ピンク・フロイド大回顧展が開幕、歴史的機材からロジャー少年のお仕置き手帳まで

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▲Photo by AKIKO SHIMIZU

ピンク・フロイドの大回顧展<Pink Floyd Exhibition: Their Mortal Remains>が、5月13日(土)、英ロンドンのビクトリア&アルバート・ミュージアム(V&A)にて開幕した。

◆ピンク・フロイド大回顧展 画像

オープンに先立って5月9日(火)に各国プレスやVIPを招待して行われた内覧会には、ノエル・ギャラガーやジミー・ペイジ、クイーンのブライアン・メイ、ロジャー・テイラー、映画『ザ・ウォール』に主演したボブ・ゲルドフらが駆けつけ、展覧会のスタートを華々しく祝った。当日はバンドを代表してニック・メイスンも参加。展覧会の実現に向けて献身的に協力してきたニックは「50周年を迎えたバンドのバースデー・パーティみたいだね」と語り、ロジャー・ウォーターズとデヴィッド・ギルモアが姿を見せなかったことについては「どっかでケンカでもしてるんだろうね」と笑いを誘った。

今回の展覧会はバンドと長年協働してきたデザイナーと建築家が企画段階から参加して作り上げられたもので、現在世界を巡回中のデヴィッド・ボウイ大回顧展<DAVID BOWIE is>同様、入口で渡されたヘッドフォンを装着すると展示に即した音楽や音声が流れてくるという仕掛け。バンドの歴史とともにアルバムをリリース順に紹介していく構成になっており、各コーナーには関連のポスターや楽器、手書きの歌詞などの展示に加えて、『対(TSUI)』のジャケットに登場する二つの像や、『アニマルズ』のジャケットのバタシー発電所の再現など、ジャケットアートに関連した大型展示物も多数設置されている。最後には超特大スケールのサラウンドシネマが用意され、ピンク・フロイドがデビュー当時から試みてきた音と映像の融合を体感することができる。



Photos by AKIKO SHIMIZU

このほか、展示品の中にはロジャー・ウォーターズやシド・バレットが少年時代に学校で先生から叩かれた“杖”といった意外な蔵出しアイテムも。この教師は『ザ・ウォール』の中の巨大な教師像のモデルにもなっているという人物で、ロジャー・ウォーターズは以前の記者会見で次のように語っていた。

「展覧会ではいろいろ見たいものがあるが、とりわけ見たいのがその杖だよ。当時の校長は体罰を何とも思ってなくて、やたらと杖をふるったんだ。罰手帳というものも一緒に見つかってね、1956年のところに“ウォーターズ、ケンカした罰で6回ムチ打ち”と記録されている。なぜだか、ここに載ったことをすばらしく誇りに思うよ(笑)」

さらに、シド・バレットの絵画作品や、円形スクリーンの再現、ロック史を変えた機材の数々、ニック・メイスンの“浮世絵デザイン”のドラムセットなども一挙展示。バンドの足跡が凝縮された同展は、「驚愕のショー」(ガーディアン紙)、「夢のような思いつきがきっちりと企画され、美しく設計され、この上なく魅力的に構築された展覧会」(テレグラフ紙)と各メディアから絶賛を浴びている。



ピンク・フロイド大回顧展<Pink Floyd Exhibition: Their Mortal Remains>は、10月1日(日)までヴィクトリア&アルバート博物館にて開催。また、6月7日(水)にはロジャー・ウォーターズの25年ぶりとなるスタジオアルバム『イズ・ディス・ザ・ライフ・ウィ・リアリー・ウォント?』がリリースされる。



■展覧会情報

ピンク・フロイド大回顧展<The Pink Floyd Exhibition: Their Mortal Remains>
2017年5月13日(土)~10月1日(日)
イギリス・ロンドン、ヴィクトリア&アルバート博物館
公式サイト:http://pinkfloydexhibition.com/

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