【インタビュー】Breathing Booost「成長途中の“苗”の状態だけど観てくれる人の気持ちをブーストしたい」

ツイート

■「さよならをくれた君へ」は失恋歌で設定が学生なんです
■別れたけど同じ場所に行かなければならない状況を描きたいと思って


――全員が挑戦した結果、「マメノナエ」はBreathing Booostの新しい魅力を味わえる1曲になりました。カップリングは、爽やかなアップテンポの「さよならをくれた君へ」と、スタイリッシュ&パワフルな「remaining snow」という2曲。

U-key:「さよならをくれた君へ」は僕が書いた曲で、エモーショナルなメロディーということを意識して作りました。1stシングルの「会えなくて… 会えなくて…」もそうですけど、僕が曲を作る時は一番そこを大事にしているんです。「さよならをくれた君へ」はタイトル通り失恋歌で、設定が学生なんですよ。別れてしまったけど、同じ場所に行かないといけないという状況を描きたいなと思って。

SOY:うーん、それはツラい(笑)。

May-D:でも、“学生あるある”だよな(笑)。

U-key:そう(笑)。顔を見るのが気まずいし、過去を引きずられずに前に進むけど、好きだという気持ちが消えない…みたいな。それに、別れてすぐではなくて、少し時間が経った頃といったことをイメージしてメロディーを考えました。

Gassy:この曲はテンポが速くて歌詞がせつない感じなので、僕の中でちょっとSIAM SHADEみたいなイメージがあって。それで、ギターはそういう雰囲気と自分のスタイルを混ぜた感じのアプローチになっています。フレーズ自体はスンナリ決まったけど、ちょっとやり過ぎたかな…っていう(笑)。多分ライブで弾くのが大変な気がしますね。

May-D:自分で自分の首を絞めた?(笑)

Gassy:そう(笑)。あとは、僕はギター・ソロでタッピングをすることは多いけど、この曲は2番のAメロからBメロに入るところのバッキングでタッピングをしていて。そういうチャレンジもしてみました。


May-D:この曲のリズム・セクションはtatsuoさんがアレンンジした段階で、ほぼ完成していたんです。それを弾くんですけど、僕は悔しいので“出来ない”と絶対に言いたくないんです。だから、いつもそうですけど、デモを本気で完コピする。そのうえで録りに臨んで、その場で「ここは、このほうが良いね」という話をtatsuoさんとしながら変えていくんです。この曲も完コピしたんですけど、tatsuoさんが考えたベースはとにかくルートにステイしてくれないんです。なので、それを覚えるのが大変でした。それに、スライド感というか、グリスのニュアンスとかもすごく細かく打ち込んであって、それをいかに生で再現するかというのもあって。それを探っていくと、すごいハイ・ポジションを使うことになったりするという(笑)。だから、この曲は5弦/4弦で弾いていることが多くて、高音弦はあまり使っていません。そういう発想は自分の中にはなかったので、面白かったです。

Gassy:May-Dはレコーディングの前に練習し過ぎて、メッチャ手に絆創膏とか貼ってスタジオに来ていたよね(笑)。

May-D:そう!(笑) 練習し過ぎて腱鞘炎になってしまって、グルグルにテーピングしてリハに行ったんです(笑)。tatsuoさんに“弾けません”とか“コピーできませんでした”と言うのは腱鞘炎になるよりも嫌だったから。

一同:ストイックだなぁ(笑)。

SOY:「さよならをくれた君へ」はドラムも、めっちゃムズいです。tatsuoさんが考えたドラム・パートを聴いて、“2バス速っっ!”と思って(笑)。2番のAメロからBメロに変わるところに一瞬高速の2バスが入ってきて、2番のBメロに入ってからも高速2バスになっているんです。サビの後半でハーフ・ビートになって、速いフィルを入れるところとかも難しいし。そこは2バスを踏むには遅いし、シングルでは踏めないくらい速いんです。“修行か?”みたいな(笑)。でも、これは何としてでも習得してやると思って練習したし、今も日々鍛錬しています(笑)。

U-key:この曲の歌は、サビがポイントかなという気がしますね。僕の中で、このメロディーはファルセットでいきたいというのがあって。僕らみたいなロックバンドの場合、ボーカルがファルセットを使うと、ライブではかき消されてしまうかもしれない。でも、自分の歌の表現として裏声も聴いて欲しいなというのがあったので、こだわってファルでいくことにしたんです。

――正解だったと思います。それに、この曲のBメロではラップっぽい歌も披露していますね。

U-key:そういうこともやってみたいなと思って挑戦しました。ヒップホップとR&Bは昔、メジャーデビューしたメンバーの中にラッパーがいました。バンドで歌うようになってからは、そういう部分は出さないようにしていたけど、自分で枠を作るのは良くないなと思って。自分ができることに対するドアは開けておくようにしようと思って、今回ラップもやってみることにしました。それに、メロディーに言葉を乗せる場合は言葉数が限定されてしまうけど、ラップは言葉数が多くなるから、バァーッと情景を進行させられるというのがあって。そこに気づけたのは大きくて、今後も楽曲に合う時はラップも積極的にやっていこうかなと思っています。

Gassy:3曲目の「remaining snow」は、元々メイン・リフがベーシックとしてあって、そこから発展させて曲に仕上げました。歌詞はいつも曲の雰囲気からイメージを膨らませて書くんですけど、この曲のド頭のメロディーは、最初はCメロ・パートにあったんです。そうしたら、tatsuoさんから、Cメロがおいしいから曲の前と後ろに持っていこうという提案があって。そういう構成にtatsuoさんがアレンジしたデモを聴いたら、元の形の時は気づかなかったけど、シンセが雪っぽいなと思ったんです。それに、失恋の感じだなとも思ったし。それで、“残雪”という意味の“remaining snow”という言葉は、失恋してしまったけど心が残っている状態に通じるなと思って、そういう歌詞を書きました。

May-D:詩的だね(笑)。

Gassy:俺、ポエマーだから(笑)。“残雪”という言葉から自分の中でストーリーを膨らませて、冬や春といった言葉を入れて季節感も出しつつ書いていきました。

◆インタビュー(3)へ
◆インタビュー(1)へ戻る
この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス