【速レポ】＜SATANIC CARNIVAL＞ジャパハリネット、「SATANICで歌いたくて作ってきた」

2015年に8年ぶりに再結成し、昨年の＜SATANIC CARNIVAL＞の熱演でパンク、ラウドキッズも虜にしたジャパハリネットが、再び＜SATANIC CARNIVAL＞へ。サウンドチェック時から「蹴り上げた坂道」などを演奏して、詰め掛けた観客を盛り上げていた。「バッチリです」と語るフロントマン、城戸けんじろのリーゼントも、今日もバッチリと決まっている。

◆ジャパハリネット 画像

そしていざ、本番。元気よくステージ登場した、りょういち（Dr）、鹿島公行（B）、中田衞樹（G）、そして城戸は、それぞれにコブシを突き合わせ、また向かい合ってグググっと音を持ち上げていくような仕草で楽器をかき鳴らし、1曲目の「It’s a human road」へと突入した。パワフルで躍動感に溢れたサウンドにフロアは沸き立って、そして大きな声で歌う。続く「少年バット」では、鹿島と中田がステージ中をスキップしたり走り回る。サウンドにみなぎるエネルギーやキャッチーでまっすぐな歌のパワーはもちろん、メンバー4人が、キラッキラの笑顔で演奏している姿を見ているだけでも、とてもワクワクするステージだ。ソリッドなギターと哀愁メロディとが絡まり激しいアンサンブルで聴かせる「烈の瞬」では、ダイブをしてきた子たちが、顔をくしゃくしゃにしてガッツポーズで歌いながら再びモッシュピットへと帰っていく。





「改めましてこんにちは、俺たちがジャパハリネットです。初めて観るという人もいると思いますが、今やった3曲、これがジャパハリネットでいちばんラウドな曲です。ここからは、J-POPとなります。ゆるやかな曲になりますが、EVIL STAGE、揺らしてやろうぜ！！」──城戸

ジャパハリネットの真骨頂と言える、歌もの、歌心たっぷりの曲を中心にした後半も、また灼熱だ。大きく左右に手を振って一体感を生み出した「プライマルエイジ」、城戸曰く「SATANICで歌いたくて作ってきた」というパンキッシュなアンセムチューン「people×people」はグッと心つかむ歌が、コブシを振るわせる。曲の終わりで笑顔で会場をぐるっと見渡して、サンキューと言った城戸の表情からも、その曲の刺さり具合が伝わる。



「改めまして、四国は愛媛、松山市からきましたジャパハリネットです。初めましての人も、2度めましての人も、何度めましての人もよろしく」と中田。そして「え、この人たち大丈夫かな？って感じだけど、でも悪くないでしょ？」と続ける。「今日のために作ってきたタオルは、WANIMAと同じ色の配列にしました」（城戸）などと会場を笑わせつつ、「哀愁交差点」や「贈りもの」で感情を爆発させ会場をエモーショナルにしたりと、忙しい。

ラストの「物憂げ世情」は観客の大合唱で曲をスタートした。集まった人の想いも載せて、晴れやかに昇華していくパワーがある。それぞれに楽器を高く掲げるようにしてエンディングを迎え、城戸のバック宙が決まったところでジャパハリネットの感情ダダ漏れの、濃ゆい人生劇場が幕を閉じた。

取材・文◎吉羽さおり
撮影◎上山陽介