【連載特別編】フルカワユタカとBenthamはこう語った -net radio vol.3-
フルカワユタカ連載コラム『フルカワユタカはこう語った』の特別編“net radio ver.”第三弾は、ゲストにBenthamを迎えて実施した。第一弾の原(the band apart)、第二弾の須藤寿(髭)に続く今回のnet radioも、開催間近に迫るフルカワユタカ主催ライブを受けてのものだ。
◆『フルカワユタカとBenthamはこう語った』 動画
2マン企画<フルカワユタカ presents「Play With」~with Newest B~>と題したライブが6月4日(日)、新宿LOFTで行われる。対バン相手はBentham。フルカワが音楽の師と仰ぐFRONTIER BACKYARDのTGMXプロデュースによる4人組ロックバンドであり、TGMXはDOPING PANDAインディーズ時代のプロデューサーだったという意味でも、両者はゆかりが深い。
Benthamのキャラクターを紐解くトークから、TGMXサプライズ登場による赤裸々裏話、そして、<フルカワユタカ presents「Play With」~with Newest B~>への意気込みなど、1時間にわたる濃厚なトークセッションをnet radioとしてお届けしたい。まずはその前に、フルカワ自身が記した以下のイントロダクション的コラムから(BARKS)。
◆ ◆ ◆
もちろん、辻 (Bentham:B)君ほどビービーと泣いたりはしないが。大人になってから人前で泣いたことが僕も2度ほどある。一度は31の時に友人のお葬式で、もう一度は26の時に先輩の家で。
「“まだやれる事があるから行くな”と言われますが、僕は今だと思います。一緒に来て頂けなくても行きます。いや、本音では自分達だけでやってみたいという気持ちがあります」
悔しかったのか、腹立たしかったのか、悲しかったのか、寂しかったのか、申し訳なかったのか、それともその全部だったのか、今となっては思い出せないけど、僕はそう訴えながらポロポロと泣いていた。恐らく何時間も、お互い平行線のまま、ずっと話していた。いつの間にか暗くなり、テレビの光だけになったその部屋で、僕は重い空気に押しつぶされているかのように首を折って、正座して、泣いていた。
「あれ? お前、今レッチリ見てるだろ? 人が真剣に話してる時に、へこんだふりして、すげーレッチリ見てない?」
テレビにはスレーンキャッスルで8万人を前に暴れ狂るレッチリが映っていた。ご指摘の通り、僕は頭を下げたまま目だけ回してそれを見ていた。不真面目だったわけでも、先輩をなめていたわけでもない。無意識に、だっただけなのだが、確かに目が乾いて痛くなるほどレッチリに見入っていた。
「いや、見てないっす。全然見てないっす。てゆうか、この状況で見るわけないっす」
「うわー、見てたよ、こいつ絶対見てたよ。怖いわー」
そこでふっと緊張の糸がキレて2人で笑ったのを覚えている。が、記憶はそこまでだ。それから5年間、名古屋クアトロに対バンで呼ぶまで、一緒に音楽をつくることはもとより、会うこともほとんど無かった。飛び出してからの最初の2〜3年は”むしろ会わないようにしていた”と言う方が正しい表現なのかもしれない。僕らにとって、メジャーに行くということはそういう類いの出来事でもあった。
2017年2月、Benthamのフリーライブを一緒に見に行った。僕の好きなコード進行やメロディーが多いし、何より田上 (TGMX/田上修太郎) さんのアレンジがツボに来る。KEYTALKの武道館でもそうだったが、僕は曲を聴けばどれが (どこが) 田上さんのアレンジなのか大体分かる。比較的短いワンマンライブの後、僕は彼らに触れてみたくなっていた。
数日後、対バンに誘いたい旨を田上さんに伝えたら「誘ってあげてくれてありがとうね」と言われて、何だか変な気持ちになった。
6月4日、日曜日、新宿ロフト<Play With ~ with Newest B ~>。田上さんは市川 (LOW IQ 01) さんとのアコースティックツアーがあるので来れないらしい。せっかく「go the distance」を演るし、是非とも見に来て欲しかったのだけど、打ち上げの事を考えると、まあいいや。だって、39にもなって、出来たての後輩の前で“パンイチ”とかにはなりたくないじゃない。万が一にも。
“おとうと”弟子諸君。こちとら、リズム隊は宇野&キング鈴木の“元アートコンビ”、ギターは“光速のプードル”新井弘毅という強者オールスターズでござい。だけれども、胸を借りるだなんてしょうもないこと言わないで、下克上をかますくらいの気持ちで飛び込んで来なさい。TGMX門下生の名に恥じぬよう。
◆ ◆ ◆
▼Bentham
▼TGMX
■2マン企画<フルカワユタカ presents「Play With」>
6月4日(日)新宿LOFT
w/ Bentham
OPEN 17:00 / START 17:30
一般発売日:2017年4月29日(土)
▼~with Melancholy A~
7月28日(金)新宿LOFT
w/ ASPARAGUS
OPEN 18:30 / START 19:00
一般発売日:2017年6月10日(土)
▼チケット
前売り¥3,990(税込、D別)オールスタンディング
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888(平日12:00~19:00)
◆【連載】フルカワユタカはこう語った
◆フルカワユタカ オフィシャルサイト
◆フルカワユタカ オフィシャルTwitter
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