苦難を乗り越えて生まれ変わったケシャが新作に込めた想い

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4年の月日を経て、あのケシャがついに音楽シーンに帰ってきた。

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■2014年、摂食障害、虐待での訴訟などで
■音楽活動を休止したケシャ

2010年、一度聴いたら忘れられないキャッチーなポップソング「ティック・トック」と共に、突如音楽シーンに現れた歌姫ケシャ。その奇抜なメイクや独特のヴォーカルで一躍注目を浴び、同曲は全米シングルチャートで9週連続首位をキープする大ヒットを記録。デビューアルバム『アニマル』も全米アルバムチャートで首位デビューを果たした。

『アニマル』は日本でもオリコンデイリーCDランキングで総合1位を獲得し、15万枚のセールスを記録。全世界トータルセールスは800万枚を突破した。その後、2013年にはセカンドアルバム『ウォーリア』をリリース、同作からもピットブルとのコラボレーション楽曲「ティンバー」を含む2曲が全米シングルチャートを制している。また、ブリトニー・スピアーズ、アリアナ・グランデ、マイリー・サイラスら大物アーティストたちへの楽曲提供も行い、ソングライターとしても活躍するなど、彼女の音楽キャリアは順風満帆に思えた。

しかし2014年、ケシャは摂食障害の治療のためリハビリ施設に入所。出所のタイミングでアーティスト名の表記を“KE$HA”から“KESHA”に変更したことを発表した。さらにショッキングなことに、仕事における長年のパートナーで前出の「ティック・トック」も手がけたプロデューサーのドクター・ルークから、約10年にわたって肉体的、精神的、性的な虐待を受けていたことを告白。ついには訴訟にまで発展し、音楽活動の休止を余儀なくされた。

ドクター・ルークは彼女の主張を完全に否定し、2016年に訴訟は棄却される。だが、レディー・ガガをはじめ、アリアナ・グランデ、ケイティ・ペリー、ケリー・クラークソン、アデルら多くの女性アーティストが、「女性の人権を守り、音楽活動が自由にできるようにしてほしい」というケシャの訴えを支持した。また、テイラー・スウィフトは裁判資金として25万ドルを寄付。ジャック・アントノフやZEDDが楽曲のプロデュースをオファーするなど、音楽シーンから次々と救いの手が差し伸べられた。

実際にZEDDは同年4月にケシャとスタジオ入りし、コーチェラ・フェスティバルの自身のステージでも彼女と共演。2人は連名でZEDDの2015年リリースのアルバムのタイトルトラック「トゥルー・カラーズ」をリリースして話題を呼んだ。

ケシャは同年夏に音楽授賞式ビルボード・ミュージック・アワード2016に出演し、ボブ・ディランの「It Ain’t Me Baby」を熱唱したほか、全17公演の全米ツアーも開催し、少しずつ音楽活動を再開していった。

そして2017年8月、ケシャは実に4年ぶりとなる待望のニューアルバムを発表する。『レインボー』と題された新作は彼女自身もプロデュースを務めており、イーグルス・オブ・デス・メタルやドリー・パートン、そして辛い時期も彼女を支え続けた元パンクロックシンガーでソングライターの母ペベ・セバートも参加しているそうだ。

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