手塚治虫×冨田勲×初音ミク、時空を超えたコラボAL9月発売

昨年2016年に逝去した作曲家・冨田勲が手塚治虫のアニメのために作った数々の名曲を初音ミクが歌う、時代を超えたコラボレーションアルバム『初音ミク Sings “手塚治虫と冨田勲の音楽を生演奏で”』が9月6日に日本コロムビアからリリースされることが発表された。

◆アルバム『初音ミク Sings “手塚治虫と冨田勲の音楽を生演奏で”』 ジャケット画像

同アルバムは手塚治虫の生誕90周年イヤーが始まる今年2017年が、冨田の生誕85周年にあたり、さらに初音ミクの歌声合成ソフトウェア発売から10周年でもあることから特別に企画された。「リボンの騎士」や「ジャングル大帝」「どろろ」など、1960〜70年代にテレビ放映された手塚アニメに冨田が遺した音楽の傑作群を、生楽器のバック演奏に合わせ、初音ミクや重音テトなどのバーチャル・シンガーの歌声、さらに、リアルなシンガーとのデュエットなどを織り交ぜながら展開するという内容である。

▲手塚治虫

▲冨田勲（photo by Yasuhiro Ohara）

▲初音ミク

さらに今回は、初音ミクが歌のみならずナビゲーターとしても登場し、曲紹介やゲストを招いたトークを展開するという。初音ミクが全編にわたって語り手として演技をしたものが音源化されるのは、今回が初の試みとなる。

アルバムのサウンドプロデュースは、手塚のアニメ映画「ユニコ」の音楽を手がけたジャズ界の大御所であるピアニストの佐藤允彦が担当した。ミクたちの歌声をひきたてる楽曲のバックトラックやトーク部分の音楽を手掛けている。

▲佐藤允彦

さらに、トーク部分を含めた全体のストーリー構成は、ミステリー作家の辻真先が担当するというから驚きだ。現在85歳の辻は1967年に放映されたTVアニメ「リボンの騎士」のメイン脚本家の一人としても知られ、手塚治虫と冨田勲ふたりと実際交流のあった貴重な人物であり、当時のエピソードなどを織り交ぜながら冨田勲と手塚治虫の功績を振り返る。

本日公開されたジャケットは、手塚プロダクション＆クリプトン社が描き下ろしたオリジナルで、手塚治虫タッチの初音ミクを中心に、「リボンの騎士」の主人公サファイアや「ジャングル大帝」のキャラクター、パンジャ、さらに初音ミクや重音テトが新たに描かれたコラボイラストとなっている。

▲アルバム『初音ミク Sings “手塚治虫と冨田勲の音楽を生演奏で”』初回限定盤

▲アルバム『初音ミク Sings “手塚治虫と冨田勲の音楽を生演奏で”』通常盤

なお、この手塚×冨田×ミク3者のコラボは、7月1日〜10月23日まで兵庫県宝塚市の「宝塚市立手塚治虫記念館」で開催されている展覧会「初音ミク×手塚治虫展―冨田勲が繋ぐ世界―」でも観ることができる。

※注記：手塚治虫の“塚”の字は、正しくは旧字体（塚にヽのある字）