【速レポ】＜SATANIC CARNIVAL＞RIZE、「やっぱりRIZE IS BACK!!」

＜RIZE IS BACK＞と銘打ち、40公演に及ぶロングツアーを展開中のRIZEが＜SATANIC CANIVAL＞に初参戦。2016年に結成20周年イヤーに突入し、再び活動を活発化させた彼らは9月6日に7年ぶりとなるニュー・アルバム『THUNDERBOLT～帰ってきたサンダーボルト～』をリリース。さらには12月20日に自身初めての日本武道館公演を行うことを発表している。

◆RIZE画像

その彼らを、このタイミングで見ておきたかったという人達は多かったはずだが、バンドの旗を掲げ、踊りながらステージに出てきたJESSE（Vo, G）率いるRIZEは、そんな観客達に昨年10月に配信限定リリースしたアンセミックなシングル「ONE SHOT」をぶつけると、「楽しみたい奴どれだけいる?!」（JESSE）と続けてリリース前のアルバムからフライング気味に（？）2曲を披露。現在進行形で前進しているRIZEの最新モードをアピールした。



ラップと言うよりもトゲのある言葉を投げつけるように歌った、序盤の3曲はそんなヴォーカルの変化に加え、これまで以上にダンサブルになったリズムの広がりも聴きどころだった。ギターはサポートのRioに任せ、マイク片手に飛び跳ねながらシャウトするJESSE、長髪を振り回しながらベースをバキバキと鳴らすKenKen（B）。そんなふたりを、パワーのみならず、確かなテクニックに裏打ちされたプレイで支える金子ノブアキ（Dr）――エネルギッシュなバンドのパフォーマンスにモッシュしたり、ダンスしたり、手を振ったり、観客達は思い思いのやり方で楽しんだ。ひょっとしたら、RIZEを初めて見るという若い観客も少なくなかったかもしれないが、最初、遠巻きにステージを見ていた観客も気づけば、バンドの熱演に合わせ、体を上下に揺らし始めていた。

「12月20日に武道館でやります。音楽好きを集めて、日本の腐った音楽シーンを、ロックで取り戻したい。力を貸してください」とJESSEが客席に呼びかけてからの後半は、志半ばで斃れた同志達に捧げた「日本刀」をはじめ、初期の楽曲をたたみかけた。




現在の日本の混沌とした状況に言及しながら、「なんだかんだ言ったって、やっぱりRIZE IS BACK!!」と演奏を始めた「GUN SHOT」からはJESSEもギターを持ち、爆音を轟かせる。KenKenのスラップ・ベースに一際大きな歓声が沸いた最後の「カミナリ」では、途中、演奏を止めて、「あげてやれあげてやれ！」と男性ファンをステージに上げ、センターマイクで歌わせるという粋なはからいも飛び出したが、その男性ファンが懸命に歌う姿にバンドも観客も魅せられ、客席から大きな手拍子が起こる中、JESSE、KenKen、Rioの3人が演奏しながらヘッドバンギング！　そして、JESSEが客席にダイヴ……からの熱度満点のインプロに観客の拍手喝采が鳴り止まなかった。

RIZEここに在り――。JESSEが言うところの音楽好きの胸にその手応えを刻むには今回のSATANIC CANIVALは絶好の機会になったはずだ。

取材・文◎山口智男
撮影◎本田裕二