【インタビュー】+α/あるふぁきゅん。、人生の分岐点を語る

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■「めんどくさい」からやってた
■「これしか歌えない」方がよっぽど価値があると私は思ってる

──そもそも音楽活動キャリアは?

+α/あるふぁきゅん。:お遊びのレベルでいいんだったら、バンドはやったことはあります。音楽学校に入学したとき「見た目がカッコいいから」っていう理由でベース科に行こうとしました。歌いながらベースを弾いていたら、先生に「あなたはボーカル科がいいと思うよ」って言われ、「じゃあベース辞めてボーカル科に行くわ」ってことで変更したんです。だから、歌をやろうと思ったのはそこが初めてなんです。

──え?まだ自分の歌の凄さに気付いていなかった?

+α/あるふぁきゅん。:そこまで本気ではなかったんでしょうね。

──学校ではボイストレーニングとか声楽を?

+α/あるふぁきゅん。:やりました。役立ってます。ただ真面目に受けていた授業は、譜面を読む授業とダメージを受けたときの治し方…そのふたつだけ。私は、歌い方とか音の出し方なんかどうでもいいと思っているんです。このふたつ以外は個性が潰れちゃう部分だと思うので。

──歌うことへの姿勢は、完全にプロフェッショナルのそれですね。周りの生徒達と全然違ったでしょう?

+α/あるふぁきゅん。:まわりは基礎をやらずにとにかく応用ばっかりって感じ。派手なことをしたい、みたいな。私は、頭に叩き込まなきゃいけない書いて覚えるようなめんどくさいことは、お金を払って通う学校じゃないとやる気が出ないだろうなと思って。大人になってから自分ひとりでやるとなっても、私はきっとプータローになるから。

──自分を追い込んでいた?

+α/あるふぁきゅん。:そうだと思います。やらなくていいならボーカル科の授業ばっかり受けたかったですけど、「めんどくさい」からやってたんです。大人になって楽をしたいから、ここでみっちり頭に入れておこうみたいな。技術的な練習はいつでもできますから。

──ストイックだなぁ。

+α/あるふぁきゅん。:それだけやることがなかった、っていうのもあるんですけどね。友達がたくさんいたわけでもないので。

▲『ALMATIC.』通常盤

──歌うことやレコーディングなどで、挫折を経験したことは?

+α/あるふぁきゅん。:辛いことをどうやら辛いと思わない性格みたいで「それってヤバイことだよ」って言われても、私はヤバイと思ってないっていうことが多いから、もしかしたら挫折してても挫折したと思ってないのかもしれない。ただ、歌ってて何が一番いいのかがわからなくてすごく悩んだことはあります。10種類あったとしても、どの曲も歌えるんです。

──「なんでも歌える」より「これしか歌えない」方がよっぽど楽ですね。

+α/あるふぁきゅん。:「これしか歌えない」方がよっぽど価値があると私は思ってる。どれも歌えてどれも似たような感じになって、どれも「いいね」と言われる。「じゃあ本当はどれがいいんですか?」っていうのを、何年も何年もずっと悩んでますね。

──今は解決しましたか?

+α/あるふぁきゅん。:解決しました。高校の頃、周りのみんなが基礎をやらずに応用をやりたがっていて、私はそれをバカバカしいと思って勉強していたけれど、でも結局…私も同じだったんです。というのも「歌を上手く歌おう」としていたんですよね。それって応用ばかりやろうとしているのと同じことなんです。技術だけ上手く歌おうとしていた。「上手い歌がすべてだ」っていう感覚があったので、人の歌でもちょっとでも歌が下手だと、もう聴く気もおきなかったから。

──「上手いことこそ、絶対条件である」と。

+α/あるふぁきゅん。:でも、ライブを始めた頃、その時すっごく疲れてて喉も死んじゃってたんですけど、お金払って来てる人は期待してるし、やんなきゃいけないじゃんって思って、もう思いっきり歌ったんです。そしたらそれがすごく気持ちよくて、「これか」って気付いた。「勢いって大事だな」と思った。だから今回のアルバムって、今までのレコーディングと全く違って、「今気持ちよかったから、このテイクにしよう」っていう選び方なんです。

──まさに現場で学ぶものですね。学校ではなかなか学べないものかな。

+α/あるふぁきゅん。:学校では無理でした。勉強する場所なんで、できなかったですね。ライブでダメダメなときだったけど「気持ちいい」っていうことがわかった。

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