【対談】千聖 × IKUO、20年を経て繋がる2人のミュージシャン

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PENICILLINの千聖がソロデビュー20周年を記念したベスト盤『千聖〜CHISATO〜 20th ANNIVERSARY BEST ALBUM「Can you Rock?!」』を6月7日にリリースする。このベストアルバムは千聖がCrack6を結成する以前、1996年から1999年にかけて千聖名義でレコーディングした楽曲をファンのリクエスト投票をもとにセレクトし、再録音したもの。本作のために書き下ろした新曲も収録されている。

◆千聖 × IKUO 対談画像

千聖と交流のあるゲストミュージシャンが多数参加している本作で、「666 〜XX ver.〜」でゴリゴリの高速スラップベースを披露しているのがRayflower 、BULL ZEICHEN 88のベーシストであり、T.M.RevolutionやTETSUYA(L'Arc-en-Ciel)のサポートでもおなじみのIKUO。偶然、同じ年に同じレコード会社からデビューしていた千聖とIKUOだが、交流が生まれるのは約10年後のことだった。そんな2人の出会いのいきさつ、ベース録りの日にスタジオにギャラリー集結のレコーディングのエピソードなど、貴重な話がたっぷりのスペシャル対談をお届けしたい。

  ◆  ◆  ◆

■「こんなベーシスト、日本人にいるんだ!?」って(千聖)

──まずはお2人の出会いのいきさつを教えていただけますか?

千聖:お互いのことは前から知っていたんですけど、初めて話したのは、2007年のAcid Black Cherry主催のイベント<SWAPPING ROCK PARTY!>ですよね?

IKUO:Acid Black Cherryのサポートメンバーがそれぞれやっているバンドが出演してトリでAcid Black Cherryが出るという趣旨でZeppツアーをやったんですよ。なので、千聖さんはCrack6で出演して、僕はドラムの淳士(SIAM SHADE)と一緒にやっているバンド、BULL ZEICHEN 88で出たんです。ベースのSHUSEくんがSamurai Dead Cityで出て。

千聖:AKIHIDEくんがBREAKERZで出てね。

IKUO:そこで初めてお話ししたんです。実は千聖さんとはデビューした年が1996年で一緒なんですよ。しかもパイオニアLDCという同じレコード会社。

千聖:そう、そう。僕がPENICILLINでIKUOさんがEx-ITというバンドでデビューして。

──じゃあ、何度もすれ違ってはいたんでしょうね。

千聖:僕は当時、Ex-ITのことは知っていたんですけど、メンバーのことはよく知らなかったんですよ。IKUOさんに「え? そうだったんですか?」って言ったくらい。

──ということはその頃は共演したこともなく?

IKUO:ないですね。ジャンルが違ったこともあって。

千聖:ただ、これも後から知ったんですけど、ウチのドラムのO-JIROがEx-ITのギタリストの方にお世話になっているんですよ。

IKUO:そうだったんですか?

千聖:ちょうどO-JIROがデスクトップミュージックをやろうとしていた頃で、PCのことを詳しい人が周りにいないくて、パイオニアのディレクターに相談したところ、紹介してもらったらしいです。いわゆる先生的存在だったらしいんですよ。

IKUO:Pro Toolsの走りの時代の中、ウチのギターはいち早く手をつけてたんですよ。セルフプロデュースだったので詳しかったんでしょうね。

千聖:当時はバンドマンがPCやるのもハテナ?の時代だったんですよね。あの時に教えていただいたことが活きているわけですから、ギターの方がいらっしゃらなかったらO-JIROは出遅れていたかもしれないですね、感謝です。



──お2人が知らないところでバンドの交流はあったんですね。Acid Black Cherryのイベントではどんな話をしたんですか?

IKUO:僕は「Ex-ITというバンドをやってたんです」って話をしたかったんだと思います。なかなかお会いするタイミングがなかったので。

千聖:当時、僕は“BLUES ALLEY JAPAN”というジャズ系のライヴレストランがやっているラジオ番組をレギュラーで担当していて、ジャズの人たちとよくセッションしてたんですよ。IKUOさんに「僕もBLUES ALLEY JAPANでよくライヴに出るんですよ」って言われて「えっ? ジャズもやるんですか?」って話をした記憶があります。IKUOさんは物腰が柔らかくて腰が低いので、ブルハチの音を聴いて「何じゃこれ!?」ってギャップに驚きましたけどね(笑)。「こんなベーシスト、日本人にいるんだ!?」って。

IKUO:ありがとうございます。

千聖:中学生の時、初めてビリー・シーン(Mr.Bigのベーシスト)を聴いて以来の衝撃でしたね。

IKUO:(笑)僕もビリー・シーン聴いてました。

──音楽ルーツもわりと近かったりするんですか? 千聖さんはAORから入ってハードロック、ヘヴィメタルを聴いていたんですよね?

IKUO:じゃあ、近いかもしれないですね。僕もAORもヘヴィメタルも好きだし、あとはジャズ、フュージョンとか。

千聖:僕はフュージョンは聴くだけでしたけどね、O-JIROくんは学生時代サックスをやってたのでそのあたりも好きなんですよ。

IKUO:へえ。そうなんですか?

千聖:僕は『ベストヒットUSA』(小林克也司会の伝説の音楽番組)世代なので。

IKUO:僕もそうです。80’S大好きです。

──そんな2人が千聖さんのベストアルバムで共演を果たしたわけで。

千聖:知り合ってからTwitterでフォローしあうようになったんですけど、IKUOさんは自分のバンドもあるし、サポートも多いし、忙しいじゃないですか。だから「だいじょうぶかな」って思いながら恐る恐る頼んだら、すぐに返事をいただいて。

IKUO:もちろんですよ。こんな嬉しいことはない。

千聖:僕らも超テンション上がって。

IKUO:こっちこそ、二つ返事ですよ。

千聖:ベースだけじゃなくレスポンスも早かった(笑)。

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