【速レポ】＜SATANIC CARNIVAL＞locofrank、「人生なんて、夢みろよ」

「ここからは、35歳オーバーのバンド (locofrank、GARLICBOYS、G-FREAK FACTORY)しか出てこないからな。夢、みしたるわ！」──木下正行

◆locofrank 画像

木下正行（Vo&B）による頼もしすぎる宣誓でlocofrankのステージがはじまった。

EVIL STAGEは見渡す限り人で埋め尽くされ、熱気で満ちている。1曲目「Returning」の演奏がスタートするや、観客の興奮で空気が薄くなったのでは、と思えるほどフロアの温度が上がる。モッシュピットでは、汗が瞬く間に湯気となってもうもうと立ち上っていく。木下、森 勇介（G&Vo）、Tatsuya(Dr&Cho)の3人によるサウンドは、エネルギッシュに攻撃的にフロアを駆け抜けていって、前から後ろまでジャンプさせていくパワーだ。そして熱い歌、メロディで腕を高く突き上げさせる。




3ピースだが重量感のあるアンサンブルで、重たいパンチを繰り出す「Mountain range」や「A GLOSSY DEMOCRACY」を間髪入れずに連投し、観客の汗をどんどんと絞り出す。「START」ではフロアが大きくうねるようにジャンプし、大声で歌を歌う盛り上がりだ。それでも木下は、ステージ先端へと躍り出てもっと！と大きく手をあおぎ、シンガロングのボリュームを上げさせる。観客は休むまもなしで、その音とステージに食らいついていく。互いの気持ちを豪速球でキャッチボールしているようで、ここはライブハウスかと思うほど距離感が近い。曲とパフォーマンスが、どんどん距離を縮めていく濃密な空間だ。曲間でチューニングしようものなら、フロアから「早くこいや！」の声が上がるのもlocofrankのライブらしい。




「でもすごいやんか。俺たち、HEY-SMITHちゃうぞ。間違ってない？　こんなに（人が）くると思ってなくて、次、最後やねんけど」──木下正行

みっちりと埋まった会場から一斉に、「ええ〜」と声が上がり、「じゃあ、もうちょっとやるわ」と笑顔を見せる。改めて、locofrank含め、ここからEVIL STAGEの出演者が35歳オーバーであることに触れて、「人生なんて、夢みろよ」とあたたかい言葉を観客に手渡す。

6月21日にリリースされるミニ・アルバム『WAY』から新曲「PASSED AWAY」が披露され、その背中が物語る音をアグレッシヴに聴かせると、後半もまた息もつかせぬ展開で曲を連投する。死闘というにもふさわしい、全身全霊のぶつかり合いだ。ずっしりとしたドラムが手拍子をうむ「Grab Again」、ロックなイントロのギターリフに会場を揺らす歓声を起こした「share」、そして最高のシンガロングチューン「BE FULL」。ラストの前には、木下が「俺たちはこれからも俺たちでおるから、君らもこれからも君ら自身でおってな」と語りかけた。歓声と拍手のなかで響いた「reason」は、圧倒的な力でEVIL STAGEをひとつにしていった。

取材・文◎吉羽さおり
撮影◎中河原理英