ローランド、「鼓童」と世界初の「電子担ぎ太鼓」を共同開発

ローランドと太鼓芸能集団「鼓童」が世界初となる「電子担ぎ太鼓」を共同開発。8月19日（土）に新潟佐渡市で開催される国際文化交流フェスティバル「アース・セレブレーション2017」での特別パフォーマンス「電子と原始」で、「電子担ぎ太鼓」を使用した演奏を披露する。

「電子担ぎ太鼓」は、電子楽器と和太鼓の可能性を追求し、今後の太鼓文化をさらに発展させることを目的に、ローランドと鼓童により共同開発されたもの。電子ドラム「Vドラム」や、カホンに多彩な音色表現を加える電子カホン「エルカホン」など数多くの電子ドラム/パーカッションを開発してきたローランド。和太鼓に関しては、音色の再現や固有の奏法に対応する機構設計の難しさなどにより製品化にいたっていなかったが、和太鼓の表現力をさらに高め、芸術的発展を目指す鼓童とローランド奏法の理念が合致し、これまでに類のない本格的な「電子担ぎ太鼓」の試作機の完成に至った。


伝統的な担ぎ太鼓のデザインや構造をベースに、ローランドが電子ドラムの開発で培った技術や独自のノウハウを注ぎ込んで設計。打面を叩いた時の振動をセンサーで拾い、その信号をケーブルを通じてローランドの電子ドラム/パーカッション音源に送り、和太鼓をはじめさまざまなパーカッションの音色を発音するという仕組み。センサーは打面の中央部、端部、そして「フチ」と呼ばれる外周部の3カ所に搭載、担ぎ太鼓と同じ奏法や打感を実現している。打面は、Vドラムでおなじみの、ローランド独自のメッシュ素材を採用しているので、演奏時の消音性に優れているのもポイント。場所を選ばずに練習することができる。

「電子担ぎ太鼓」の初演奏が行われる「アース・セレブレーション」は、新潟県佐渡市を舞台に、音楽やアートを通じて人々が触れ合うことを目的に佐渡市と鼓童が共同開催する国際文化交流フェスティバルで、今年で30周年を迎える。「電子担ぎ太鼓」は、今夏開催の同イベントのなかで「電子と原始」をテーマにした、和太鼓奏者、邦楽の唄い手、フラメンコ・ダンサー共演によるパフォーマンスで演奏される予定だ。

今回の「電子担ぎ太鼓」はは実験試作の段階だが、和太鼓の表現力の向上と音楽文化の発展に向けて、今後も共同研究開発を続けていく。