【対談】デストロイはるきち(ミソッカス)×柴田隆浩(忘れらんねえよ)、「テンプレがハマるバンドじゃなかった(笑)」

ツイート

■俺は整っていないものをバンドに求めてるから、ミソッカスはすげえかっこいいと思う――柴田隆浩

――柴田さんはオファーをもらって、二つ返事で?

柴田:もちろん、もちろん。うちのバンドの方針として、好きなバンドから誘ってもらったらとやかく言わず受ける。

はるきち:かっこいい。

柴田:でもそういうものじゃない? 過去に対バンを受けたりしてこれまで付き合いがあったけど、バンドのいる位置が変わってきたら無視するとかさ…そういうのほんとダセえと思うし。それは絶対音楽、特に歌詞に出てくるよね? そもそもこの時代にバンドを始めるということは、メインストリームにいなかったから、ってところない?

はるきち:ああー。そうですね。

柴田:イケてるやつらが盛り上がってるところに「くそ!」という気持ちを抱えてバンドを始めている気がするの。でもちょっとバンドの規模が変わっただけでその心を失うのは、かっこいいことじゃないなと俺は思う。

はるきち:……柴田さんと俺はマインドがめっちゃ近いと思う。初めて会ったのは(2012年の)12月16日、キュウソネコカミのインディーズ2枚目(※『大事なお知らせ』)のツアーの、池下CLUB UPSETでのライブで。

柴田:すごい! よく覚えてるね(笑)!

はるきち:柴田さんと打ち上げでめっちゃ話そうと思ってたら、忘れらんねえよは打ち上げに出ず帰っちゃって。

柴田:次の日にライブだったからかな。俺、夜に人と飲んじゃうと、次の日に必ず声が出なくなっちゃうの。

はるきち:というのもあって、柴田さんの携帯の番号も知ってるしTwitterも見てるけど、打ち上げで飲んだりとかしたことがなくて。でも近いマインドはすごく感じてます。

柴田:俺も感じます、感じます。ちょっとずれてるところとかね(笑)。やっぱりバンドはずれてるほうが面白いことができるかなと思うし。俺ははるきちくんの歌に、90年代の小室哲哉さんの黄金時代のメロディセンスを感じるの。この時代にそれを堂々と鳴らしているじゃないですか。なんの照れもないところがすごく好き。小室さんのメロディセンスの系譜で、中二的世界観を堂々と歌っている!

はるきち:あはははは!

柴田:あと、メンバーの名前に統一性が一切ないところもすげえ好き。整えられてない感じがすげえ好きなんだよね。なんだこれ!? と思うようなゴリッゴリの音してるし。俺は整っていないものをバンドに求めてるから、ミソッカスはすげえかっこいいと思う。

はるきち:めっちゃうれしいです。

柴田:そういう突き抜け方は憧れますね。挫・人間と同じかな。

――はるきちさんから見て忘れらんねえよはいかがでしょう。

はるきち:やっぱり忘れらんねえよもミソッカスもアウトサイド寄りで…。

柴田:そうだよね。アウトローじゃないんだよね、アウトサイドなんだよね(笑)。

はるきち:ははは! アウトローはかっこいいけど、俺らはアウトサイドにちょこんといる感じ(笑)。

柴田:ルールや法律は守る。ただ目立たないだけ(笑)。

はるきち:僕は歌心があるバンドが好きなんです。忘れらんねえよはちゃんと歌を大切にしてるし、歌心のあるひとしかいいメロディラインなんて書けないと思うんですよ。柴田さんみたいな日本人らしい歌心があるバンドは、僕の下の世代にあまりいない。みんなちょっと外国ナイズドされているから。

柴田:悔しくなるときない? こんなにいいメロディ書いてるのにそのことが伝わらねえなー…って。そこで結構悩むことはあって。

はるきち:最近思うのは、CDが売れていて、アーティストはアーティスト然としていて、音楽がアートとして捉えられてた時代の世代…アラサーより上の世代のひとたちには届いている感触ありませんか? でも下の世代に届いてないなと思うことはあって。

柴田:そうなの。だから上の世代のお客さんも多くて。

はるきち:僕らも! 20代後半から40代半ばが多い。

柴田:50代のひとが子どもさんと一緒に来てくれたりね。

はるきち:そうそう! あれはめちゃくちゃうれしいですよね。うちは「わたしはミソッカス好きじゃなかったんですけど、お母さんが好きでよく聴いていて、聴いていくうちにわたしも好きになってきちゃいました」っていう逆輸入パターンがある(笑)。

柴田:あるあるある! 誰にでも届いてほしいと思うから、いいメロディを老若男女すべての世代に届けたいよね。

はるきち:若い子に伝えるってどうしたらいいんですかね?

柴田:…顔かな?

はるきち:(爆笑)

柴田:だから、次のミュージックビデオは俺ら全員出なくていいんじゃないかな! 絶対出ないほうがいいんじゃないかな!

はるきち:犬を出しましょう。

柴田:そうだね! 犬とか赤ちゃんとか。TVの三種の神器は動物、赤ん坊、食べ物らしいから、その3つが出てるミュージックビデオを撮ろう!

はるきち:曲のタイトルは「三種の神器」にしましょう(笑)。ステーキがパカーンと割れたら赤ちゃん生まれる!

柴田:もうひどすぎるよね(笑)。

◆対談(3)へ
この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス