【ライブレポート】アンジュルム、ツアーファイナル武道館で見つめ直した“スマイレージ時代からの今”

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アンジュルムの春ツアー<アンジュルム コンサートツアー 2017春 〜変わるもの 変わらないもの〜>のファイナル公演が、5月15日に日本武道館にて開催され、6月21日にリリースが予定されているシングルに収録となる3曲の新曲が初披露された。オフィシャルからのレポートをお届けする。

◆アンジュルム 画像

アンジュルムにとって日本武道館公演は、スマイレージ時代を含めると5回目。加えて、前回の日本武道館公演<アンジュルム コンサートツアー 2016春 『九位一体』〜田村芽実卒業スペシャル〜>から数えて、約1年ぶりとなる。

苦難、困難、不安の中での奮闘。それはアンジュルムの、スマイレージ時代からの宿命なのかもしれない。しかし、彼女たちは揺るぎない自信と信念をもって、これまでも幾多のピンチを乗り越えてきた。そしてその想いは、ファンもまた同じ。この日、竹内朱莉が力強くしたためたツアータイトルが掲げられた日本武道館の入場口を、当日券200枚以上という驚異的な数字を叩き出しつつ、約6500人のファンがくぐったのだった。

オープニングアクトとして、2017年にメジャーデビューしたつばきファクトリーが、「初恋サンライズ」の“サンライズジャンプ”で会場を温めたのち、いよいよアンジュルムのツアーファイナルの幕が上がる。

オープニング映像で絡み合うアンジュルムの“A”とスマイレージの“S”。そして逆光の中、浮かび上がる8人の影。このツアーのみで披露されている「I 無双 Strong!」の打ち鳴らされた強烈なビートが、客席ひとりひとりの感情と魂を揺さぶっていくと、武道館を四方八方に切り裂くレーザーと気合いの入ったパフォーマンスでオーディエンスは大きな歓声を上げる。

そして6月21日リリースシングルに収録される新曲が、早くも序盤のタイミングで用意されていた。タイトルは「愛さえあればなんにもいらない」。ワルツのリズムがアクセントのように組み込まれ、アンジュルムの色っぽさと可愛らしさ、そして女の子の決意や強さが盛り込まれた本邦初公開の真新しいサウンドは、客席を埋めたすべての人の耳とハートを鷲掴みにしていく。気づけば誰もがステージ上から視線を外せなくなってしまっていた。




メンバーからも説明があったように、今回のツアーは、「スマイレージ×アンジュルム」がテーマ。学校のチャイムがSEとして鳴り、時計の針が戻ったかのようにアンジュルムからスマイレージのパートへ。流れてきたのは、スマイレージが始まった曲、1stインディーズシングルだった「ぁまのじゃく」、そして「◯◯がんばらなくてもええねんで!」。かすかにスマイレージ時代を彷彿とさせるミニスカートの衣装もさることながら、なにより、曲が流れた途端に昔の“悪ガキッ”な目に変わった和田彩花の笑顔。スクリーンに映ると、もうそれだけで感慨深いものを覚えたファンもいたことだろう。

ところで、このスマイレージ曲が並んだコーナーにも、ニューシングルからの新曲が用意されていた。聞きなれないピアノイントロから始まったのは、アンジュルムがアンバサダーを務める、全国のアイドルによる国民的アニメソングカバーコンテスト<愛踊祭(あいどるまつり)2017>課題曲「魔女っ子メグちゃん」。ちょっと背伸びして小悪魔を気取ったような8人の魔女っ子たちがステージに舞い降りれば、チャーミングな歌と仕草で会場はイチコロとなっていたのは言うまでもないだろう。

その後も、アンジュルム楽曲とスマイレージ楽曲が並んだコーナーを繰り返しながらライブは展開される。最新シングル収録曲「忘れてあげる」から、スマイレージ時代の「同じ時給で働く友達の美人ママ」や「有頂天LOVE」まで。後半には「大器晩成」や「出すぎた杭は打たれない」といったライブで激しい盛り上がりを生み出す作品も盛り込みながら、その時その時代のグループの楽曲を、今のアンジュルムが歌い継ぐという形で、変わるもの、変わらないものを表現してみせた。

さらに「私の心」から始まったアンコールにも、新曲が。「ナミダイロケツイ」とタイトルが付けられたこの曲で、ステージ上、純白の衣装をまとった8人が“この場所を守る”という決意を歌い上げる。それは今、この瞬間に共有しているアンジュルムのライブという空間。涙が滲むメンバーの瞳には、あらためてのその決意が宿っていた。

なお、最後の挨拶では、メンバーそれぞれ素直な気持ちをコメントしていた。初めての日本武道館公演となった笠原桃菜が「アンジュルムに入れてよかった」と声を震わせれば、上國料萌衣は、昂ぶる感情が涙として溢れ出しそうになるのをこらえながら「このツアーで学んだことを今後に生かしたい」と決意を口にする。このツアーを通して涙を見せてこなかったと主張した佐々木莉佳子は、誰もが予想できたわかりやすい展開で泣き出してファンの爆笑を誘い、室田瑞希は同期で活動休止中の相川茉穂を含めた9人で回れなかった悔しさを滲ませる。勝田里奈は、今回のツアーで、実は夢だった衣装にも携わっていたことを嬉しそうに明かす。最終日にふさわしい素敵な時間が過ごせたと満足そうに語った竹内朱莉は、「開始1秒で(日本武道館公演のチケットを)完売にしたい!」という野望をタケちゃんらしく宣言。そして中西香菜は、いつも支えてくれてきたファンへ感謝の気持ちを語った。

そしてリーダー、和田彩花。彼女自身、ずっとスマイレージとアンジュルムは別物だと考えていたため、スマイレージの曲をやった時に起こるファンの歓声を素直に喜べなかったと話し始めた彼女は、「でも、グループに対する大好きだったり、この人たちといろんなことやりたいって気持ちはずっと変わらないんです。それは今もそうですし。私にとって変わらない部分はそこだなって思って。でも大好きだからこそ私は変わっていきたい。大好きだからこそ、変化を求めていきたい。そんな部分が私の“変わるもの 変わらないもの”だったなって。」と、ツアーを通して気づいた、自身の“変わるもの 変わらないもの”を総括する。そして、「あらためてライブをやって、アンジュルムっていうのは、メンバーだけじゃ成り立たないんです。メンバーと、スタッフさん、そしてファンのみなさん。この3人が一緒になってひとつのものが完成するんです。で、その空間は日本一素敵な空間だと思うんです。だから来年、また武道館で、そんな素敵な空間をもっとたくさんの方々と共有できたらいいなって思います。」と、再びこの場所で、時間と空間の共有を願ったのだった。


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◆BARKS Kawaii
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365日、アイドルが作るアイドルメディア Pop'n'Roll 準備号創刊

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