【詳細レポート】氣志團<SEKIGAHARA>初日、<VAMPARK FEST軍>と正面衝突「メッセは俺達のホームグラウンド」

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4月15日および16日の2日間、千葉・幕張メッセにて<THE GREAT ROCK'N'ROLL SEKIGAHARA 2017>と題した“対戦型”フェスが開催された。その初日15日は氣志團主宰フェス<氣志團万博>とVAMPS主宰フェス<VAMPARK FEST>とのガチンコ対決「氣志團万博 vs VAMPARK FEST」として開催されたもの。先ごろ公開した速報レポートや新生sads始動レポートに続いて、全10時間を超えた“フェスvsフェス”の詳細レポートと盛りだくさんのライヴ写真をお届けしたい。

◆「氣志團万博 vs VAMPARK FEST」画像

■「2017年4月、幕張に蘇る!
■天下分け目の関ヶ原!」

大河ドラマのオープニングを思わせる重々しいトーンのアナウンスが鳴り響いたのは10時40分。武将達の姿、さらに気志團の写真や映像などがスクリーンに映ると、歴史的な決戦の始まりを、今か今と待っていたオーディエンスから大歓声が上がった。この<ザ・グレート・ロックンロール関ヶ原>がなぜ勃発したのか、戦国時代になぞらえたストーリーで、スクリーンの中で語られていく。

ワンナイト城を築いた気志團は、やがて気志團幕府ならぬ<気志團万博>を開く。ロック界、アイドル界、士農工商問わず開放したそれは、やがて奇跡しか起こらないフェスとして知られ、<気志團万博>はさらに拡大を続ける。同時に首謀者、綾小路 翔の快進撃は止まらない。しかし、そこに立ちはだかったツワモノがいた。“不死身の天草四郎兄弟=VAMPS”である。

「一番頼りにしている友だからこそ、ぶつからなきゃいけない日が来ると思う。結成20年の集大成。全力で真っ向勝負」。綾小路、本気である。しかも勝ちしか見ていない。結成20年の集大成、全力で真っ向からの勝負をするときが来た。




交響曲が流れ、スポットライトの光が会場に徐々に広がる。そしてスポットの光がひとつに集まったのはステージ中央のドラム。そこにいたのは気志團の團長、綾小路 翔だ。おなじみの茶番劇かと思われたが、しかし、この日の團長は違った。意識を集中し、次の瞬間、叩き始めたのはX JAPANのYOSHIKIイズムも感じさせる怒涛のドラムソロ。そのパワフルな音に煽られたのはオーディエンスばかりでなかった。ステージ袖から俄然ヤル気満々の表情で気志團のメンバー達も登場。旭日旗をほどこした揃いの衣装は戦いの狼煙にも見える。そして始まったのは「愛してナイト!」。メドレースタイルで「恋人」や「湾岸夜想曲~ルシファーズ・ハンマー'94~」など次から次へと展開。團員と同じように息の合ったステップを繰り広げるKISSES (氣志團ファン)。

「オーライ、オーライ。オールライッ?! 俺はこの関ヶ原を勝手に仕掛けた男、気志團の綾小路 翔です。<ザ・グレートロックンロール関ヶ原>、みんな、まだピンと来てないところもあるはず。おい、オマエら、いつしかロックンロールは仲良しこよしのものになっちまったんだよ。ああ、楽しいのは分かってるよ。でも俺達はいつだって強いヤツと戦ってみたい。ロックンロールはガチンコだと思っている」──綾小路 翔

さすが、誇り高き気志團の團長。対バンというよりタイマン好きだ。そんな團長を生んだ千葉の房総、その愛を注入した「木更津サリー」が続く。さらに「鉄のハート」では、團長はステージ横のリーゼントで決めた巨大な狛犬の上に。狛犬よりも気高く吠えるように歌う團長が頼もしい。「One Night Carnival」で大合唱が起こると、嬉しさのあまり身体が震え、表情も徐々に崩れ、自然に口から「お…オマエら…」と半泣き。團長の純情な感情は三分の一どころじゃなく、すでにピリオドの向こう。




こうして<関ヶ原>は、“気志團万博軍”の大将の登場でのっけから意表を突いた。それに対抗する“VAMPARK FEST軍”。最初の一手が肝心である。そこに出てきたのは秘蔵っ子、ASH DA HERO。すでに活動を始めて1年以上経つが、これまで神秘のヴェールに包まれた感があり、実態をつかめない存在でもある。若きヴィジュアル系なのか、はたまた入れ墨だらけの鉄砲玉なのか。様々な疑問が渦巻く中、勢いよくステージに飛び出してきたASH DA HEROは、ハスキーで力強いヴォーカルを轟かす。その一声で分かる実力の高さ。破格のヴォーカリストである。

「やってやるぜ、<ザ・グレート・ロックンロール関ヶ原>。さあ、どっちが勝つのか!」と叫ぶが、すでに勝つ気十分。マイクスタンドを振り回しながらスパークし続ける。ラウドもエモもごく自然に吸収した新世代のロックンロール・ヒーローがここにいる。代表曲「反抗声明」では“ASH DA HEROフラッグ”を大きく掲げ、ラストナンバー「HELLO NO FUTURE」でピースフルなコール&レスポンスを響かせる。まさに息つく間もなく駆け抜けるようなステージだった。翔やんは「VAMPSは外タレだと思ってます」と語っていたが、VAMPS直属の舎弟であるASH DA HEROも外タレ級だ。確実に爪あとを残した。




“気志團万博軍”の次鋒は、気志團の幅広い交友録を垣間見ることになった。岡崎体育の登場である。過去に気志團に喧嘩を売り、<気志團万博>に招聘されたこともある彼。今では気志團とフレンズ関係と呼んでもいいのか。相手こそ違うが、今日もその調子で挑んでくれることを望んでいたはずだ、團長は。

ところが岡崎体育、曲を歌っては「ああ、楽しい?」と呑気。しかも、演奏トラックは2台のMacを使って自分で再生させるが、視力が悪いのか、目を細めてMacに向かう姿はまるでネット中毒のニート。いや、真実は金の亡者か。なにしろファンクラブ名は“WALLET”で直訳すれば財布。客を財布としか見てないのだ。MCでも「今、拍手した人。顔覚えとくよ。絶対に入ってもらわんと」と強引な商売人……と思わず図に乗るレポをしてしまったが、それだけ岡崎体育のステージがおもしろいから。一人ツッコミをしながらラヴ・バラードを陶酔して歌ってみたり、日本語を英語風に歌ってみたり、極めつけは「FRIENDS」だろう。カメラ目線で「ちゃんと聴いてください」と楽屋裏のバンドに呼びかけ、仲間や友達の良さを歌う。ところが一転、曲が激しくなると「一人なら印税独り占め、4人バンドなら四分割。バンド、ザマーミロ!」とまくしたてた。喧嘩上等の覚悟で決めるラップは刺激的だった。




ヘヴィなドラミングとSEを絡ませながら、勢い良くステージに飛び出てきたのは、“VAMPARK FEST軍”の2番手、MY FIRST STORY。エモーショナルなメロディと熱いラウドサウンドを叩きつけ、会場を盛り上げていく。MCを挟むことなく、曲を次から次へとプレイする姿はエネルギーの塊であり、「言葉で言うより曲で伝えたい」という。ラストナンバー「不可逆リプレイス」では、ヴォーカルのHiroがフロアに降り、オーディエンスに支えられて立ち上がり、こうも語った。

「俺らの思いが少しは伝わりましたか。最高の楽しい1日になることを心から願っています。最高の思い出、作ってくれ!」。バンドサウンドこそ闘争心も煽り立てる激しさだが、心は優しき男達である。




しかし“気志團万博軍”、戦いをやはり仕掛ける。團長によれば“名古屋のチンピラバンド。どれだけ名古屋のチンピラが厄介なのかお見せしたい”という。パトライトと警報サイレンが鳴り響く中、“気志團軍”の3番手として出てきたのはSPYAIRだった。ヴォーカルのIKEは「オマエら、何しに来た。ライヴしに来たんだろ。暴れてけ!」とカツを入れまくる。メンバーは激しいライヴアクションも決めながら、さらにオーディエンスを煽り立てる。しかもライヴのキラーチューンばかり選んだセットリストが熱い。「サムライハート(Some Like It Hot!!)」では、一体感あるタオル回しも起こし、まるでワンマンライヴが展開されているような凄まじさ。

「“気志團万博軍”としてライヴやりに来たんですけど、いろんなところから熱気、ライヴ楽しもうって気持ちが飛んでくる」とIKE。メンバー全員、客席を見渡して笑顔をこぼした。




この一体感をファンキーに揺らしたのは“VAMPARK FEST軍”の3番手、OKAMOTO'Sだった。たとえ曲は知らなくとも、彼らの放つグルーヴは自然に身体が反応する。オカモトショウが「なぜVAMPSチームに呼ばれているか。VAMPSとはロンドンで一度、ご一緒させてもらいまして。HYDEさんに呼んでもらえました」と言えば、ハマ・オカモトは「強力な後ろ盾です」と畳み掛ける。その言葉に“VAMPARK FEST軍”のファンも大歓迎。曲が続くたび、会場に大きなグルーヴも生まれていった。

「良かった! 無視されたらどうしようかと思ってた」とハマ・オカモト。超絶技巧演奏をメンバーそれぞれが聴かせ、しかしながら玄人向けではなく、誰も彼も楽しくさせてしまうファンキーサウンドが魅力だ。




それに続くのは、“気志團万博軍”の4番手、予測不能な特攻番長。なにせ“月海の漢気”と“狂蜂”によるスペシャルユニット、J王蜂だ。驚くべきはヴォーカルのアヴちゃんがリーゼント姿で出てきたこと。だがそれは単なるイントロダクションでしかなかった。J王蜂が1曲目に選んだのは氣志團のカヴァー「ゴッド・スピード・ユー!」。氣志團と同じようにダンスも決める派手なライヴパフォーマンスと、パンク指数高い豪快なJ王蜂サウンドが、オーディエンスを煽る。これにはジュリ扇を振りながら踊るファンも続出した。さらに曲はJのナンバーや女王蜂のメドレーが続くが、Jがピック弾きでワイルドに決め、女王蜂のやしちゃんは指弾き。その分厚いベースアンサンブルは曲をさらに刺激的に轟かせていった。

「ここから観る景色はとても素晴らしい。こうやって女王蜂とライヴやるのは最高です」とJが言えば、「Jちゃん、いつもありがとう。いいときも悪いときも優しく目をかけてくれる。Jちゃん、いつもスイーツを買ってきてくれてな。うん、優しい」とアヴちゃん。会場からは羨ましいといったニュアンスの歓声も上がり、思わず照れ笑いするJだった。しかし優しさと漢気あるのがJでもある。

「この会場にいるみんなと氣志團にプレゼントしたいと思います。良かったら、みんなも歌ってください」とJ。予測不能のスペシャルユニットは、どでかいプレゼントを用意していた。それはスイーツではなく、なんとLUNA SEAの「TONIGHT」。フロアから上がる歌声とJ王蜂のコラボレーションは、奇跡の瞬間の連続だ。超絶な盛り上がりのままエンディングまで突っ走った。




これも奇跡と言っていいかもしれない。“VAMPARK FEST軍”の4番手として、DIR EN GREYの登場である。彼らはこれまで海外フェスで暴れまわることは多かったが、日本のフェスに出るのは珍しい。すでにステージ前を支配していた熱狂的ファンは、SEが鳴っただけで発狂するような歓声を轟かせた。そのSE「G.D.S.」の後半、Shinyaがリズムを刻み始め、キメでバンドサウンドを一気に炸裂。そこから「Revelation of mankind」へ突入したが、スクリーンにはショッキングでおぞましいストーリーの映像が、曲に合わせて流れていく。幅広い出演ラインナップのフェスだから、恐らく初めて体験するオーディエンスも多いはず。フロア後方では微動だにせず、しかしステージに視線は釘付けになってるオーディエンスも。衝撃が会場に走っていくのが分かる。

しかしDIR EN GREYはおなじみの凶暴なバンドサウンドと心の闇をエグリ出す衝撃的な歌をぶちまけ続けた。また普段のライヴでは照明が暗めだが、今日は明るめでメンバーが闇に溶け込んでいないから、表情や形相までも明確に見える。いつもにも増した激しさがダイレクトに伝わり、震撼のライヴが繰り広げられていった。

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