【速レポ】＜SATANIC CARNIVAL＞Crystal Lake、「死にものぐるいで前に」

結成から15年、メタルコアを貫き通しているCrystal Lakeが、この＜SATANIC CARNIVAL＞のEVILステージのトリを飾る。ライヴ時刻が迫ったころ、熱心なファンによるCrystal Lakeコールが自然に起こり始めた。そのコールがきっかけになって会場が暗転。フロアから湧き上がるのは大歓声。

◆Crystal Lake 画像

目つぶしのように激しく点滅するライトのなか、彼らは「Matrix」を皮切りにストロングぶりを極めたバンド・サウンドを突き付けた。さすが、結成以来、海外でも闘ってきた力量とバンド感、そして一人ずつのポテンシャルの高さ。放たれた野獣どもが、獰猛にキバを剥く。そんな印象だ。曲やサウンドを全身で浴びるオーディエンスも、血をたぎらせながらフロアをカオスへと変えていく。Ryoは客席に飛び込み、クラウドサーフしながら叫び歌う。百戦錬磨の強さがみなぎる。




「この音とこのスタイルで、ここまで来たヤツを見たことあるか。俺らがこの時間、ここにいること分かってるよな。一緒に歴史作ろうぜ。乗り遅れるんじゃねえぞ！」

そう煽りながら曲を叩きつけていくが、彼らはただヘヴィでストロングなだけではない。メタルコアの中に繊細なフレーズも散りばめ、野生と知性を兼ね備えたスタイルだ。

「俺らも3回目でようやくここに来れました。このスタイルを貫いて、壁に当たって、ズタボロになって、それでも死にものぐるいで前に進んでるんだよ」



その言葉から始まった「Black And Blue」では、MVと同じように、RIZEやThe BONEZで活躍するJESSEが飛び入り。途中、互いに向き合って叫び、互いの頭もつかみ、顔を突き合わせ、全身全霊の勢いで歌うRyoとJESSE。どんな壁があろうとも突き進む強き男達の友情に、ラウドなサウンドの中でもハッキリと聴こえる感動の歓声が、フロアから湧き上がった。


そしてライヴ後半のこと。「俺はこれを言うためにここに出てきた。ひとつ約束しよう。Crystal Lakeは来年のSATANIC CARNIVALで、ここにいる全員をメインステージに連れていきます。これは今、俺らが勝手に決めたこと。Crystal Lake、残り２曲。これはメインのSATANステージへ歴史を変える2曲になるだろう」とRyo。もちろん何の確証もない。しかし彼らは自らのスタイルを貫くことで自分達の歴史を作り続けている。またそれが誇りでもある。激しく熱く2曲を叩きつけ、最後に再びこう宣言した。

「約束忘れんなよ、来年はSATANステージで会おうぜ！」

取材・文◎長谷川幸信
撮影◎上山陽介