【ライブレポート】Shout it Out、「ようやくO-WESTを埋められるようになった」気迫の東京公演

Shout it Outによるアルバム『青年の主張』リリースツアーの東京公演が5月7日に渋谷 TSUTAYA O-WESTにて開催された。

◆Shout it Out ライブ写真

アルバムを掲げ全国13箇所での公演でスタートした本ツアーは、開催中に追加公演も決定。この日は追加公演に入る前の一旦のツアーファイナルということで、O-WESTも満員の入りとなった。オープニングアクトには宮城県出身の後輩バンドSILVERTREEが参戦し、会場が暖まってからいよいよShout it Outのライブ本編へと突入する。

▲SILVERTREE

▲Shout it Out

1曲目をアルバム表題曲「青年の主張」からスタートさせた山内彰馬（Vo,G）と細川千弘(Dr）は、スポットライトを浴びながら初期衝動を思わせる強いテンションでのパフォーマンスを披露する。昨年9月のメンバー2名の脱退を経て、今でこそボーカルとドラム以外はサポートを加えてのバンドスタイルになっているが、この2人が組んでのライブには見ていて息をのむような緊張感が感じられる。キャッチー且つ膨大な熱量のボーカルを繰り出しオーディエンスを巻き込んでいく山内と、その後ろで職人肌ながらこれも熱量のある叩きを見せる細川。音楽愛ゆえに正面から一触即発になる可能性もあるし、噛み合った時にはこれ以上ない引力を生み出す相性のようにも見えた。

序盤のうちにTVアニメ『DAYS』2期EDテーマとなった「DAYS」、そして新曲「道を行け」ではオーディエンスの高速クラップをあおり、疾走感のあるパフォーマンスでたたみかける。MCをとった細川が「東京公演ソールドアウト、ありがとうございます！　開場前に皆さんが並んでいるのを見て、彰馬が『なんか売れているバンドみたいだな…』と言うぐらい人が集まってまして」と語ると、会場からは笑い声があがった。

まだ青臭さの残る「17歳」から、ライブは中盤へ。山内は「僕はバンドをやることが夢で、それはShout it Outというバンドを組んだ時点で一つ叶ってしまったんですが……やっぱりこうやってこういう日を迎えると、Shout it Outという高校で始まったメロコアみたいな名前のバンドが、ようやくO-WESTを埋められるようになったんだなと今とても幸せな気持ちです。ありがとうございます」と訥々とした思いを語る。

叫ぶように歌い上げる「雨哀」から「夜間飛行」、「トワイライト」と、会場のボルテージが上がっていくのに合わせ、ライブ冒頭の緊張感からようやく自然体に、本来のエネルギッシュなパフォーマンスへと変わっていくShout it Outの２人。メジャーデビュー時の10代から、だんだん大人になっていく今の姿をありのままに見せる「大人になれない」を経てライブはラストスパートへ。熱気に包まれたオーディエンスが拳を突き上げて見守る中、本編は「青春のすべて」で締めくくられた。

また、アンコールではサプライズでライブミュージックビデオの収録も行なわれ、ここで披露された「道を行け」のライブパフォーマンスの模様が観客の熱狂と共に映像に収められた。こちらの映像は近日公開予定とのことで、完成を待ちたいところだ。

「どれだけのバンドがここでワンマンに立ってきたかと思って、そんな歴史の上に立てて嬉しいです。ここに上がってきた人たちのバトンを受けて、ここに立てています」と山内。「幸せでした。ありがとう」とこの日のライブを締めくくる言葉に、会場からは溢れんばかりの拍手が湧き起こった。

Shout it Outは5月19日(金)の大分・clubSPOTからいよいよツアー追加公演へと突入する。こちらは対バン4公演に加え、ファイナルとなる7月10日(月)には、地元・大阪の梅田クラブクアトロでのワンマンライブが決定している。

Photo：木場 ヨシヒト

◆Shout it Out オフィシャルサイト