【対談】デストロイはるきち(ミソッカス)×稲村太佑(アルカラ)、「人間味出していってなんぼ」

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■人間味出していってなんぼ――デストロイはるきち

――ミソッカスは今年2年ぶりにネコフェスに出演ですね。

はるきち:初年度から出してくれ出してくれと頼んでたんですけど、ずっと「お前はまだや!」と言われていて(笑)。

稲村:毎回出てたら面白くないやん。「ミソッカスが出てた年」とか言いたいやん? 「ミソッカス出てなかった年、盛り上がったな!」とかも言いたいやん?

はるきち:でも毎年出てるバンドもいるじゃないですか! 羨ましいです(笑)。

稲村:毎年出てるアーティストはいるけど、でもそれは「毎年同じか」と「毎年出てもらいたい」という気持ちの戦いやから。


――ミソフェスはミソッカスの同志とも言えるバンドが集まっているイメージがありますが、ネコフェスは個性的なアーティストが集まっていると思います。

稲村:結構俺は「好き」が狭いから、ネコフェスに呼んでる人もそうなるんですよ。佐渡島のコピーバンドも出てくれてるんですけど、俺らと一緒にやるときは必ず人間味やエネルギーが溢れ出てくるライブをする。それは化学反応やとも思うし、そういうライブをするバンドマンは愛せるんです。ハゲちらかしたデブのおじさんやけど「かわいいなあ~!」と思う(笑)。高校生のときに初めてバンドを組んで、「文化祭出ようや」「こんなこと言うたらおもろいんちゃうん」「全然ウケへんかったやないか~!」という初期衝動というか、そういうパッションが詰まっているライブはすごく面白いし。

はるきち:うんうん。そうですね。

稲村:それで「お客さんが何を求めてるか」「俺が客やったらどう思うか」というのも考える。俺はライブでめっちゃ熱いことを話されても「知るか~い! 楽しませてくれよ! わいわいやろうや!」と思う(笑)。隣の芝生は絶対に青く見えるから、俺は全部に「楽しい」「面白い」と思えるように生きようと思っていて。さっきの感受性の話と似てるけど、同じものを見るとしても「しょうもな」と思いながらと、興味を持っているのとでは、まったく変わると思うんや。絶対プラスに取ったほうが自分にとっていいやん。俺、対バンで自分の前のバンドがおもろいこと言うてると「うわ~めっちゃおもろいこと言うてるやん、おもろいこと言わんといてくれ」と思うねん(笑)。

はるきち:あははは!

稲村:そのときに一瞬悔しい気持ちが出るんですけど、つぎの瞬間に「もっとやったれやったれ! いけいけ!」と思う。そうするとその想いが自分に返ってきて「よっしゃいくぜ~!」って感じになんねん。でもそれが「ああ、こんなうまいこといってるやつらのあとに出てすべったらどうしよう…」と思うとそういうライブになってまう。

はるきち:うーん。勉強になります。


稲村:自分は大きいようでいて小っさいなと思うねん。

はるきち:うん。いまの話でちょっと太佑さんを近くに感じました。

稲村:でも小っさいのも可愛いな、と思うようにしてる(笑)。

はるきち:ほんとバンド始めたての子たちが緊張でぷるぷるしながら「名前だけでも憶えて帰ってください!」と言っていたら、よくある台詞で当たり障りのない言葉でも人間味を感じてちょっと好きになりません?

稲村:そうやなあ。

はるきち:人間味が大事というか、人間味出していってなんぼかなと僕は思いますね。たまにMCですべったりとか…まあ僕はよくすべるんですけど(笑)、そういうのもライブの面白いところかなと思ったりしますし。「人気のあるバンドがこういうことしてるから、僕もやってみる」というのは違うかなと。僕には僕のやり方があると思いますし、僕はやっぱり、演奏しているその人のことを知りたくなるんです。音楽を通して「この人はこの歌詞のようなことを考えているのか」「こんなメロディが好きなのか」というのが見えるのが好きなんですよね。そういうのはライブだといちばんMCに出ると思うんです。「言葉ではそんなこと言ってるけど実際はこういうこと考えてるのかな…」とか。


――上っ面なものや嫌々やっていることは、わかりますからね。

はるきち:あるバンドのライブを観ていて、ちゃんとしっかりしたライブではあったんですけど「このボーカル本当はこんなこと言いたいわけじゃないんだろうな」というのがすごく伝わってきちゃって。それを本人に言ったら次のライブから全然自分を出していて、だいぶ面白くなったんです。“その人自身”を出してなんぼなのかな、と思いますね。アルカラのライブは太佑さん汁がむんむん出ているので、より人間が知れるライブだなーって思います。そういうものが魅力的だし、“ライブ”だと思うんですよね。

稲村:俺もそう思うで。

はるきち:すみません、偉そうに。

稲村:その子もそうやってはるきちに言ってもらったことで変われて、いいやん。

はるきち:先輩っぽいことが言えました。

稲村:「自分は同じことできてんのか?」というところまでわかっとかなあかんけどな(笑)。

はるきち:そうですね(笑)。いまミソッカスは自分という人間をどうやって出していったらいいのか模索中です。

稲村:バンドを10年もやってるとさ、活動がルーティンになってくるやろ。

はるきち:なってきますね。

稲村:それ変えよう! 全アーティスト5年に1曲しか書かへん!! 日本のロック条約!! とりあえずいまあるうちの1曲をとにかく5年間熟させて生み出した名曲をみんな1曲ずつ並べて勝負!! という条約を提案してくれへん?(笑)

はるきち:俺が提案するんすか!?(笑)


――ははは。今回の対談ははるきちさんもミソフェスのオーガナイザーとして刺激になるところも多かったでしょうか?

はるきち:太佑さんは普段本当にこういう話をしてくれないんです(笑)。この対談は自分のなかの「稲村太佑はたぶんこういう人だ!」というのを答え合わせしていたような感じでしたね。今度のミソフェスは太佑さんが観に来てくれるということなので…。

稲村:ん? ミソフェスはいっぱい友達のバンドも出ると思うから、いろいろみんなから情報をもらってうま~く合わせてさも観に行ったかのようなライブレポートを作るわ。

はるきち:んー…そんなことするくらいなら出たほうがいいですよ!本当に来年のミソフェスいいんで。間違いなくいいんで!

稲村:(笑)。ちゃんと熟考させていただきます。

はるきち:「身内ノリも小さくやっていたら身内ノリどまり、だけどでっかくなるとエンタメになる」。それが最近のミソフェスの裏テーマだったんですけど、今日太佑さんの言っていたことそのままだなとも思うんです。だから、そこはパクらせてもらって。

稲村:それは著作権フリーやから。どんどん広めといてや。

はるきち:…はい。

稲村:…ほんまお前は先輩をすべらすなあ!

はるきち:すべるのも人間味が出るので(笑)。

稲村:いやいや、俺が言うてるのは「すべる」やなくて「すべらす」やからな?

はるきち:ははは! すべるのもすべらすのも人間味ってことで(笑)。

取材・文◎沖さやこ


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11月1日(水)仙台 MACANA
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11月24日(金)苫小牧 ELLCUBE
11月25日(土)札幌 sound lab mole
11月30日(木)高松 DIME
12月1日(金)岡山 PEPPERLAND
12月3日(日)広島 SECOND CRUTCH
12月5日(火)福岡 Drum Be-1
12月14日(木)金沢 vanvan V4
12月15日(金)新潟 CLUB RIVERST
2018年
1月6日(土)名古屋 Zepp Nagoya
1月8日(月/祝)大阪 Zepp Osaka Bayside
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※ドリンク代が別途かかります。
※未就学児童の入場不可/小学生以上はチケットが必要になります。

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