ザ・ストーン・ローゼズ、武道館を歓喜に包んだ無敵のアンサンブル

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ザ・ストーン・ローゼズの単独来日公演が、4月21日(金)・22日(土)の2夜にわたって東京・日本武道館にて開催された。

◆4月21日 日本武道館公演 画像

2011年の再結成後、2012年・13年と2度の来日を果たしている彼らだが、単独公演の開催は約22年ぶり。今回のステージでは2016年に発表された最新曲も交えながら、白熱のライヴパフォーマンスでファンを熱狂させた。以下、完全ソールドアウトとなった初日・4月21日(金)公演のオフィシャルレポートをお届けする。

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オープニングの「I Wanna Be Adored」からラストの「I Am the Resurrection」まで、ここ日本での過去最高のパフォーマンスと、過去最高のセットリストによって、彼らのカムバックを祝福する最高の一夜となったのがザ・ストーン・ローゼズの22年ぶりの単独来日、完全ソールド・アウトで迎えた22年ぶりの武道館公演の初日だった。

ローゼズは再結成後、既に2回の来日(2012年のフジロック、2013年のSONICMANIA)を果たしている。しかし今回の武道館が特別だったのは、彼らが昨年「All For One」、「Beautiful Thing」と2曲の新曲をリリースしたことで、2010年代の現役バンドとして立つ自負と自信を取り戻したステージだった点だろう。実際、過去4回の来日と比べても、イアンのヴォーカル、ジョン、レニ、マニのプレイヤヴィリティ共に間違いなく今回がベストだったし、どこまでもリリカルでポップな王道メロディと、ぶっ飛んだ規格外のリズムとグルーヴが融合した「Sally Sinnamon」、「Waterfall」のようなナンバーが面白いほどパーフェクトに決まっていった今回のライヴには、『ザ・ストーン・ローゼズ』期の彼らの理屈や理論を超えた魅力が、初めて目の前で具体的に解明されていくような興奮があった。

「Begging You」、「Fools Gold」、そして「Love Spreads」と、中盤から後半にかけてのグルーヴ・チューンの主役はジョン・スクワイアだった。『セカンド・カミング』時代のライヴでは大仰かつ長大なプレイでバンドから浮き上がってしまっていたジョンのギターが、タイトに締めるべきパートはとことん小回りでソリッドに、そしてソロで牽引すべきパートではワウを効かせまくってとことんダイナミックにと硬軟自在、まさに「All For One」で歌われた“みんなはひとりのために、ひとりはみんなのために”精神を象徴するプレイでバンドに溶け込んでいく。そんなジョンのギターと、全編を通して安定したバンドの要であるマニのベース、そしてとことん自由でフリーキーなようでいて、実はローゼズの破天荒なグルーヴを包括する役割を果たしているレニのドラムスが渾然一体となる興奮、これは本当にローゼズのライヴでしか味わえないものだ。ちなみに前半は驚くほど音程が安定したヴォーカルでバンドを引っ張っていたイアンが、バンドの演奏の白熱と自身のテンションの急上昇と反比例するように、後半はどんどん音を外し始めていくのには笑ってしまったが、それでもいったん軌道に乗ったローゼズのアンサンブルは無敵、彼らのがっちり噛み合った団結は二度と崩れなかった。

ローゼズ随一のシンガロング・アンセム「Made Of Stone」、「次の曲はレディースに捧げるよ」とイアンが言って始まった「She Bangs the Drums」とフィナーレに向けてファン・フレンドリーな楽曲が立て続けにプレイされ、ラストはもちろんこの曲「I Am the Resurrection」! 会場は2階席の上段まで総立ちとなっての大合唱! バンド・ケミストリーの復活を果たしたローゼズの喜びと、それを見届けた私たちファンの興奮の入り交じった最高の幕切れだった。


Text by 粉川しの
Photos by Mitch Ikeda

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■4月21日(金) 日本武道館公演 セットリスト

I Wanna Be Adored
Elephant Stone
Sally Cinnamon
Mersey Paradise
(Song for My) Sugar Spun Sister
Bye Bye Badman
Shoot You Down
Begging You
Waterfall
Don't Stop
Elizabeth My Dear
Fools Gold
All for One
Love Spreads
Made of Stone
She Bangs the Drums
Breaking into Heaven
This Is the One
I Am the Resurrection

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