【速レポ】＜SATANIC CARNIVAL＞SHANK、「もう二度と出られないと思ってたら、まさかのメインステージ！」

今年は初の2日開催となる＜SATANIC CARNIVAL＞の、SATANIC STAGE初日トップバッターを務めるのは、もはやこのフェスになくてはならない存在のSHANK。4年連続出場となる彼らが、過去3回のEVIL STAGEからついにSATANIC STAGEへと進出し、いきなり大暴れすることになる。

◆SHANK 画像

定刻通りに会場が暗転すると、緩やかなレゲエソングのリズムにあわせてメンバーがステージに登場。SATANIC STAGEに集まった大勢の観客を前に、庵原将平（Vo&B）は松崎兵太（G&Cho）が弾くアルペジオに乗せてメロウなボーカルを響かせる。そのまま池本雄季（Dr&Cho）のビートが加わると、疾走感の強い「Set the fire」へ突入。数分前までのリラックスした雰囲気から、場内はクラウドサーファー続出の巨大ライブハウスへと急変した。




SHANKはそのまま「Cigar Store」へとなだれ込み、力強い2ビートと親しみやすいメロディが会場を包み込むと、オーディエンスの熱気はさらに高まっていく。そんな血気盛んなキッズたちを前に、庵原が「気をつけて！」と気配りをする一幕も。そして「Life is…」「Good Night Darling」とパワフルな楽曲を立て続けに繰り出すと、フロアはクライマックスと言わんばかりの盛り上がりに達する。初SATANIC STAGEにもかかわらず、バンドはその大舞台に臆することなく、堂々としたステージを見せつけた。これも＜SATANIC CARNIVAL＞4年連続出演のなせる技なのかもしれない。

冒頭4曲で会場の空気を掌握した庵原は「去年キンタマ出して、もう二度と出られないと思ってたら、まさかのメインステージ！」と、昨年の＜SATANIC CARNIVAL＞で松崎が働いた奇行について触れる。すると、当の松崎は「まさかの“賜物（たまもの）”ですね」と悪びれずにダジャレをかまして場を盛り上げた。

続けて庵原も「やっぱりPIZZA OF DEATHってクレイジーだなって思いました。ありがとうございます！」と今年出演できたことに対して感謝の言葉を述べ、「620」からライブを再開させた。スカ色の強いこの曲では、フロアは晴れやかなダンスホールへと一変。続いてメロディアスなパンクチューン「Hope」、ダンサブルなスカナンバー「Take Me Back」と、曲を重ねるごとに演奏は激しさを増していく。そして庵原の「明日は洗濯物、乾いたらいいなっていう曲を歌います」を合図に、バンドは突き抜けるような強いメロディを持つ「Weather is Beautiful」を繰り出した。




息つく間もないほど怒涛の展開でライブを進行していくSHANKだが、これはまだ序の口。庵原は再度、観客に向けて感謝の言葉を送ると「Love and Hate」「Departure」とライブの定番曲を連発する。さらに「こないだ出たアルバムから」と、最新アルバム『Honesty』のタイトルトラック「Honesty」をお見舞いするという間髪入れぬ流れを見せ、最後は「BASIC」「submarine」とショートチューン2連発でライブはあっという間に終了。SATANIC STAGEの1stアクトSHANKによる、この40分にも満たない攻めのステージングは、きっとこの2日間を象徴するものになるはず。そう思わずにはいられないほど、爽快感に満ち溢れたライブだった。

取材・文◎西廣智一
撮影◎岸田哲平