【インタビュー】wyse、メジャーデビューアルバム完成「僕らが僕らであることを問われた作品」

02.「Vanilla Sky」
– Talk to yourself deep in your heart –
過去、現在、未来
自分の生きている時間軸の中では、それはまるで縦に伸びる1本の線のようなモノで繋がりあった世界
そんなイメージで見ていたりする
それは、もしかしたら、みんなも同じかもしれないけれど
僕の中では少し違うイメージもあってね
その時間分、過ぎるポイントを点として
その数と同じだけの縦に伸びる1本の線があるイメージ
そう話をし始めると、あまりにも膨大な量の時間と物語とを話さなければいけなくなるので…
ここではひとまず、過去、現在、未来
この3つが、それぞれに独立した縦に伸びる1本の線である、という形で
話を進めさせてもらおうと思う
36歳の僕は今、ソファーに座わり、お酒を飲みながら
このコラムを書いている
同時刻
16歳の僕は、きっと大阪の実家で
この先に起きる奇跡、出会い、別れ、その全てを知ることもなく
未来を夢見てBassを弾いているのだろう
同時刻
56歳の僕はというと、当然、現在の僕に想像が出来るはずもなく
16歳の僕がそうであったように
36歳の僕は、未来を夢見て、そして少し付け加えるのであれば
“自分を”信じて、先へ進む他ない
– 以前にも逢ったような初めての出逢いは 時空が歪むほどの全てが変わるサイン –
時々、それは突然に
思いもよらぬタイミングで
その場所、その香り、その景色が、どこか懐かしいような
心がギュッと掴まれるような
そんな感覚になったこと、みんなはありませんか?
物凄く温かくて、優しくて
頻繁にではないけれど、そういう瞬間が僕にはあってね
そんな時、僕はこう思うんだ
“今、繋がってるんだな” って
この曲ではそれを、空で描いているけれど
同じ時間軸、同じモノではない
だけど、それぞれの世界で、同タイミングに、奇跡的に同じ空を見ている
同じ気持ちを抱いている
そう、その瞬間だけ
僕達は導かれるように、その – Vanilla Sky – を通して繋がり、会話をしている
そう考えたりもしてね
人は、強い生き物ではないから
どれだけの悲しい思いをしても、きっと、慣れるなんてことはない
だから、そうやって
どこか確かめ合ったりしてるのかもしれないね
– もしも 夢の続きに台本があったとしても –
56歳の僕からしたら、もう僕達は過去であり、すでに過ぎた時間
36歳の僕からしたら、16歳の僕は過去であり、すでに過ぎた時間
16歳の僕からしたら、どうだろうか、そんなどちらの僕も、まだ知らないこれからの僕
過去は変えられない
はたして、本当にそうだろうか?
36歳の僕は
きっと、56歳の僕を変えることは出来るはず
では、16歳の僕のことはどうだろうか
多分その全てを、そっと見守ることになるのだろう
しかし、こう考えてみるとどうだろうか
36歳の僕が、その16歳の僕がこれから経験する1つ1つの出来事
それによって生まれる感情、考えに、ほんの少しの導きを、エッセンスを加えてあげる
– 悲しみを許せた瞬間に そっと君を想った 2度目のないサヨナラ –
現在の僕に出来ること、すべきことは
未来にだけあるのではなく
自分の歩んできた、その過去にもしっかりと残されているのではないか
現在の自分がどうあるか、それによって
常に、未来も、過去も変わっていくのではないかと
僕はそう考えます
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