【連載】Vol.021「Mike's Boogie Station=音楽にいつも感謝!=」

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<Red Warriors 30TH ANNIVERSARY KING'S ROCK'N ROLL>──eggman そしてソニックシティ大ホールLIVE直前スペシャルなインタビュー。ダイアモンド☆ユカイ&木暮“shake”武彦の二人に思いっきりロック・ト―クしてもらったIt's only Rock'n Roll but I like it!


1980年代後半、ジャパニーズ・ロック・シーンに大きなエポックメイキングを打ち出したレッド・ウォーリアーズ。彼らの30周年LIVE<Red Warriors 30TH ANNIVERSARY KING'S ROCK'N ROLL>がもうすぐ開催される。そんなRED'Sのダイアモンド☆ユカイと木暮“shake”武彦に直前インタビュー。

   ◆   ◆   ◆

──僕の立案&プロデュース・アルバム、2007年9月リリースの『RESPECT THE STONES 2』でおふたり名義「Paint It, Black」レコーディング。レコ発イベント<LIVE ! RESPECT THE STONES !! VOL.2 ~ストーンズ・ナイト~>にも出演してもらって「Jumpin' Jack Flash」「Paint It, Black」「Stray Cat Blues」「Sympathy For The Devil」をオン・ステージ。ファイナルの出演者全員での「Honky Tonk Women」では僕もジョインしてシャウトさせてもらった。もう10年経つんだ。その後、拙書『ジャパニーズ・ロック・インタビュー集~時代を築いた20人の言葉~』ほか何度もそれぞれ単独のインタビューをお願いしたけど、揃っては初めて。まるでミック・ジャガー&キース・リチャーズ同時インタビューみたいだね。ユカイ&shake一緒の取材は…。

sheke:最近はないね

ユカイ:ない、ホント久しぶりだ。マァ、ふたりは仲が悪かったり、良かったり(笑)。

sheke:久しぶりに会うと凄く面白い。段々と大人になってきている(笑)。


──さてさて、2年ぶりとなる今回のRED'S再結成ライブはいつ頃からどういった経由で実現したの…。

ユカイ:これって言っちゃっていいの?

sheke:いいよ!

ユカイ:いいよ、って(笑)。「30周年だし一回演ろうよ!」みたいな話をしていて。2年前のさいたまスーパーアリーナでの<肉フェス>はたまたま出演依頼が来たんだ。でもでも、本格的なRED'Sのライブはもうかれこれ…。

sheke:10年くらい経つかナァ?

ユカイ:2007年にZepp TokyoとNagoya E.L.L。2009年にSHIBUYA AX以来といってもいい。

──言いだしっぺは?!

ユカイ:俺からかな?どっちかっていうと…。

sheke:「結成30周年で演ろう」って言ってた。

ユカイ:でも、ミュージカルに出演することになって、できなくなったと伝えたら、shake怒っちゃってさ(笑)。

sheke:アハハ、そういう言い方してないよ(笑)。

ユカイ:ミュージカルには以前からずっと出演してみたいと思っていた。それが実現したので、そっちを優先させてもらった。shakeはshakeでライブ忙しいじゃん?

sheke:半年前ぐらいに言ってくれれば何とかなるよ。

──2017年になったけど、それが30周年という括りでついに実現。リハは始まっているの。

ユカイ:まだ。だって、今日久しぶりに会ったんだもん(笑)。(註:インタビューは2017年6月26日)

sheke:7月1日のソロ・ツアー・ファイナルが終わってからから。その前からだと混乱しちゃうから。リハの前に個人練習はします(笑)。

──shakeはたまにRED'S時代の曲を演ってるじゃない?

sheke:うん。

──ユカイは?

ユカイ:RED'Sのナンバーはアコギ一本で、何曲か披露したことは。でも、最近は演ってないかな。

──早いもので30年。

ユカイ:30周年ということになっているけど、厳密に言うとレコード・デビューは86年だから31年目。マァ、大体で(笑)。ロックンロールだから。

sheke:計算間違いしたってことで…(笑)。

──リハはまだだけど、選曲はしたんでしょう。

sheke:選曲はしたよ。小川清史(B)も加わって3人で。その3人に加え今回のメンバーは、キーボードの三國義貴さんとレッド・ウォーリアーズ最後のアルバム『7th』でドラムを叩いてくれた西川貴博くん。

ユカイ:選曲はオリジナル・メンバー3人でああでもないこうでもないって。皆が求める、皆で楽しんでもらえるような楽曲はshakeが決めた。ネッ?

sheke:そうだよ、決めてよっていうからさ(笑)。仮決めしてメールで一斉送信。でも、それぞれ個人的に返って来る。ホントめんどう(笑)、3人でやり取りしようよ。

──全員返信じゃなくて、そのまま返信してくるんでしょ?

sheke:そうそうそう(笑)、そうなんだよ。

ユカイ:3人への一斉送信方法が分かってないんだ…。

sheke:俺は使いこなせるぞ(笑)。

──こんな話の中にもふたりのやる気を感じる。

ユカイ:30年か。1989年に解散。でも、それからも演ったり演らなかったり。こう考えてみると、何だかんだで活動している。長いスパンで見るとね。

sheke:演ってた?

ユカイ:うん、だって解散後もアルバム・レコーディングしているし。今回は30周年のお祭りなのだ。リアル・タイムで我々とともにロックしていた40~50代の人たちにとってRED'Sは青春時代のバンド。30年、この時の流れの中で様々なことを体験した人たちが集まっての祭典。埼玉出身のバンドの記念のライブが大宮ソニックシティでできる、それもあっという間にソールド・アウト。俺自身、とても驚いている。埼玉に何か縁がある。

──埼玉ロック・シーンというと、1970年代のURCを思い出すけど…。

sheke:そう、元をただせば浦和ロックンロール・センター(URC)があって多くのロック・イベントを開催していた。四人囃子、ブルース・クリエイション。

──安全バンド。

sheke:地元のアマチュアのバンドも浦和市民会館(現・さいたま市民会館)や埼玉会館でロック・コンサート。高校の頃よく観に行って凄く興奮して帰ってきた。卒業後、バンド結成してコンテストとかいろいろ出演。レベッカのメンバーと出会ったのもその頃。

ユカイ:HEESEY(THE YELLOW MONKEY)もそうだよね。

sheke:ユカイくんのバンド、俺のバンド…、いろんなバンドが、6~7組が様々なロック・コンサート・イベントに出演。気にいると今度一緒に共演しよう。そしてついにはグループを結成。

──そんな縁の地、埼玉での祭典が満員御礼となって、急遽、渋谷eggmanでのライブも発表された。この小さな小屋、200人くらいかなeggmanでのライブはより興味深い。ここはレコード・デビュー前、RED'S結成直後に出演していた思い出のライブ・ハウス。


sheke:厳密に言えば、練習ライブを浦和で演ってるけど、バンド結成後、東京で最初にライブしたのがeggman。レコード・デビュー前、東京でのライブはずっとここだった。

──原点回帰がタイトル? “returns to the starting point”。

sheke:俺はそういうところには関ってないからわからない(笑)。そういうことは全部黒幕に任せて(笑)。

──キース・リチャーズみたいな発言。

sheke:そう? ホント(笑)?

ユカイ:以前ある番組でひとりeggmanのステージに立ったことがある。3年位前かな。ギター1本であの「BIRTHDAY SONG」を歌った。何か甦ってくるものがあってね、もしshakeと清史が一緒にこのステージに立ったら面白いのに。あの時はそんなことが脳裏に閃いた。それが現実になる!

──大宮ソニックシティとeggmanのセットリストは違うでしょう。eggmanではデビュー前のカバー曲演るとか…。

ユカイ:eggmanでしか演らない楽曲あるよ。同じ曲を演っても、違う雰囲気になる。レッド・ウォーリアーズってさ、<肉フェス>で演った時も思ったけど、ライブは毎回違う世界を生み出す。

sheke:その通りだ!

ユカイ:その時々でフィーリングもノリも違う。同じ曲でも別作品のようなことも。

──これを機に本格的なRED'Sの再開、ツアーやニュー・アルバムも期待しているファンもいると思うんだけど。

sheke:それはない。

ユカイ:これがラストのつもりでいる。shakeや清史はどう思ってるか分んないけど、レッド・ウォーリアーズはある意味、俺にとってはデカいステージでバシッと演らないと、何か嫌なんだ(笑)。今回の大宮ソニックシティで完璧にできなかったらラストにしようかと思っている。

──ライブ・レコーディングはしないの?

ユカイ:しない。

──eggmanだけでも!

sheke:アァ、eggman。それは面白いかもしれない(笑)。

ユカイ:どうなっちゃうんだろうね(笑)。

sheke:一発録りでの完全に生々しい音とか、いいかもね。

──ライブ・レコーディングはファンの大きな願望! そして、アルバム『RED WARRIORS BEST1999-2003』が7月12日にリリース。


ユカイ:俺が選曲したんだ。曲を並べてみたらとても楽しくなってきちゃってさ(笑)。で、shakeに電話したんだよね?

shakeうん。

──Vol.2でshakeが選曲すればいいじゃない?

sheke:アハハ、変わんないよ、そんなに。

ユカイ:そう? だいぶ違うんじゃない?

sheke:好みっていうより、楽曲としてこれは良いナァって思えるクオリティを考えると、そんなには変わらない。

ユカイ:shakeはわりと極端な感じだよね、好きなものがちゃんと決まっていてはっきりしている。俺は割合とバラエティーに富んでるというか、この曲が良いけどこっちもみたいな。

──話はeggmanライブに戻るけど、ファンはとにかく吃驚&大拍手!

ユカイ:そうなんだろうナァ…。

──最初にeggman出演していた頃はどんな楽曲を演奏してたの?

sheke:1985年2月にバンド結成してすぐeggmanにブッキング。レパートリーが1曲もない。とにかくそれまでに曲を作って、アレンジして練習してライブ演るっていう、そんな始まりだった。

ユカイ:毎日、練習していた。どこだっけ、あそこ? 荒井楽器ね(笑)。そう荒井楽器!

sheke:アハハハハハ!

ユカイ:ホント毎日だった!

sheke:最初のeggmanでは12曲位かな、演奏したと思う。

ユカイ:レベッカの「ウェラム・ボートクラブ」「Nothing To Lose」。

sheke:そうだ、演った、演った、演った。で、「BIRTHDAY SONG」を作ったんだよ。そして「GUERRILLA」「OUTSIDER」。

ユカイ:「Outsider」も演ったっけ?

sheke:演ったと思うよ。もしくは、その次のライブかなぁ。「John」は次の月。

ユカイ:プリテンダーズの曲とかも演ってたんだ。元々はキンクスのオリジナルで「ストップ・ユア・ソビング」。あとJ・ガイルズ・バンドも演ったよ、確か(笑)。

sheke:「Centerfold」。(註:邦題は「堕ちた天使」)

ユカイ:当時のロック・シーンといえばニュー・ウェイヴが台頭。全世界でブルージーなロックンロールが目立たなかった。

──1980年代前半から中期にかけてロックがポップ寄りでもあったり、ソフィストケイトされて、あまりブルージーな感じではなかった。

sheke:そう。

ユカイ:コステロとかはいたけどね。

sheke:まだ、ガンズが出る前だったしワン・ヒットの時代だったよね

ユカイ:ワン・ヒット?

sheke:ザ・ローリング・ストーンズの「One Hit(To The Body)」。

ユカイ:その時代か。

──「One Hit(To The Body)」カバーしたの?

ユカイ:演んない、演んない(笑)。でもストーンズは、昔、よく演ってた。「Honky Tonk Women」「Crazy Mama」。

sheke:あと「Brown Sugar」。

──おふたりはザ・ビートルズも好きです。

ユカイ:ザ・ビートルズも大好き。ザ・ビートルズ・ナンバーはレッド・ウォーリアーズでカバーしている。「I AM THE WALRUS」。12インチ・シングル「バラとワイン」のカップリング曲。当時は結構カバー演ってた。スージー・クアトロとか。

sheke:アァァ思い出した(笑)。「ママのファンキー・ロックンロール」、カッコ良いじゃん。

──eggmanでは、そういった曲は演らなかったの?

ユカイ:演ってた、演ってた。

──今回もeggmanでこういったカバー、一曲ぐらいどう?

ユカイ:すぐにはできない(笑)。

sheke:レッド・ウォーリアーズLIVEへの意気込み、まだ本格的には沸いてこないんだけど、こうやっていろいろと話してみると楽しいイマジネーションが生まれて来た。<肉フェス>の時もそうだったんだけど、目覚めるものがあって、例えばリフをパーンと弾いた時の、広い会場だからこその音の広がり、残響。あぁ、こうだったなぁ。俺達、短い期間しか演らなかったから、お客さんの反応が強烈に残っているんだ。凄い新鮮だった。2年前にブルース・ジャム演ったんだ。最高だった! カッコ良いところだけを演るじゃなくて、ジャムも出来る。だからこのバンドは最高だなって感じる。

ユカイ:レッド・ウォーリアーズは、自由な適当っていう所からから新しいSOMETHINGが生まれる。

──RED'Sにはロックなグルーヴ感、雰囲気感をストレートに、そしてダイナミックに感じる。だからふたりに会いたい。

ユカイ:最初の頃はガチッと演ってたけどね…。

sheke:かもね。そうだね。

ユカイ:ある時期から段々とそうしているのに疲れた。疲れたのか、成長したのか、自分たちでどんどん自由な世界をクリエイト。だから喧嘩している時期も何度かある。けど、そういうことも何かに繋がっていく。レッド・ウォーリアーズで別世界に行ける。歌っていると、誰でもない、何かが降って来るんだ。その瞬間にね。そうすると突き抜けちゃうんだ。それはある意味レッド・ウォーリアーズでしかできない。


──おふたりのRED'Sマイ・ベスト・ソングは。

sheke:「CASINO DRIVE」だな。俺はアコースティック・ライブをよく行っている。そんな時、アンコールは気楽な雰囲気で楽しみたい。例えば「Honky Tonk Women」とかを最後にもっていくと大盛り上がり。「CASINO DRIVE」はそういう感じでできるんだ。日本語のロックンロールを作って、それを演奏する。良かったと思う。

ユカイ:ベスト・ソング、難しいナァ~。ウ~ン難しい。選べない…。

──ではベスト・アルバム。

ユカイ:全盛期じゃないけど『7th』が一番好きだ。自分の中で目指していたレッド・ウォーリアーズの世界がそこにある。

sheke:俺は後期の方のアルバムが音楽的にも演奏的にも面白い。誇れる楽曲が収録されている。マジックは初期にあるとは思うけど。俺のベスト・アルバムは『JUPITER TRIBUS』『7th』。5枚目の『FIRE DROPS』はまだちょっと出し切ってない感じがする。ちょっと残念だなって思う。音楽ファンとして『JUPITER TRIBUS』『7th』を聴いたら、このバンドは凄い、絶対ライブに行きたい。こう思えるんだ。

ユカイ:最後の『7th』をフィーチャーしてのライブ、凄く良かったという体感がある。

──ベスト・ライブは?

sheke:解散の武道館ライブ。ツアーが終わって解散したんだけど、アンコールで日本武道館2デイズ。ブルース・ジャム演ったり、最初の3曲だけで30分ぐらい演奏したり、とても自由な気持で楽しんでできた。あの日のライブが一番楽しかった。

ユカイ:俺は最初の3年間。体感としてはあんまり思い出せないけど。でも初期のライブ。あの時代の感覚は現在とは全く違う。千葉かどこかでのライブ、それが凄いライブだったなっていうのだけは何となく覚えている。初期のレッド・ウォーリアーズは特に音がでかかった。それだけに体感で残ってる。

──そんなライブをもう一度ということで、渋谷eggman、大宮ソニックシティでの30周年LIVE頑張ってください。今日はどうもありがとう。7月のRED'S LIVEへの意気込みも含めロックなトーク、とっても楽しかった。♪It's only Rock'n Roll but I like it♪。

インタビュー写真:佐藤 和弘(Rock'n Roll Collection Box)
Special thanks to CURIOUSCOPE/市村 亮&古賀 ゆきえ

<Red Warriors30TH ANNIVERSARY KING'S ROCK'N ROLL>
2017年7月13日渋谷eggman
Open:18:30Start:19:00

2017年7月15日 大宮ソニックシティ大ホール
Open:16:30Start:17:00

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