BEGIN、今年も沖縄で“うた”をお祝い。HY、藤原さくら等も登場

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BEGINが2001年から始めた<うたの日コンサート>が、今年は6月24日に沖縄本島中部の嘉手納町兼久海浜公園にて開催された。

◆ライブ画像

梅雨も明けて沖縄独特の強い日差しが照りつける好天の下、会場には7000人の観客が参集した。まずは嘉手納町長が開会宣言を行ったあと、トップバッターのHYが登場すると会場は一気にヒートアップ。「今日は歌って踊って、一緒に楽しみましょう!」との呼びかけに、観客も大きな手拍子や歓声で応えていく。もともと<うたの日コンサート>は、「うた」に感謝の気持ちを表し、「みんなでうたをお祝いしよう」という主旨で始まったイベントであり、ここ数年はステージ上のアーティストだけでなく「観客も出演者」をコンセプトにしている。その言葉通り、冒頭からアーティストと観客の一体感を感じられるステージとなった。





続いては、地元沖縄を拠点に活動する若手2組が登場。スリーピースバンドのcaino(カイノ)は、タイトなビートとハイトーンボイスが印象的なポップロックバンドで、一方のR'kuma(レオクマ)は、沖縄はもとより全国のヒップホップシーンでも注目を集めている地元嘉手納町出身の若手ラッパーだ。どちらもBEGINのメンバー自身がその音源を聞いて彼らの音楽に惚れ込み、出演をオファーしたという。全力でパフォーマンスする彼らの姿は、今の沖縄の音楽シーンが多様性にあふれ、新しい才能がどんどん育ってきていることを感じさせた。

沖縄のアーティスト3組が終わったところで、カントリーシンガーの坂本愛江(よしえ)がステージに立つ。著名なカントリー歌手を父に持ち、幼い頃からカントリーを聞いて育った彼女は、伸びやかで力強い歌声で「What a wonderful world」など3曲を歌い上げ、会場をアメリカンな空気で満たした。

ここで、LIVE DAMのカラオケオーディション企画「BEGINと『島人ぬ宝』をステージで一緒に歌おう!」コーナーへ。事前のカラオケ審査の優勝者は、BEGINやエイサー団体「琉球国祭り太鼓」との初共演に緊張の色を見せつつも、堂々とした歌いっぷりで「島人ぬ宝」を熱唱してみせた。会場では一緒に口ずさむ人もおり、今年で誕生から15年を迎えるこの曲が、多くの人に愛されていることを感じた一幕であった。

BEGINはそのままステージに残り、フラのメンバーを迎えて、約30分間のBEGINステージが始まった。ハワイとの縁を歌った「ウルマメロディー」やハワイアンミュージック2曲を披露した後は、比嘉栄昇に代わって島袋優がボーカルをとり、エイサーとともに大ヒット曲「海の声」を披露。そして再び栄昇のボーカルで「三線の花」が始まると、客席は最後列まで総立ちとなり、手を上げて左右に揺れながら、BEGINサウンドに酔いしれていた。

BEGINのステージの後は、嘉手納町連合青年会と千原郷友会によるエイサー演舞を挟み、藤原さくらが登場。昨年2016年は音楽活動だけでなくドラマにも出演して注目を集めた彼女は、実は今日が沖縄初上陸ライブとのこと。アコースティックギターの弾き語りで、ドラマ主題歌の「Soup」をはじめ、「500マイル」「春の歌」など全5曲を熱唱した。いつのまにか太陽が傾き赤く染まり始めた会場の空に、彼女のスモーキーでキュートな歌声が、伸びやかに心地よく広がっていった。



藤原さくらのステージが終わると、華やかな衣装を身にまとった琉球サンバユニット「宮城姉妹」が登場し、ダンスチームと共に最新曲「ダンサビラ」を歌い踊った。ブラジルのサンバカーニバルにも参加経験のある2人が本格的なダンスで盛り上げると、いよいよBEGINとホーン隊を含むバンドメンバーがステージに。今年のハイライトコーナー「1時間半ぶっ通しマルシャショーラ」の始まりである。

この「マルシャショーラ」は、サンバの起源になったと言われる二拍子のブラジル音楽「マルシャ」のリズムにのせて、BEGINナンバーや昭和のヒット歌謡、沖縄の島唄などをノンストップのメドレー形式で演奏していくものだ。「ショーラ」はBEGINの出身地・八重山諸島の方言で「〜しましょう」を意味する。つまり「マルシャショーラ」とは「みんなで一緒にマルシャしましょう」という音楽であり、観客もアーティストと一緒に歌いながら、手を振ったり足踏みしたりして踊り、ハイテンションで盛り上がるものなのである。

このマルシャショーラは、BEGINのライブツアーなどでも定番の人気コーナーとなっているが、通常のマルシャショーラの演奏時間はだいたい20分程度だが、それが今回はぶっ通しで1時間半という長丁場だ。比嘉栄昇はマルシャショーラのサングラスをかけて登場し「最初は1時間のつもりだったんですが、リハーサルしてみたら1時間半になってしまって(笑)。1時間半って、歩数にしたら15000歩も歩くことになるんですよ! これだけの人数で、生演奏で1時間半ってなかなかない。記録を作るのは皆さんですからね、よろしくお願いします!」と客席に呼びかけ、ついに前人未踏の「1時間半ぶっ通しマルシャショーラ」が始まった。

まず最初は、この5月にリリースされたばかりのニューアルバム『ビギンのマルシャ ショーラ2』収録曲から、「上を向いて歩こう」「青春サイクリング」「旅の宿」「ランナウェイ」「夏の終り」など、昭和のヒットソング9曲を畳みかける。メインボーカルは比嘉栄昇だが、「心の旅」と「銀河鉄道999」では上地等が、「朝まで踊ろう」と「ジュリアに傷心」では島袋優がボーカルをとり、それぞれの個性あふれる熱唱で観客を魅了した。客席も多くの人が立ち上がり、ダンサーの動きに合わせて足を踏みならし、手を振り上げて歌い踊った。

昭和コーナーが終わると、ステージ上には嘉手納町文化協会民謡部のメンバーが登場。これまた今回初チャレンジという「沖縄民謡と、マルシャショーラのコラボ」が始まった。歌われたのは、いずれも嘉手納町にゆかりのある民謡「比謝川小唄」「月眺み」「芋ぬ時代」の3曲。曲間では、ゆったりした三線のリズムにバンドが一瞬戸惑うようすも見られたが、すぐにテンポを把握してリズムを刻み始め、セッションは続いていく。どんなジャンルの音楽とも見事にコラボできてしまう、マルシャショーラの底力を感じた瞬間だった。

その先も、地元・嘉手納町で音楽を楽しむサークルや団体、ダンスチームなどが次々と登場。BEGINとバンドメンバーが引き続きバックを務める中、「まつり」「月がとっても青いから」「いつでも夢を」などの昭和歌謡、「さらば青春」「あの素晴しい愛をもう一度」「世界に一つだけの花」といったフォーク&J-POPが披露される。ステージ上はプロミュージシャンとアマチュアシンガーが混在している状態だが、その間に壁はまったく感じられず、全員がセッションを心から楽しんでいるようすが伝わってきた。

続いては、女性ボーカリスト陣の登場だ。坂本愛江がカントリーの名曲「カントリーロード」を伸びやかに歌い上げれば、藤原さくらは「木綿のハンカチーフ」で切ない恋心をキュートに表現する。そしてこの2人に司会のきゃんひとみが加わり、歌うはキャンディーズのヒット曲「年下の男の子」と「ハートのエースが出てこない」。坂本ときゃんに挟まれて、普段はギターを抱えている藤原さくらが振り付きで歌う姿に、客席からも大歓声が飛んでいた。

ここでボーカルは再びBEGINにバトンタッチ。昭和のヒット曲「恋の季節」「あなただけを」「ジャパニーズルンバ」「バンバンバン」と続けたあと、いよいよステージは大詰め、BEGINのヒット曲メドレーへ。「島人ぬ宝」「オジー自慢のオリオンビール」「国道508号線」「笑顔のまんま」と、次々に繰り出されるおなじみの曲の数々に、客席の盛り上がりも最高潮に達する。そしてその流れのまま、HYが加わって「勝手にシンドバッド」、そして締めくくりは「ラストダンスは私に」。まさにラストを飾るにふさわしい1曲が終わったとき、ステージから花火が打ち上がり、、熱狂のマルシャショーラコーナーは無事に終了した。

フィナーレは、この日の出演アーティストが全員登場して「うたのうた」。とっぷりと暮れた夜空に、出演者ひとりひとりの歌声が、そして最後には全員の大合唱が響き渡る。最後に比嘉栄昇が「うたの日の形はどんどん代わっていますが、今のこの(観客参加型の)スタイルが最高だと思います。皆さん、来年もぜひ参加してください」と語りかけ、ステージ上に800人、客席に7000人、合わせて総勢7800人の“出演者”によるコンサートは、華やかに幕を下ろしたのだった。

なお、秋にはマルシャ ショーラのツアーを行う事が決定し、詳細は後日アナウンスされる。さらに10月7日(土)8日(日)には京都コンサートホールにて、BEGIN×京都市交響楽団によるコンサートが開催されることも発表となった。







■撮影:大城亘(camenokostudio)

◆BEGIN オフィシャルサイト
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