【インタビュー】千聖、過去と未来を繋ぐソロデビュー20周年ベスト

ツイート

■みんなで作り上げたものにしたかった

──今回のベストアルバムを作るに当たってオフィシャルサイトでリクエストを募って上位15曲を再録音したということですが、その理由は?

千聖:ファン投票にした理由は、この20年間は僕の力だけではなく応援してくれる人たちやスタッフの力があってこそのものだと思ったので、自己満足の作品にはしたくなかったんですよね。みんなで作り上げたものにしたかった。だから、大幅なアレンジはしないで原曲になるべく忠実に当時の良さを残して今の自分がギターを弾いて歌いますっていうスタンスです。当時、聴いていた人たちにとっては曲に思い入れもあると思うし、僕が知らないところで曲がひとり歩きしているって美しいと思うので、それを僕がどう受け止めて再発信できるか。感謝の気持ちを込めて作ったので、もちろん千聖時代は知らないけど、興味があるって新たに好きになってくれる人たちにも感謝ですし嬉しいです。どちらにせよ、かなりの時が経ってるんで、全体的におさらいしてもらいたい気持ちもありますね。

──ファンと一緒に作り上げたベスト盤という。

千聖:そうですね。投票もすごく盛り上がって、15曲の内、10位まではわりと決まり始めてたんですけど、それ以下の5曲がなかなかフィックスしなかった。制作期間が迫ってきていたので、この5曲だろうと勝手に直感を信じたら、順番は違えどみごとに予想と同じ5曲がチャートインされたという。ちなみに1位はダントツで「CYBER ROSE」でした。

──投票結果と本人の予想が一致するってなかなかないですよね。さっき原曲に忠実にという話が出ましたが、20代の自分と向き合って“XX ver.(ダブルエックスバージョン)”を作るに当たってこだわったことは?

千聖:曲の尺や雰囲気は変えていないんですけど、当時の音源って曲によってはT2yaが96トラックも使ってたりするんですよ(笑)。それを全部、分析して入れ直す作業がすごく大変でした。

──ひえーっ。ギターソロを変えたり、曲のテンポをいじったりは?

千聖:比較的忠実ですね。ニュアンスは違うかもしれないけど。テンポは少しだけ違う曲もありますが、さっと聴いたら、聴感上はわかりづらいと思います。

──なるほど。ギターのお話もありましたが、ギターのスキルで印象が変わったりするんですね。

千聖:変わりますね。勢いとか、真逆のヘヴィーさを上手く出せたと思います。

▲『千聖〜CHISATO〜 20th ANNIVERSARY BEST ALBUM「Can you Rock?!」』通常盤

──それとゲストミュージシャンが多数、参加していますね。

千聖:そうなんです。バンドだけの活動では知り合えなかっただろう人と出会えて、別れももちろんありましたけど、10代から40代までの間に出会えた人たちと今回のアルバムでセッションできたことが良かった。当時、「falling over you」という曲のコーラスに参加してくれた岡本真夜ちゃんは、後にSNSで繋がったので、たまに節目でコンタクトはとってたんですけど、今回、「また参加してくれない?」ってお願いしたらすぐにOKしてくれたんです。20年たってもお互い現役でバリバリやっているのが嬉しかったですね。コーラスに関しては当時、ほとんどの曲に参加してくれていたJackieさんの声を使えたことも良かった。千聖の復活をいちばん望んでいた人で数年前に亡くなってしまったんですけど、いつかベストを出すかもしれないと思って、彼女の声だけあらかじめ、何曲か録っておいたんです。足りない成分に関してはCrack6以降に知り合ったRickyさんに補ってもらったりとか。あと千聖時代の曲は男性コーラスも他の方がやってくれていたので、新曲「Can you Rock?!」のアレンジを手がけてくれた山田巧くんに頼んだりもしましたね。

──亡くなった方たちの想いも込められたベスト盤なんですね。

千聖:そういった意味も含めて良いベストだと思います。今だったらどうする?っていう想いで取り組んだ部分もあるので。例えば、JIROさんやTENちゃんにしてもオリジナルでは演奏していないですし、初回限定盤の最後の曲「This Side of Paradise 〜XX ver.〜」ではPENICILLINを通して親しくなったLEVINちゃん(La'cryma Christi)がドラムを叩いてくれたんですけど、オリジナルは時間の関係もあって打ち込みだったので、これはリヴェンジできましたね(笑)。「666 〜XX ver.〜」はオリジナルは江川ほーじんさん(ex.爆風スランプ)がベースを弾いてくれたんですけど、今回は「この超高速スラップベース、ピッタリな人いるよ!」ってIKUOさん(Rayflower/BULL ZEICHEN 88)にプレイしてもらった。IKUOさんとは僕がAcid Black Cherryのサポートでギターを弾いている時期に知り合ったんです。それとこの曲の英語のナレーションをやってくれてるのは、今、MTVのVJや色んなナレーションで活躍している僕の高校時代の友達の鮎貝健くんなんです。

──参加アーティストが多岐にわたってますね。

千聖:そうですね。SARSHI(HERO)や塩谷瞬くんみたいに僕の音楽を聴いて育った世代の人たちもコーラスで参加してくれているし。

──後輩には千聖さんから声をかけたんですか?

千聖:はい。当日に「何時何分にここで録音するから皆さん集合してください」ってグループLINEで送ったら来られる人は駆けつけてくれて。己龍の(九条)武政くんは都合がつかなかったらしくて、「行きたかったです」って言ってくれてちょっとかわいそうだったんですけどね。

◆インタビュー(4)へ
この記事をツイート

この記事の関連情報