【インタビュー】デンマークから骨太ロック、テインティッド・レイディ上陸

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デンマークから注目のロックバンドが現れた。テインティッド・レイディだ。

◆テインティッド・レイディ画像

10代の頃からロックに憧れ活動をスタートした20代前半の5人組で、オールド・スクール・スタイルを基本にしながらも、ユニークで洗練された方向性を見出している若きロッカーだ。ディープ・パープル、スキッド・ロウからザ・ビートルズまで様々な時代のバンドから技術と感性を吸収し、今に至るという。

2015年にイギリス人シンガー:マイケル・キャトンが加入したことでバンドの活動が一気に加速し、ソレン・アンダーセン(グレン・ヒューズ、マイク・トランプ、ELECTRIC GUITARSの)をプロデューサーへと迎え、アルバム制作へと突入した。35曲以上の中から厳選した10曲を収録したデビュー・アルバム『ハウ・ザ・マイティ・ハヴ・フォールン』をもって、プロデューサーのソレンは彼らを「反逆のロッカー」と呼んでいる。「アルバム・タイトルは現在のロック・シーンの中で、独創性の欠如を少し皮肉ったものさ。確立されたバンドでさえね」と、シンガーのマイケルは語る。

マイケルの独特のボーカル、ツイン・ギター・ワーク、クイーンを彷彿とさせるハーモニー、響き渡るベースとドラムをブレンドし、これまでに観たことも聴いたこともないようなロックを目標に掲げているという。





──ついにデビュー・アルバムが発売となりますね。

アンダース・フランク:未来に向かって進みだしたからエキサイトしているよ。フル・アルバムをレコーディングしてリリースすることが第一の目標だったから、まずはここまで到達できて嬉しい。バンドの状態もいいし、ライブも楽しすぎるくらい楽しいね。

──アルバムの仕上がりはどうですか?レコーディングの手応えは?

アンダース・フランク:誇りに思えるアルバムだよ。大変だったのは、持ち曲が35曲はあったから絞り込む作業だね。プロデューサーのソレンが完璧な仕事をしてくれたしプロダクションもいい感じだ。彼とは音楽の趣味が似ていてね、俺達の音楽をライブっぽいフィーリングで仕上げてくれたんだ。レコーディングもベーシック・トラックはライブだからね。いろいろと学ぶべき点もあって、ソレンが俺達の音楽の価値を一気に高めてくれた。

──テインティッド・レイディはどのように結成されたバンドですか?


アンダース・フランク:ギターのジョナサンとオレとドラムのフレッドは家が近所でね、14歳の時に3人でスタートさせたんだ。もう10年前だよ。一緒にプレイすることでパワーと喜びを感じ、それを重ねることで絆がどんどん強くなっていった。最初の頃は1980年代のオールド・スクールなロックをプレイしたかったけど、歳を重ねるごとにグランジやメタルとか様々な音楽を聴いて影響を受けていった。メタリカ、AC/DC、ガンズ・アンド・ローゼズ、ホワイトスネイク…、YouTubeのおかげでロックの歴史も知ることができた(笑)。とにかく1980年代の空気感はリアルだし素晴らしいよね。その時代に生まれたいと思ったくらいだ。20代になるとベースのダニエルが加入し2015年にはイギリス人のシンガーであるマイケルが新たに加わって、より本格的に曲を書いていったんだ。ここで100%納得できるメンバーが揃ったことになる。

──メンバーを紹介してください。

アンダース・フランク:マイケル・キャトンがボーカル。レッド・ツェッペリン、ホワイトスネイク、ジャーニー等の1970年代バンドにインスパイアされている。アイアン・メイデンも好きなやつだよ。マイケルはモダン・ロック・ボーカリストとしてはピカイチだね。スキルもアティテュードも完璧なんだ。ギタリストはジョナサン・ショウシャン。彼はフォークが好きで1960年代の音楽に影響されているけど、メタリカやガンズ・アンド・ローゼズも好きなプレイヤーなんだ。ベースのダニエル・バッハは、デフ・レパード、ヴァン・ヘイレン、ガンズ・アンド・ローゼズがルーツで、ポップやフォーク、ディスコも聴いているミュージシャン。フレッド・オーヴァーはドラム。AC/DCが彼の先生だね。グルーヴある音楽が好きでレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンやパンテラに夢中のようだ。で、俺がアンダース・フランク。ガンズ・アンド・ローゼズ、AC/DC、メタリカ、ホワイトスネイク、スキッド・ロウが俺の先生、ブルー・オイスター・カルト、ディープ・パープル、レッド・ツェッペリン、カンサスも忘れてはいけないな。今はいろいろなジャンルの音楽も聴いているから、新しいものも採り入れている。曲作りのためにも多くのジャンルを聴くことはとても大切だよね。いい曲でることが、一番重要だと思う。最近ではライヴァル・サンズにインパクトを受けたな。

──バンド名はどのようにして付けたものですか?

アンダース・フランク:まだガキだったころに付けた名前でね、“tainted”はネットで見つけて気に入っていたワードだった。それからフレッドが“tainted lady”ってどう?と言ってきた。特に大きな意味はないけれど、響きがいいしクールだから決めたんだ。ロックっぽいフィールもあるし。

──アートワークも個性的ですね。

アンダース・フランク:これはギターのジョナサンが手掛けたんだよ。いい出来だろ?彼はずっとビジュアル面も担当していて、バンドロゴを制作したのも彼なんだ。アルバムのイントロからインスパイアされたもので、ネイティヴ・アメリカンを感じさせるものだよ。バンド名に代わり、戦士の女性を表したカバーになっている。

──デビュー・アルバムはどういう作品になりましたか?


アンダース・フランク:意味を持つ良い曲が収録されている。エネルギッシュで若々しい情熱的なロック・レコードだ。新しくてレトロな感覚もある。リスナーに本物を感じてもらえたら最高だな。オレとジョナサンでほとんどの曲を書いているんだけど、ベースができたらバンドでアレンジしアイディアを加えていく。リフを最初に作ってからボーカル・パートを書くことが多いかな。最近は一度に曲が完成することがあるって、そういう曲にはいい曲が多い。良い韻とクールな言葉を創り上げていくことには誇りを持っているよ。

──オススメの曲はありますか?

アンダース・フランク:「Song Of Reckoning」かな。曲作りがとても楽しかった曲だし、ギター・リフとフォークっぽいボーカル・ラインがいいんだ。歌詞もいいし、レッド・ツェッペリンやライヴァル・サンズからの影響が伺えるんじゃないかな。

──日本でもテインティッド・レイディのサウンドは往年のロック好きに響くことと思います。

アンダース・フランク:今やロックはメインストリームではないから、残念だけどかつてのようなロック・スターになれるとは思っていないよ。とにかくライヴァル・サンズやエアボーンのように一生懸命ツアーや活動をすることだと思っている。音楽ビジネスにはあんまり関心はないから、素晴らしい音楽を創り、音楽のためロックのために身を捧げることにパワーを注ぎたい。継続は力なりっていうだろ?とにかく音楽が大好きだから、音楽以外のことはボーナスみたいなもんさ(笑)。

──日本のロック・ファンにメッセージをいただけますか?

アンダース・フランク:日本でもアルバムがリリースされると聞いてハッピーだよ。遠く日本でアルバムが発売されるなんてクールなことだ。日本のロック・ファンが俺達のアルバムを気に入ってくれることを願っているよ。音楽を楽しんで、いつかみんなの前でプレイすることができる日が来ることを楽しみにしているよ。


テインティッド・レイディ『ハウ・ザ・マイティ・ハヴ・フォールン』

2017年6月21日発売
BKMY-1052 2,222円(税抜)
※日本盤仕様(帯、プロフィール、インタビュー付)
※デジパック仕様
1.The Witness
2.Set Us Free
3.Ampburner
4.Song Of Reckoning
5.Loverman
6.The Best Days
7.Open Minded
8.On The Loose
9.Sons Of Guns
10.Last Of Our Kind

Produced by Soren Andersen

Line-up ;
■Michael Catton(vo)
■Jonatan Shoshan(g / r-speaker)
■Anders Frank(g / l-speaker)
■Daniel Bach(b)
■Fred Over(ds)
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