【速レポ】<京都大作戦2017>、Ken Yokoyama「彼らに尊敬と感謝の拍手を」

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次のバンドを告知するアナウンスと共にグラウンドのあちこちで上がるのは国旗。日の丸もあれば、フランス国旗も。それを見ながらゆっくり歩きながらステージに現れた4人。Ken Bandの登場だ。まずは一発ギターを鳴らしてKenが言う。

◆Ken Yokoyama 画像

「暑いね。東京から来たKen Bandです。5年連続この場所に帰ってこれて嬉しいです。無理せず最後までケガなく楽しんでってな。Ken Bandはちょこっとだけムチャなライブするけど、最後まで付き合ってください」

その言葉から始まるのは、10周年を迎えた<京都大作戦>にもふさわしいナンバー「Let The Beat Carry On」。続いていこう、繋げていこうという歌詞の曲だ。そうしたナンバーをド頭に持ってくるあたり、<京都大作戦>を続けている10-FEETへの尊敬の念も込められている。Kenが客席へ放り投げたマイクに、ファンの何人かがイントロの歌詞を歌って、曲へ突入。同時に客席エリア全体から腕が上がり、前方ではクラウドサーフの連発で足も上がり、あちこちで国旗やタオルもはためく。思わず笑顔にもなるKen Bandの4人。彼らにとってここは行く場所ではなくて、帰ってくる場所。目に見えるもの全て、感じるもの全てが、どんなに激しいそれであっても4人にとって温かく感じるのかもしれない。ヒザまづいてエンディング・ソロを決めたKenは、満面の笑みで親指を立てた。



「サンキュー、10周年京都、食らってくれ!」と感謝しながら「Punk Rock Dream」、さらに「気分がいいからもう1曲やっちゃおうか。一緒に歌ってくれ」と「Maybe Maybe」へとたたみ掛ける。その言葉からも分かるように、今日は嬉しそうに笑顔ばっかり見せているメンバー。音にもその気持ちが乗っかって開放感も伝わってくる。そういうバンド・サウンドだからクラウドサーフもずっと止むことがない。

「ちょっとこここで水分補給しような。アドレナリン出てるから大丈夫かもしれないけど、後で来るな、絶対。RADWIMPSまで持たないずらよ」

そう言って水を飲むと、水に飢えたクラウドサーファー達から「ちょうだい」と声が。それに応えて水を投げたり、口に含んだ水を戻したボトルを投げたり、Kenは大サービス。

「5年連続ここに立たせてもらって、それは5年連続、10-FEETが呼んでくれたわけで。もっと前から彼らはここ守ってきたわけで。彼らに尊敬と感謝の拍手を」

鳴り響く拍手のなかで、Kenが静かに鳴らし始めたのは切なくメロウな響きのコード。10-FEETと、ここにいる人達に感謝の気持ちで演奏したいというその曲は、「I Won't Turn Off My Radio」。コーラス・パートはどんどんでかい声になり、大合唱となって太陽が丘に広がっていく。それがメンバー4人をさらに嬉しくもさせていった。続く「Save Us」でもグラウンドから合唱も湧き上がる。


「今、九州が大雨で大変なことになっているのはご存知ですか。ちょっと聞いてくれ。2011年に東北の震災が起こったときに思ったことを曲にしたんだけど、その曲を歌うわ。そんなときに日本国旗は右翼だと言ってるヤツはバカだ」

嬉しそうにライブしながらも、しっかりと言うべきことは言い、歌うべきことは歌う。怒っているときは怒りも込める。そして楽しいときは笑顔も隠さない。真っ正直な男、Ken Yokoyamaの姿がステージにあった。そして演奏された曲は「Ricky Punks III」だった。

「こういうフェスのいいところってのは、いろんなバンドをその日のうちに観れて、興味がどんどん湧いていくことだよな。湘南乃風を観に来て、“なんだ、この日の丸おじさん”って興味持ってくれたら、それはそれでいいじゃないか。そういうこともなかったらフェスはクソだから。商品の見本市じゃない。さっきからマイク投げてるけどさ、次は長めに渡すから、好きなこと歌ってくれ」



そう言いながら、Kenのカウントでマイクをつかんだファンの歌でラスト・ナンバー「Believer」へ突入。自らのマイクは客席へ投げ入れ、Jun Gray(B)のマイクスタンドをステージのギリギリまで持って行って客席に向け、そして自らはギターを弾きまくる場面も多い。最後には何か叫んだが、マイクが音声を拾わず、言葉は不明。しかしギターを弾き終えたとき、これまで以上の笑顔でピックを何枚も投げるKen。深々と三度のお辞儀も。頭から最後までKen Bandの喜びと感謝が全開のライブでもあった。

取材・文◎長谷川幸信
撮影◎HayachiN/JON...

【Ken Yokoyama セットリスト】

01.Let The Beat Carry On
02.Punk Rock Dream
03.Maybe, Maybe
04.I Won't Turn Off My Radio
05.Save Us
06.Ricky Punks III
07.Believer


■<京都大作戦2017 ~心の10電!10執念!10横無尽にはしゃぎな祭!~>

2017年7月7日(金) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
2017年7月8日(土) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
2017年7月9日(日) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
▼開場
7月7日 開場:11:30 / 7月8日, 9日 開場:9:30
▼開演
7月7日 開演:13:00 / 7月8日, 9日 開演:11:00
【出演アーティスト ※50音順】
▼7月7日(金)
【源氏ノ舞台】サンボマスター、SiM、竹原ピストル、10-FEET、Nothing's Carved In Stone、My Hair is Bad
【牛若ノ舞台】打首獄門同好会、Creepy Nuts、四星球、ヤバイTシャツ屋さん、夜の本気ダンス
▼7月8日(土)
【源氏ノ舞台】Ken Yokoyama、The BONEZ、湘南乃風、10-FEET、東京スカパラダイスオーケストラ、Dragon Ash、FIRE BALL with HOME GROWN、RADWIMPS
【牛若ノ舞台】藍坊主、Age Factory、GOOD4NOTHING、Crystal Lake、NAMBA69、NUBO、yonige
▼7月9日(日)
【源氏ノ舞台】氣志團、SUPER BEAVER、dustbox、10-FEET、マキシマム ザ ホルモン、MAN WITH A MISSION、ROTTENGRAFFTY、WANIMA
【牛若ノ舞台】ENTH、OVER ARM THROW、ガガガSP、SIX LOUNGE、SHANK、G-FREAK FACTORY、Dizzy Sunfist

【鞍馬ノ間】
7月7日(金):大阪籠球会、京都ハンナリーズとのバスケットボール体験やエキシビションマッチ
7月8日(土)、9日(日):下記8チームによるバスケットボールのトーナメント戦「京都大作戦杯2017」を開催
AKT LOCA、UNDER DOG、OSAKA YOUNG GUNS、大阪籠球会、SOMECITY OSAKA選抜、TEAM-S、東京籠球会、HIGH WEST BALLERS

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