【速レポ】＜SATANIC CARNIVAL＞GOOD4NOTHING、「パンクロックは好きですかー？」

怒涛の勢いでバンドが登場するEVIL STAGEの灼熱をより上昇させたのがGOOD4NOTHINGだ。お馴染みのSE「河内のおっさんの歌」が鳴り響けば、フロアからは盛大なハンズクラップが巻き起こる。準備はすでに整ったと言わんばかりに、U-tan(Vo＆G)が「ライヴハウスへようこそ！」と叫び、ゴキゲンすぎるメロディックチューン「WALK A WINDING ROAD」で抜群のスタートダッシュ。MAKKINの躍動感も痛快であり、美しい三声の歌と鋭いビートが合わさって、普段のライヴハウスと同じようなエネルギーがビシビシと飛んでくる。

◆GOOD4NOTHING画像

TANNY(Vo＆G)の「ちょっと速い曲いくでー！」という言葉から、ちょっとどころではないスピード感を誇る豪速球「Stick With Yourself」を叩きつけ、ダイバーも続出。しっかりと歌い上げながら自由に遊ぶフロント3人、その後ろでノリ良くどっしりと支えるSUNE(Dr)が織りなすバランスによって、彼らならではの絶妙なグルーヴが生まれるのだ。




その後も一切手綱を緩めることなく、「J.C」でフロアを縦に揺らし、「IN THIS LIFE」では全速力で突っ走る。その雰囲気がフロアの外まで伝わったのだろう。曲を追う毎に増え続け、サウンドに酔いしれるオーディエンス。そんな空気を感じながら振る舞うTANNYの動きも実にいい。

中盤に入り、U-tanから新作『MELODIC-HOLIC』の告知と共に「20周年が見えてきてるけど、やってることもMVのノリも変わってません。この先も同じことが言えるように、一切ブレずにやっていこうと思います」という力強い発言から新曲「FOUND」をプレイ。たしかに、突き詰めるべきモノは、広がりこそすれ、変化してないのであろう。ただ、確実にその輝きが増していることはこの曲からも十分すぎるほど伝わったに違いない。

強烈な気概にみなぎるショートチューン「In The Mosh Pit」、U-tanの「パンクロックは好きですかー？」という投げかけにオーディエンスはモッシュとダイブで応戦した「Country Of My Dreams」と放ち、TANNYの歌い出しで大合唱が起こった「Cause You're Alive」へ。フロアの隅の隅まで大爆発していく。



また、印象的だったのがこの後でU-tanが語った、こういった場をみんなで守っていき、次世代へ繋ぎたいという願い。THE CHINA WIFE MOTORSと共に地元である大阪・堺にて＜SAKAI MEETING＞を主催しているだけあって、志を宿した大きなイベントについての思い入れは深いはず。皆でその願いを共有し、ラストは歓喜のグルーヴでフロアを飲み込んだ「Right Now」を届け、充実感に満たされた表情でステージを後にした。


取材・文◎ヤコウリュウジ
撮影◎Jon…