【総括レポート】D’ERLANGER、<J’aime La Vie TOUR 2017>に見た“きわめて濃密な薔薇色の世界”

ツイート

2007年4月22日、東京・日比谷野外大音楽堂のステージで復活を遂げたD’ERLANGER。それからちょうど10年後にあたる今年の同じ日には、東京・豊洲PITにて<REUNION 10th ANNIVERSARY -薔薇色の激情->と銘打たれた記念公演を実施し、5月3日には通算8作目のオリジナル・アルバムにあたる『J’aime La Vie』を発表。そして同作を携えながら、5月6日の岡山公演を皮切りに繰り広げられてきた<J’aime La Vie TOUR 2017>が、7月9日、このバンドにとっての聖地ともいうべき京都での二夜公演終了をもって完結へと至った。

◆D'ERLANGER 画像

今回のツアーは、追加公演として組まれた京都公演も含め、全国10都市で週末に二夜公演を重ねる形式で展開され、基本的に第一夜は歴史を網羅した総括的セットリスト、第二夜には最新作を軸とする演奏内容が組まれてきた。つまり二夜連続で観ることで“最新作にベスト・アルバムを足した2枚組”のような感覚で彼らの世界を堪能することができるという趣向だったわけだ。さらに各地では、このツアーと同調する形でのインストア・イベントも行なわれてきた。全国のファンは週末ごとに、きわめて濃密な薔薇色の世界を味わってきたことだろう。



筆者は今回のツアーのうち、長野での二夜(6月3日、4日)と東京での二夜(6月30日、7月1日)を目撃してきた。いずれも熱く、官能的で、狂おしいライヴだったが、長野・JUNKBOX公演から4週間を経たのちに東京・渋谷TSUTAYA O-EASTでのライヴに触れて実感させられたのは、やはり最新作『J’aime La Vie』からの楽曲が早くも進化の兆しを見せ始めていることだった。BARKSでは今作をめぐる全メンバーの個別インタビューを掲載してきたが、そこでの発言内容からも明らかだったのは、この作品に詰め込まれたナンバーの大半が、楽曲として生まれてから間もないままごく短期間のうちにレコーディングされてきたということ。しかも楽曲の第一印象や、その“場”からもたらされるインスピレーションを重んじるこのバンドの場合、その曲自体を過剰に練り込むことがほぼない。逆に言えば、作曲者であるCIPHER自身のなかでの吟味を充分に経たものだけがメンバーたちに提示されているということでもあるし、瞬時にそれに反応しながらアイデアを投げ合うことのできる顔ぶれの揃ったバンドだからこそ成立するマジック(SEELAに言わせればそれは“ミラクル”ということになるのだろう)が、D’ERLANGERをD’ERLANGERたらしめているということでもある。



実際のところ、長野での第二夜、すなわち新曲中心のライヴからは、ベスト選曲的な第一夜に比べると、いくぶんの硬さも感じられた。もちろん演奏面に余裕がないとかそういった意味ではない。むしろメンバーたちの表情や所作に、若干そうしたものが見受けられたように思うのだ。が、言うまでもなく東京でのふたつの夜の間に、そうした差異を感じさせられることはなかった。前述のとおり『J’aime La Vie』からの楽曲群が進化、あるいは深化しつつあることが体感できたし、楽曲同士の相互作用が強まっていることにも気付かされた。

しかも、第二夜のライヴ本編が「Everlasting Rose」から「沈む」へという新曲同士の連なりを経て着地に至った際、そこに物足りなさをまるで感じさせられなかった。壮絶な空気をたたえた「Loveanymore」から「LA VIE EN ROSE」での解放をもってクライマックスへと至った第一夜のクロージングも見事だったが、筆者自身にとってはこの第二夜の幕切れこそが2日間を通じての絶頂だったといえる。加えて、アンコールに応えて双方の夜に共通して演奏された「CRAZY4YOU」と「バライロノセカイ」の華々しさがとても象徴的だった。前者は前作『Spectacular Nite -狂おしい夜について-』、そして後者は最新作からの選曲だが、いわゆる往年の楽曲をサービス的に披露するのではなく、最新の看板曲といえるものを続けざまに聴かせてみせた彼らに、僕は意地というよりも、自信と余裕を感じさせられた。それを持っているのが、現在の彼らなのである。


すでに発表されている通り、この9月には錚々たる顔ぶれによるD’ERLANGER史上初のトリビュート・アルバムも登場予定であり、それに合わせての<D’ERLANGER presents ABSTINENCE’S DOOE #008 #009>の開催も決定。さらに同月末からは最新作に伴うツアーの第二弾にあたる<J’aime La Vie deux TOUR 2017>もスタートする。11月23日まで続くこのツアーを終える頃、『J’aime La Vie』という最新型の名盤がどのように熟成されているのかが楽しみなところだが、同時に、トリビュート作品や“禁断の競演”が彼ら自身にとっての新たな刺激になることも間違いないだろう。復活から満10年という新たな原点を通過したD’ERLANGERは、今もかつてと同様に、次に何をしでかしてくれるかが楽しみなバンドであり続けているのである。

取材・文◎増田勇一

■<J’aime La Vie TOUR 2017>
2017年6月30日(金)@TSUTAYA O-EASTセットリスト

01.dummy blue
02.SADISTIC EMOTION
03.柘榴
04.So…
05.Angelic Poetry
06.Singe et Insecte
07.13段目の陶酔
08.BABY
09.LULLABY
10.Dance naked,
 Under the moonlight.
11.Skelton Queen
12.Loveanymore
13.LA VIE EN ROSE
encore
14.CRAZY4YOU
15.バライロノセカイ -Le monde de la rose-

■<J’aime La Vie TOUR 2017>
2017年7月01日(土)@TSUTAYA O-EASTセットリスト

01.Harlem Queen Complex
02.Harlem Queen Romance
03.LOVE is GHOST
04.MY BLOODY BURROUGHS POEM
05.狂おしい夜について
06.Dance with me
07.Romeo & Juliet
08.Candy in the shape of you
09.Je t'aime
10.Mona Lisa
11.Vanilla
12.Masquerade
13.Everlasting Rose
14.沈む
encore
15.CRAZY4YOU
16.バライロノセカイ -Le monde de la rose-
17.Love me to DEATH


■トリビュートアルバム『D'ERLANGER TRIBUTE ALBUM ~Stairway to Heaven~』

2017年9月13日(水)発売
WPCL-12767 ¥3,000円(本体)+税
▼参加アーティスト(50音順)
ACID ANDROID / Angelo / INORAN × TERU × HISASHI × ピエール中野 × ERY / 清春 / Psycho le Cému / Justy-Nasty / THE SLUT BANKS / DIR EN GREY / DEZERT / HYDE / MUCC / MERRY / lynch. / Rayflower


■主催イベント<D'ERLANGER presents ABSTINENCE'S DOOR>

<D'ERLANGER presents ABSTINENCE'S DOOR #008>
2017年9月15日(金)EX THEATER ROPPONGI
OPEN / START 17:30 / 18:30
▼出演
D'ERLANGER、Angelo、DEZERT、D'ERLANGER feat. HYDE

<D'ERLANGER presents ABSTINENCE'S DOOR #009>
2017年9月16日(土)EX THEATER ROPPONGI
OPEN / START 16:30 / 17:30
▼出演
D'ERLANGER、lynch.、Psycho le Cému、D'ERLANGER feat. 清春

▼チケット
プレミアムシート ¥11,000- (税込・指定席・ドリンク代別・プレミアムGOODS 付)
スタンディング \7,000-(税込・ドリンク代別)
※未就学児童入場不可/小学生は要保護者同伴・有料
一般発売:2017年8月12日(土)~
(問)HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999

■<D’ERLANGER 秋TOUR「J’aime La Vie deux TOUR 2017」>

09月30日(土)京都FAN J open/17:30 start/18:30
(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888
10月01日(日)浜松窓枠 open/16:30 start/17:00
(問)サンデーフォークプロモーション静岡 054-284-9999
10月07日(土)高知X-pt open/17:30 start/18:00
(問)DUKE高知 088-822-4488
10月08日(日)高松MONSTER open/16:30 start/17:00
(問)DUKE高松 087-822-2520
10月14日(土)金沢EIGHT HALL open/17:30 start/18:00
(問)FOB金沢 076-232-2424
10月15日(日)長野CLUB JUNK BOX open/16:30 start/17:00
(問)FOB新潟 025-229-5000
10月21日(土)郡山CLUB #9 open/17:30 start/18:00
(問)ニュース・プロモーション 022-266-7555
10月22日(日)柏PALOOZA open/16:30 start/17:00
(問)HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999
10月28日(土)福岡DRUM Be-1 open/17:30 start/18:00
(問)GreeN Music 092-714-0230
10月29日(日)岡山YEBISU YA PRO open/16:30 start/17:00
(問)夢番地岡山 086-231-3531
11月03日(金・祝)仙台darwin open/16:30 start/17:00
(問)ニュース・プロモーション 022-266-7555
11月05日(日)札幌cube garden open/16:30 start/17:00
(問)WESS 011-614-9999
11月11日(土)umeda TRAD open/17:30 start/18:00
(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888
11月12日(日)名古屋Electric Lady Land open/16:30 start/17:00
(問)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
11月23日(木・祝)赤坂BLITZ open/16:00 start/17:00
(問)HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999
▼チケット
・オールスタンディング 前売:¥6,000(税込) 前売:¥6,500(税込) ※ドリンク代別
<プレミアムシート> ※KIDS BLUE先行のみ ¥10,000(税込) 札幌・赤坂公演のみ(プレミアムグッズ付/ドリンク代別)
※未就学児童入場不可/小学生は要保護者同伴・有料
一般発売:2017年9月2日(土)~


■<D’ERLANGER×Justy-Nasty LIVE「The Time Machine Never Destroyed 2017」>

08月06日(日)東京・TSUTAYA O-EAST open/16:30 start/17:30
▼チケット
オールスタンディング 前売:¥7,000 当日:¥7,500 (税込・ドリンク代別)
プレミアムシート (2階指定席) 前売:¥10,000 (税込・プレミアムグッズ付・ドリンク代別)
※未就学児童入場不可/小学生は要保護者同伴・有料
一般発売:2017年7月8日(土)〜
(問)HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999

この記事をツイート

この記事の関連情報