しむライヴもいいが、華やかな照明効果や空間演出をはじめ、会場内を一色に染め上げることが屋内ステージでは可能となる。もちろん両者とも素晴らしい長所をもっているので、どちらがどうということではない。それにしても2日目の東京ドームには音響面にも優れた抜群のバンドサウンドがあった。


“未来を取り戻せ”をコンセプトにした初日同様のストーリー映像が流れた後、ステージ上にメンバーのシルエットが浮かび上がった。4人の姿に5万5千人の大歓声が湧く。オープニングナンバーは2日目も「虹」だ。ステージ上が発光するように輝き、重く深いバンドサウンドがドームという巨大空間を染め上げる。kenのギターソロは前日よりも一層ロングトーンを活かしたアドリブが施され、ドームを包み込むようなリヴァーブ感が心地よい。

巨大なLEDスクリーンに映し出された歯車が動き出し、「Caress of Venus」「the Fourth Avenue Cafe」といった麗らかなナンバーがライヴを加速させていく。「25年経っても、こんなにたくさんの人に来てもらえるなんて。泣きそうですけど……うそです。泣きません。今日はまだ先は長いからね!」というhydeのMCがオーディエンスの心にますます火を点けたようだ。


セットリストは初日公演を土台としたものだが、4曲目には早速、2日目のみ演奏される「Vivid Colors」へ。バンドの奏でる軽快なリズムが印象的な同曲のギターフレーズは、16分カッティングやアルペジオ、カウンターメロディまで、細やかで表現力が高い。そのサウンドをダイレクトに伝えるフェンダー製オリジナルギターPaisley Fantasyは昨年夏に発表されたもの。L'Arc-en-Cielサウンドにベストマッチしていたようで、この2日間のメインギターとして使用されていた。「Lies and Truth」のスライドを交えた瞬発力のあるカッティングからパワフルなコードストロークまで音抜けとバランスが素晴らしく、楽曲をエモーショナルに彩る。

また、6曲目の「真実と幻想と」も2日目のみで演奏されたナンバーだ。ループ感の強いタイトな8ビートとグルーヴするtetsuyaのベースは、5弦ベースの重低音とフィンガーピッキングによるタッチが強靱なリズムのうねりを生み出して、バンドサウンドを牽引する存在感に満ちていた。さらに、「forbidden lover」がスネアを基調としたマーティングビートでフレーズが構成されたシンプルなものでありながら、これほどまでに壮大でドラマティックな楽曲として響くのは、tetsuyaのベースフレーズに拠るところが大きい。そのことがライヴプレイを観るとまざまざと感じられて圧巻のひと言に尽きる。


この後は前日同様、ステージごとアリーナ上空を移動して、アリーナ最後方へ。「昨日はちょっと遠慮が入った(笑)」というkenのMCだが、この日は下ネタも少々。hydeを交えた彼らならではのおだやかな掛け合いトークで場内は爆笑の渦に。前日はここで久々のナンバー「Voice」が演奏されたが、この日はまた別の曲がセレクトされ、そのナンバーについてhydeが語った。

「次は、リクエストしてくれた曲のなかから、「風の行方」を。『Tierra』というアルバムに入っている曲で、撮影で初めて海外に行きました。それがねー、どうでした? tetsuyaさん?」とhyde。「モロッコ2週間。大変でしたね」と答えるtetsuya。「あそこまで“異国”だった国はないですね。そのあと他の国に行っても、“普通だな”と思ってしまう」とhydeも当時の思い出を語って、同曲を披露。エキゾチックなナンバーがドームに叙情的な風を運んだ。


メインステージに戻り、オフショットを含む過去の秘蔵映像を経て、2日目も初日同様に「花葬」から後半がスタート。2つのハイハットを駆使した16ビートによるシェイクのリズムがバンドサウンドをタイトに疾走させる。続く「浸食 -lose control-」は7/8拍子など変拍子が盛り込まれたナンバー。しかし、リズミカルなフレーズとして聴かせるビートパターンが変拍子の難解さを感じさせることはない。さらに「NEO UNIVERSE」のリズムはハイハットとバスドラムのみで構成され、スネアを叩くのは最後の一発のみ。スネアを中心に構成された前述の「forbidden lover」とのコントラストも実に興味深いセットリストとなった。これらyukihiroならではのプレイは、4人の作曲者によるヴァリエーション豊かな楽曲にさらなる奥行きと広がりを持たせていることが伝わって、改めてL'Arc-en-Cielサウンドの深さが感じられる。いわゆるハードとかソフトとか、ミディアムとかアップテンポとかというものとは次元が違う。


そして、オーディエンスの興奮をMAXまで高めたのは「STAY AWAY」「Driver's High」「READY STEADY GO」。2日間約40数曲を歌い続けてきたhydeのノドは、ここへ来てさらにアクセルを全開にするかのような上昇気流を描くほどのタフさをみせるのだから恐れ入る。美しいファルセットやウィスパーからシャウトまで、その味わい深く豊かなヴォーカルは徹頭徹尾変わることがない。さらには左右に広がるランウェイを大きく使ったステージングは、さすが。「READY STEADY GO」でtetsuyaの肩に手を回して1本のマイクで2人がコーラスを取るシーンが超満員の会場を湧かせた。

それにしても恒常的に活動を続けるバンドではないにもかかわらず、バンドサウンドとしてのまとまりの素晴らしさにはいつも驚かされる。もちろん、4人のプレイヤーとしての力量の高さは言わずもがな。個々のプレイが明確に聴き取れながら、バンドとしてのうねりのある演奏には、まるで隙がない。長いインターバルを挟んだ後、新曲「Don't be Afraid」を披露した直後のMCでtetsuyaはこう語った。

「4月9日は僕が一人暮らしを始めた日で。28年前かな。その時に一人暮らしを始めてなかったら、たぶん僕、L'Arc-en-Cielをやってません。そういう思い出の日なんです。25周年ですか。すごく素敵な景色を見せてもらって、ありがとう。みんなのおかげです」──tetsuya

tetsuya曰く、この日を選んでドーム公演を決定したわけではなく、偶然だったそう。しかし、運命とも奇跡とも呼びたくなるような巡り合わせが鉄壁のアンサンブルを鳴らしているような、そんな凄まじい音が終始鳴らされた2日間となった。もちろん、それらは4人が25年のうちに音的にも精神的にも育んできたものであり、一朝一夕には成し得ない正真正銘のバンドサウンドだ。



「25周年を迎えて、何が変わったのかなと考えてたんですけど、昔は理想を追いかけてた。今もそうかもしれないけど、好きな音楽だったり、先輩だったり。それが、気がついたらかわいい後輩がたくさん出来ていて。“いつか、その場所にいきますから”っていう、威勢のいい後輩も増えてきてね。L'Arc-en-Cielでやってきたことは間違いじゃなかったんだろうと思います。まだまだ負けるわけにはいかないので、逃げ切るつもりで(笑)、いきたいと思います。考えてみたら、人生の半分以上、L'Arc-en-Cielですごしていることになるんです。これからも、その月日が長くなっていくといいなと思います。楽しいことも苦しいこともたくさんありましたけど、みんなの笑顔が見られると、それも報われます。みんなの笑顔に会うためだったのなら、この長い道のりも悪くなかったと思います。ありがとう」──hyde

<25th L’Anniversary LIVE>のラストを飾るナンバーは、「瞳の住人」だった。“ずっと君の笑顔を見つめていたい”と歌う同曲に、hydeのMCとL'Arc-en-Cielの25年が重なるようだ。1音1音を丁寧に紡ぐ演奏は、この夜のクライマックス。すべての演奏が終えると、yukihiroは大きく手を挙げ、hydeはずっと手を振り、kenは親指を突き立て、tetsuyaは「まったねー!」という言葉を残してステージを後にした。2日間計動員11万人、両日延べ46曲は、バンドの素晴らしさを改めて教えてくれるライヴとなった。

取材・文◎梶原靖夫(BARKS)
撮影◎今元秀明/岡田貴之/緒車寿一/加藤千絵/田中和子

■<L'Arc-en-Ciel 25th L'Anniversary LIVE>
2017年4月9日(日)@東京ドームSET LIST

01. 虹
02. Caress of Venus
03. the Fourth Avenue Cafe
04. Vivid Colors
05. Lies and Truth
06. 真実と幻想と
07. forbidden lover
08. Shout at the Devil
09. REVELATION
10. 風の行方
11. X X X
12. 花葬
13. 浸食 -lose control-
14. HONEY
15. MY HEART DRAWS A DREAM
16. NEO UNIVERSE
17. STAY AWAY
18. Driver's High
19. READY STEADY GO
20. Don't be Afraid
21. Blurry Eyes
22. Link
23. 瞳の住人

◆<L'Arc-en-Ciel 25th L'Anniversary LIVE>初日レポートへ

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