【速レポ】＜SATANIC CARNIVAL＞KEMURI、「また20年後に、SATANICで」

KEMURIの7人の登場にSATAN STAGEが大きく揺れ、歓声は手拍子となってその音が鳴らされるのを待ち受ける。

◆KEMURI 画像

スカパンク・バンドとしてデビューから20年という年月(解散、再結成はあったが)を走ってきたKEMURI。ステージではキャリアを重ねてきた堂々たる佇まいはもちろんあるのだが、それ以上に、7人で音を出している光景は無邪気に楽しげで、誰よりもライブという空間を堪能しているのが伝わる。3月にアルバム『FREEDOMOSH』をリリースし、現在ツアーの真っ最中だが、今回のステージからもツアーの好調さや手応えがうかがえた。




最新アルバム『FREEDOMOSH』からの曲「THUMBS UP!」「GO!GO!GO!GO! GLOW!」でライブはスタート。軽やかで気持ちのいいスカのリズムに晴れやかなホーンのメロディが映え、フロアでは思い思いにステップを踏んで、コブシをあげる。陽性のサウンドに、会場全体もパッと明るさを増した感覚だ。そして一転、ファストで攻撃的な２曲「Standing in the rain」「WIND MILL」で、フルスロットルでぶっ飛ばしていく。田中‘T’幸彦の重厚なギターがフロアをかき回して、フロントマン伊藤ふみお（Vo）が手を高くのばして、会場を指揮するように煽り一体感のあるシンガロングを生んだ。高揚感に溢れたホーンのイントロで心掴まれる「DIAMOND」では、会場が一斉にジャンプ。フロアに笑顔がこぼれる。

「改めましてKEMURIです。2回目のSATANIC、めちゃめちゃ楽しみに来ました。たぶん、みんなもそうだと思います。めちゃめちゃ楽しんでいきましょう」と伊藤。そして「KEMURIで最初に作った曲のひとつをやりたいと思います」と「New Generation」へと突入した。この後半は、20周年イヤーにふさわしく、1997年、1998年のKEMURIの名曲にして日本のスカパンクのクラシックとも呼べる曲を連投。きっとその多くは、会場に詰めかけたキッズが生まれた頃の曲じゃないかと思うが、「PMA(Positive Mental Attitude)」、「Ohichyo」、爆発的な大合唱となった「Ato-Ichinen」も、まったくもって色褪せないどころか、力強いアンセムとして響きわたった。音楽の強さ、素晴らしさを感じるシーンだった。




「1997年に出した曲を2017年の、幕張のSATANICで演奏する日がくるとは思っていなかった。また20年後に、SATANICで演奏できることを夢見ながら最後の曲を」──伊藤ふみお

今日のスタッフやバンド、最高の景色を見せてくれたと語る観客へと感謝を述べて最後に「白いばら」で、会場を多幸感でいっぱいにしていった。

取材・文◎吉羽さおり
撮影◎ Jon...