【人間椅子連載】ナザレス通信Vol.30「即断」

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前回の人間椅子ツアー初日、今年の2月24日宇都宮での出来事です。普段あまり演奏しない「猟奇が街にやって来る」という曲でのりのりだった自分は「じゃがじゃーじゃんじゃがじゃがじゃーじゃん、へい!」の「へい!」の部分で力強く右腕を振り上げたのですが、勢い余って二の腕に鋭い痛みが走りました。その後のライブではこぶしだけで控えめな情けない「へい!」になってしまう始末。そのうち治ると気楽に構えていましたが最近悪化し、シャツを脱いだり、頭を剃ったり、寝返りをうったりする度に激痛が襲うようになってしまいました。これは筋が切れてしまっているのかもしれないと不安になって病院に行ったら、にやにやしながら先生が「五十肩ですね」と即断です。

切ない診断結果ですが、先生の断言がきっぱりしていたのが気に入って、しばらくその病院に通って電気やら音波やらを当ててもらうことにしました。「よく分らないなぁ」といいながら何度も検査を繰り返したあげく「たぶん~かもしれない」とか言うお医者は嫌いです。ろくに調べもせず勘で「~です」と断言してくれる先生が好きです。何だか職人みたいで信用がおけます。他の分野でもそうです。スポーツなら相撲のようにすぐに勝ち負けがはっきりするものが、映画ならホラーや戦争もののようにテーマがはっきりしたものが、食事ならラーメンやカレーや牛丼のような一気に胃袋を満足させてくれるものが好きです。そしてロックも初めて聴いたその瞬間から一気に引きずり込んでくれるものが好きです。


とか言いながら、ローリングストーンズのように良さが分るまで30年もかかったバンドもあるのですが、一瞬にして好きになった曲はとても印象深く記憶に残っているものです。今回紹介するGUNというバンドの1stアルバム「The Gun」の1曲目「Race With The Devil」もその一つです。ハードロックの貴重盤コレクターだった二十代の頃、やっと手に入れた一枚でした。貴重盤というのは要するにあまり売れなくて廃盤になったものの別称なので、苦労して買った割には内容がいまいちだったりするのですが、このレコードは違いました。特にこの1曲目は名曲です。今はアマゾンで簡単に入手できるのでまだの方は聴いてみてください。よく「サンジャポ」のBGMに使われるので一度は耳にしたことがあるかもしれません。この番組のディレクターはかなりのクラシックロック好きだと思います。マニアックな使い方をします。例えば牛肉の話題ならPINK FLOYDの「原子心母」を(ジャケットが牛の写真なので)、芸能人の大邸宅の話題ならKING CRIMSONの「クリムゾンキングの宮殿」を、といった具合です。そのちょっとしたひねりに気付いて感心してしまいます。

ひねりといえば、自分の腕、治るのに二年ほどかかるそうです。二年後は人間椅子30周年です。何か記念イベントがあるとしたらぎりぎりです。

今回のマイベストテープ~初めて聴いた瞬間に好きになった曲

A1.Children Of The Grave / BLACK SABBATH
A2.Speed King / DEEP PURPLE
A3.Immigrant Song / LED ZEPPELIN
A4.Easy Livin' / URIAH HEEP
A5.Rock Bottom / UFO

B1.Detroit Rock City / KISS
B2.Back In The Saddle / AEROSMITH
B3.Carry On Wayward Son / KANSAS
B4.One Of These Days / PINK FLOYD
B5.Roundabout / YES

20thオリジナルアルバム『異次元からの咆哮』

10月4日(水)発売
初回盤:CD+DVD ¥3,704(税別)TKCA-74561
通常盤:CD ¥2,685(税別)TKCA-74562

<人間椅子ワンマンツアー>

10月31日仙台CLUB JUNK BOX
11月2日 弘前Mag-Net
11月4日 札幌cube garden
11月8日 神戸Chicken George
11月10日高松Olive Hall
11月12日大阪umeda TRAD(前AKASO)
11月14日博多Be-1
11月16日名古屋Electric Lady Land
11月19日東京Zepp Diver City
※詳細は後日発表

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