19時48分、機材のチェックを終えたスタッフと入れ替わりに、SEもなくステージに上がった10-FEETの3人。彼らの持ち時間はわずか10分。<京都大作戦>は今年10周年、バンド名は10-FEET、そこに約10分とは。これはおもしろくもなんともない偶然だ。

◆10-FEET 画像

「すいません、3曲しかできませんけど。でも絶対、最高のもん見せます! よろしくお願いします!!」

TAKUMAの言葉をきっかけに始まったのは「DO YOU LIKE…?」。サビで上がるのは、“10-FEET”という2万人の絶叫のようなコーラス。袖には、さっきマキシマム ザ ホルモンのステージに上がった仲間達が、楽屋に戻ることなくそのままいるじゃないか。ヤル気でみなぎったメンバーの目をうるませるには充分。しかし感涙に浸る瞬間は10-FEETの3人にはない。全身全霊でぶつかるのみ。気持ちは素っ裸のむき出し状態だ。

「ラスト2曲、受け止めてくれ!」

TAKUMAが力の限り叫ぶ。曲が「その向こうへ」に入ったとき、走り出てきたのは仲間達だった。その顔ぶれはROTTENGRAFFTYのN∀OKIとNOBUYA、MAN WITH A MISSIONのJean-Ken JohnnyとTokyo Tanaka。気心知れた昔からの仲間だ。その4人に歌を任せながら、TAKUMAは目の前の2万人にも力強く言う。

「おら、見せてくれよ、太陽が丘!」


10-FEETの音をかき消す勢いで“その向こうへ”とコーラスが巻き起こる。中断したことで、一時は消沈と不安の声さえファンからも聞こえてきていた。それがわずかの時間であっても、10-FEETのライブがここに実現した。こんなにもポジティブなエネルギーに満ちたコーラスはないだろう。それを全身で受け止めながら、TAKUMAはさらにでかい声で叫び続けた。

「なんとか間に合う! みんな、ごめんな!でもありがとう! 来年からまたリベンジさせてくれよ! もう時間がないから、魂を込めて、この歌でありがとうの気持ちを伝えます。2017年、<京都大作戦>、関わってくれたみんな、本当にありがとうございました!」

この10年間の全ての思いを詰め込み、最高の感謝と最大の笑顔で伝える「CHERRY BLOSSOM」。でもNAOKIは、涙が勝手に溢れ出て、コーラスもちょっとままならない。涙を流しているのは太陽が丘のみんなも同じ。

「笑え、笑え、ありがとう!」

そう叫ぶTAKUMAも、嬉しさと感謝でたまらない表情を見せていた。

「最後みんな出てきて! 俺らを助けて! みんな、助けて!」

その呼びかけに仲間達が答えた。強く結ばれたバンド仲間達も加わったたくましい「CHERRY BLOSSOM」だ。10周年のラストナンバーだから、何も起こらなければお祭りムードいっぱいだったと思う。でも必ず何かが起こるのが<京都大作戦>であり、予想もしないドラマと伝説が作られるのも<京都大作戦>。

「ありがとう。ごめんな。でもありがとう。大好きやねん! 来年もまた会いましょう。オマエら、メッチャ好きやぞ! ありがとうございました! ありがとうー、これからもよろしくなー!」

何度も感謝しながらライブが終わったのは20時になる数十秒前のこと。ステージで抱き合い輪になって飛び跳ねる10-FEETの3人を、でっかい歓声と拍手が包み込む。伝説さえも超えた奇跡の<京都大作戦2017>だ。




取材・文◎長谷川幸信
撮影◎HayachiN/みやざきまゆみ

【10-FEET セットリスト】

01.DO YOU LIKE…?
02.その向こうへ
03.CHERRY BLOSSOM


■<京都大作戦2017 ~心の10電!10執念!10横無尽にはしゃぎな祭!~>

2017年7月7日(金) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
2017年7月8日(土) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
2017年7月9日(日) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
▼開場
7月7日 開場:11:30 / 7月8日, 9日 開場:9:30
▼開演
7月7日 開演:13:00 / 7月8日, 9日 開演:11:00
【出演アーティスト ※50音順】
▼7月7日(金)
【源氏ノ舞台】サンボマスター、SiM、竹原ピストル、10-FEET、Nothing's Carved In Stone、My Hair is Bad
【牛若ノ舞台】打首獄門同好会、Creepy Nuts、四星球、ヤバイTシャツ屋さん、夜の本気ダンス
▼7月8日(土)
【源氏ノ舞台】Ken Yokoyama、The BONEZ、湘南乃風、10-FEET、東京スカパラダイスオーケストラ、Dragon Ash、FIRE BALL with HOME GROWN、RADWIMPS
【牛若ノ舞台】藍坊主、Age Factory、GOOD4NOTHING、Crystal Lake、NAMBA69、NUBO、yonige
▼7月9日(日)
【源氏ノ舞台】氣志團、SUPER BEAVER、dustbox、10-FEET、マキシマム ザ ホルモン、MAN WITH A MISSION、ROTTENGRAFFTY、WANIMA
【牛若ノ舞台】ENTH、OVER ARM THROW、ガガガSP、SIX LOUNGE、SHANK、G-FREAK FACTORY、Dizzy Sunfist

【鞍馬ノ間】
7月7日(金):大阪籠球会、京都ハンナリーズとのバスケットボール体験やエキシビションマッチ
7月8日(土)、9日(日):下記8チームによるバスケットボールのトーナメント戦「京都大作戦杯2017」を開催
AKT LOCA、UNDER DOG、OSAKA YOUNG GUNS、大阪籠球会、SOMECITY OSAKA選抜、TEAM-S、東京籠球会、HIGH WEST BALLERS