【速レポ】<京都大作戦2017>、My Hair is Bad「事件は起きるんじゃない、事件はロック・バンドが起こすんだ」

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今年で10周年目を迎える<京都大作戦>。敢えて<京都大作戦2008>のTシャツを着込んだファンもいるなど、開演前から愛情もお祝いムードも漂う太陽が丘。予定されている開演時刻の5分前のこと。突如、ステージに登場したのは田原氏だ。アパレルで有名なmobstylesのボスであり、<京都大作戦>の初回からずっとMCを担当している方でもある。

◆My Hair is Bad 画像

「今年で、<京都大作戦>は10周年。皆勤賞で来ているバンドが3つ、いや4つ。まずはテ…」。そう呼びかけると、会場から「10-FEET!」と大きな返事が起こる。「次はド…、そう、Dragon Ash。そしてダ…、dustbox。最後はト…。誰だ? 俺だよ、トシちゃんだよ、頼むよ! <京都大作戦>、楽しんでいこうぜ!」。そんな笑いも交えながら田原氏は<京都大作戦>の開幕を宣言。

直後、<京都大作戦>の交響曲と共に、本日のミッションを遂行するバンド達のロゴが、次々にスクリーンに浮かび上がる。そのたびに湧き立つオーディエンス。そしてステージに視線を集中させながらカウントダウンのコールも巻き起こった。


その源氏ノ舞台に現れたのはMy Hair is Badだ。ドラムの前で、山田(Dr)と椎木(G&Vo)と山本(B&Cho)の3人はコブシを突き合わせた。2015年に牛若ノ舞台に立った彼ら。あの丘を超えようと闘志も露わなステージを披露したが、それから2年後の今、彼らは夢を勝ち取った。椎木がまず一発目に鳴らしたコード。喜びと興奮に溢れるそのギター・サウンドは、オーディエンスも刺激しまくる。

「京都大作戦、おはようございます! 10周年、源氏ノ舞台、一発目を任されました。My Hair is Bad、始めます」

「アフターアワー」から勢い良く突入したライブ。「いけんのか!」とカツも食らわせ、いつも以上に気合いの入った歌いっぷりで攻める椎木。山本もベースを高らかに上げ、山田も嬉しそうな表情でドラムを叩く。勢いを加速させながらも、繊細な心情を描写した歌が太陽が丘に響き渡る。


「10-FEET、<京都大作戦>、一発目、俺らにここを任せてくれてありがとうございます。覚悟だけちゃんと持って来ました。前の彼女の母ちゃんが、10-FEETのこと好きで。2015年の<京都大作戦>に出たら、すげー印象良くなりました。お母さん、俺、あの子のこと幸せにできなくて、どうもすいませんでした」

その突然の白状から続くのは、彼女との恋愛過程で生まれたであろうラブソング「真赤」。しかし椎木の言う“覚悟”とは、あの子の母ちゃんに対するそれではない。「クリサンセマム」をテンション高く決め、曲が次々に繰り出されていくなかで、本当の覚悟が剥き出しになっていった。

「源氏の一発目のステージを任されて、平日の頭からこんなに集まってもらって、おぼっちゃまみてえなロック・バンドやるつもりはねえ。好感度もいらねえし、好印象もいらねえ。俺は今日のステージに立って、あんたらに自慢しに来たわけでもねえし、満足しに来たわけでもねえし、達成感味わいに来たわけでもねえ。なんでここに立っているか教えてやらー。ロック・バンドとして源氏、挑戦しに来ました! おいおい、ビビってんじゃねえぞ。<京都大作戦>、俺らのステージ、もう二度とねえつもりで歌ってやる。ステージで俺が何を残せるか、目に焼き付けて帰ってくれ。あんたの心を焦がしにやってきたんだ。<京都大作戦>10周年、俺らも今年で10周年、My Hair is Bad」

自分自身にも言葉を向け、全身全霊でギターをかき鳴らす椎木。さっきまで曲を楽しみながら騒いでいたオーディエンスも多かったが、真剣な眼差しと表情でMy Hair is Badのライブに呪縛されていった。


「サイズの合わないTシャツ着ている感じだな、俺は。源氏ノ舞台に立って、10-FEETよりいいライブするなんてあり得ないよな。だが、あり得ねえことするのがロック・バンドだから。事件は起きるんじゃない、事件はロック・バンドが起こすんだ」

その覚悟は音のひとつずつにしっかり宿り、とんでもない勢いと鋭さを持ちながらスパーク。そして啖呵を切っているような歌が轟き続ける。楽しむためのステージというよりも、自分達を変えていくステージ。それが彼らにとっての<京都大作戦>なのかもしれない。2年前に見せた闘志が実を結んだ今、彼らはこうも言う。

「2015年、俺は袖で10-FEETのステージ観せてもらって、俺には絶対無理だろうなと思いました。こんな景色、見れないだろうなって思いました。あの日と同じ景色じゃないけど、少しずつ近づいてる気がします。カッコいい先輩がいて良かった。カッコいいバンドでいます。ありがとう!」

最後に感謝しながら太陽が丘を見つめた3人。やりきったいい表情でもあった。

取材・文◎長谷川幸信
撮影◎HayachiN/みやざきまゆみ

【My Hair is Bad セットリスト】

01.アフターアワー
02.告白
03.真赤
04.クリサンセマム
05.元彼氏として
06.フロムナウオン
07.夏が過ぎてく


■<京都大作戦2017 ~心の10電!10執念!10横無尽にはしゃぎな祭!~>

2017年7月7日(金) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
2017年7月8日(土) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
2017年7月9日(日) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
▼開場
7月7日 開場:11:30 / 7月8日, 9日 開場:9:30
▼開演
7月7日 開演:13:00 / 7月8日, 9日 開演:11:00
【出演アーティスト ※50音順】
▼7月7日(金)
【源氏ノ舞台】サンボマスター、SiM、竹原ピストル、10-FEET、Nothing's Carved In Stone、My Hair is Bad
【牛若ノ舞台】打首獄門同好会、Creepy Nuts、四星球、ヤバイTシャツ屋さん、夜の本気ダンス
▼7月8日(土)
【源氏ノ舞台】Ken Yokoyama、The BONEZ、湘南乃風、10-FEET、東京スカパラダイスオーケストラ、Dragon Ash、FIRE BALL with HOME GROWN、RADWIMPS
【牛若ノ舞台】藍坊主、Age Factory、GOOD4NOTHING、Crystal Lake、NAMBA69、NUBO、yonige
▼7月9日(日)
【源氏ノ舞台】氣志團、SUPER BEAVER、dustbox、10-FEET、マキシマム ザ ホルモン、MAN WITH A MISSION、ROTTENGRAFFTY、WANIMA
【牛若ノ舞台】ENTH、OVER ARM THROW、ガガガSP、SIX LOUNGE、SHANK、G-FREAK FACTORY、Dizzy Sunfist

【鞍馬ノ間】
7月7日(金):大阪籠球会、京都ハンナリーズとのバスケットボール体験やエキシビションマッチ
7月8日(土)、9日(日):下記8チームによるバスケットボールのトーナメント戦「京都大作戦杯2017」を開催
AKT LOCA、UNDER DOG、OSAKA YOUNG GUNS、大阪籠球会、SOMECITY OSAKA選抜、TEAM-S、東京籠球会、HIGH WEST BALLERS

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