【インタビュー】蓮花、3rdシングル完成「桜と雪が融合するような美しい情景を、最初の一言で」

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■ラクなほうが幸せとは限らない
■迷ったら苦しいほうへ

──続く「Gemini」は、2016年10月の1st単独ライヴで歌って以来、音源化が待望されていた曲です。

蓮花:はい。ライヴをするとき、新しい曲を1曲入れたいねっていう話になって。ストックの中から“この曲をぜひ歌わせてください”って、披露させてもらったんですけど。

──初めての単独ライヴはいかがでしたか?

蓮花:とにかく緊張しました(笑)。でもお客さんが優しく迎えてくださって、とても温かい雰囲気だったので、ありのままの自分を出すことができました。

──蓮花さんってMCとか苦手なイメージがありますけど、そこも大丈夫でした?

蓮花:私もやる前は、大丈夫かなぁ?って思ってたんです(笑)。緊張すると言葉が出てこなくて黙り込んじゃうほうなので。そうなったら困るなっていう不安はあったんですけど、皆さん、私が言う一言一言を頷きながら聞いてくれたので、嬉しくなっちゃって、どんどんしゃべれました(笑)。

──ほんとに温かいお客さんだったんですね。

蓮花:本当に。私は会話するようなライヴをやりたいと思ってたんですよね。もちろん1人1人と会話するのは不可能なんですけど、目を合わせることで言葉を交わすような、心を通わすライヴをやりたいなって。で、お客さんのおかげでそういうステージができたので、ありがたいなと思っています。自分自身、楽しめましたし、印象深いライヴになりました。

▲3rdシングル「白雪」初回限定盤

──そんなライヴで初披露された「Gemini」。この歌詞も「白雪」とは方向性が全然違いますけど、今までになかったタイプというか、かなりさらけ出した内容ですね?

蓮花:そうなんです。普段はあまり人に見せない自分の正直な気持ちをさらけ出した歌詞で。最初は“どう思われるかな?”っていう不安もあったんですけど、でも正直に綴ったほうが共感してくださる人も多いんじゃないかなと。心に刻まれるような言葉を選んで作っていきました。

──うん、すごく共感しました。“ひとりでいれば、寂しくて だれかといると、息苦しくなる。”とか、“あ〜わかるわかる、私も同じ同じ”と思って(笑)。

蓮花:うんうん(笑)。そういうのありますよね? でも歌詞を書くときはかなり勇気が要ったんですよ。普段秘めてることを正直に出して大丈夫なのかな?って。ただ、自分の恥とか悩みとか心配事をカッコつけて表現するより、そのまま自分なりの言葉で出したほうが胸に刺さるかなと思ったんです。私は夜にラジオをよく聴くんですけど、たまに自分が抱えている感情と同じことを言ってる人がいると、ハッとして何か救われたような気持ちになるんですよね。なので、この曲も聴いてくださった方が“自分の思ってたことを言ってくれてありがとう”ぐらいの、気持ちがスッキリほぐれるような曲になるといいなと思って書きました。これは夜に書いたんですけど、しっとりした静かな時間に書いたから、よけい素の自分が出せたのかもしれないですね。

──歌詞の中には“私はきっと「楽」を選べない 自ら痛みを探すの”っていうフレーズもあって、蓮花さんはまっすぐで真面目な人なんだな、というふうにも思いました。

蓮花:そこもさらけ出しすぎていて、ちょっと恥ずかしいんですけど(笑)。いくつか選択肢があったとき、私は“楽”を選べないんですよ。ラクなほうを選んじゃうと、逆に幸せになれない気がするんです。

──わかります。困難な道を選んだ大変さより、ラクな道を選んだ後悔のほうが苦しかったりしますからね。

蓮花:そう。この話を始めると深くなってゴールがなくなっちゃうんですけど(笑)、ラクなほうが幸せとは限らない。私は小さい頃から両親とか先生とか私を大事に思ってくれてる人に「迷ったら大変なほうを選びなさい」って言われていて。何かあるとその言葉を思い出して、苦しいほうへ行くっていうところがあるんです。で、ここではそんな自分も出したというか。

──その曲に“Gemini”というタイトルを付けたのは?

蓮花:Geminiは双子座の意味で、双子座の星座のキーフレーズは“I think”……つまり、よく考える星座だって言われているんです。あと、二面性があるとも言われていて、人間は必ず二面性とか相反する感情を持っているから、それを書きたいなと思ってタイトルを“Gemini”にしました。私はこの曲って、日記の一部を歌詞にしたような感覚もあるんですよね。日記は人に見せないじゃないですか? その人に見せない部分を出して、聴いてくれた人が“あぁ、自分だけじゃないんだ、良かった”って思ってくれたら嬉しいな。これからもこういう書き方はしていきたいなと思っています。

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