【インタビュー】KNOCK OUT MONKEY、2年半ぶりアルバムは「アッパー過ぎて"大丈夫?"みたいな(笑)」

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KNOCK OUT MONKEYが7月5日、ニューアルバム『HELIX』をリリースする。前作『Mr. Foundation』から約2年半振り、メジャー3rdフルアルバムとなる同作にはライブに没頭したからこそ生まれた新たなサウンドが渦を巻いている。『HELIX』というタイトルは螺旋を意味するものだ。「音楽もファッションも、自分たちの日常でさえグルグルと回っていて、そんな中でもその都度進化し、成長していると思います」とw-shunが語るとおり、進化とその頂点へ向かわんとする彼らの意志が込められた。

◆KNOCK OUT MONKEY 画像

収録された全11曲は攻めの姿勢を崩さない現代のハードロック。セルフプロデュース楽曲の制作過程では試行錯誤を繰り返し、結果、自身の素の姿が露わとなって迷いがない。すでに同アルバムリリースに伴うツアーを開催中のメンバー全員に、刺激や経験や遊び心が凝縮されたサウンドの聴きどころ、レコーディング爆笑エピソード、そして開催中のツアー<KNOCK OUT MONEKY TOUR 2017 “HELIX”>について語ってもらったロングインタビューをお届けしたい。

   ◆   ◆   ◆

■もっとライブがしたいという想いが
■バンドの総意としてあったんです

──7月5日に約2年半ぶりとなるフルアルバム『HELIX』がリリースされます。まずは、前作から『HELIX』までの流れなどを話していただけますか。

w-shun:去年の僕らは一年を通してツアーをしていたんです。1月にミニアルバム『RAISE A FIST』を出して、ツアーが終わった後、「次はどうする?」という話になった時に、「もっとライブがしたい」という想いがバンドの総意としてあったんですよ。

▲w-shun(Vo&G)

──制作とツアーを繰り返すカタチではなく。

w-shun:ここ数年はリリースに伴うツアーがほとんどで、その間にフェスがあったり、友達のツアーに乗っからせてもらったり、活動の仕方が固まってしまっていて。それに不満があったわけではないけど、ずっとライブをしていたいなと思ったんです。リリースツアーというのは、どうしてもその作品をメインにしたセットリストになるじゃないですか。そうじゃなくて、その日その日の、セットリストが全然読めないようなツアーがしたかったんですよね。それを去年の秋に実現させたところ、自分達的にすごく良かった。

──たとえばどのように?

w-shun:いつものツアーは流れを考えたステージをするからライブ後に反省会をしていたんですね。だけど、秋のツアーの時は終演後の楽屋で「次のライブはどうしようか?」という話になるんです。で、次のライブまでにリハに入って、“やべぇ、この曲全然覚えてない!”みたいな曲を仕上げつつ、「これ大丈夫かな?」って言いながら本番を迎えるんですけど(笑)。それがすごく良かったんですよね。バンドしているな、という感じがあって。自分達が本当にやりたいのはこういうことなんだと分かって。それが新しいアルバムのひとつの指針になったというのはありますね。

dEnkA:ずっとライブをしている中で、前まではライブでちゃんと弾こうとか、上手いと思われたいという気持ちが強かったんですけど、良い意味でそれがなくなったんですよね。ちゃんと弾くことよりも、表現し切る、やり切るといったことを重視するようになった。それは僕の中で大きな変化だったと思っています。

ナオミチ:2015年1月にフルアルバム『Mr. Foundation』をリリースするまで、冠ツアーは全部ワンマンだったんですけど、『RAISE A FIST』の時は敢えて対バンツアーにしたんです。もちろん、それまでもプレイヤーとしての向上心はあったけど、『RAISE A FIST』ツアーでは現在のシーンで活躍しているドラマーのプレイを間近で観ることができた。それに、すごく刺激を受けたんですね。

▲<KNOCK OUT MONEKY TOUR 2017 “HELIX”>
@2017.6.4@渋谷クラブクアトロ


──それは勉強になりますね。

ナオミチ:そう。“えっ、今の何!?”と思うようなことをするドラマーとか、落ち着いて叩いているように見えるけどフロアで聴いてみたら、バカデカい音で鳴ってたりとか、すごく参考になることがたくさんあった。僕は負けず嫌いなところがあるので、上手い人と対バンした後は、次のライブまでに個人練習に入って鍛えたし。そういう期間を過ごせたのは、すごく大きかったですね。あと、“ツアーしてる感”を満喫できて、僕は打ち上げが大好きなので(笑)。そんなふうに去年は本当にドラマーとして充実した1年で。

亜太:僕は練習嫌いなので、本当に普段練習しないんですよ(笑)。でも、『RAISE A FIST』というアルバムは結構プレイが複雑で、ツアーでちゃんと弾けるようにしないといけなかったし、その後も再びツアーをすることになって、それまでライブで演奏したことがない曲もやることになった。だから、また練習しないといけなかったので、もう今までで一番練習しましたね、僕的にはですけど(笑)。でも、練習すれば当然弾けるようになるし、そうなると気持ちに余裕ができて、結果、ライブ中の悪ふざけの頻度が増えたんです。それは僕がずっとやりたいと思っていたことで、練習した結果でもある。だから、練習は大事やなと(笑)。自分が表現したかったことができるようになって、今はすごくライブが楽しいです。でも練習するのは嫌いですけどね(笑)。

──な、なるほど(笑)。w-shunさんはライブを重ねる中で、フロントマンとして変わったことなどはありましたか?

w-shun:オーディエンスに盛り上がってほしいとか、ここで何かを残していかないといけない、みたいに気負うことがなくなりました。ツアーをしていると、今日は特別良かったなと感じることが何度かあるんですけど、そのライブを超えるためには、その“超えよう”という気持ちが邪魔することがあるんですよ。だから、好きなことをやらせてもらって、それを全力で楽しもうという気持ちだけ。それのみでライブに臨むようになりました。

▲<KNOCK OUT MONEKY TOUR 2017 “HELIX”>
@2017.6.4@渋谷クラブクアトロ


──純粋な思いこそ、生身のライブでは直接的に届くものでしょうし。

w-shun:それと、バンドの意志や想いといったものが、演奏中の表情とかグルーヴといった部分に、バンドの空気感として自然と現れるものだなと気づいたというのがあって。だから、MCとかも普通のことを言っているんですけど、それがいいと言ってくれる人が多いんですよ。そういうところが前とは大きく変わりましたね。

──精力的にライブを重ねたことが、バンドにたくさんのいい影響をもたらしましたね。ライブをすることがいかに大事かを改めて感じます。

亜太:それは間違いない。みんなも、もっとライブをしたらいいと思う。

w-shun:事務所がブッキングしてくれない、とか言わずにね。俺らの去年秋のツアーは最小人数で廻ることにしたんですよ。ローディーとかも入れず、自分達で機材搬出入もして。“ここで出来る?”というような小さいハコに集まったヤツらと「自殺行為やん」って言いながら、酸欠ライブをするという(笑)。それがしたくて、それが実現できて、本当に楽しかった。待っているだけじゃ何も起こらないことを痛感しましたね。

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