【連載】Vol.025「Mike's Boogie Station=音楽にいつも感謝!=」

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ローリング・ストーンズ欧州ツアー直前のダリル・ジョーンズが素晴らしいベースを堪能させてくれた!

これぞ音楽職人 匠の技の連続 マイク・スターン/ビル・エヴァンス・バンド feat ダリル・ジョーンズ & サイモン・フィリップス LIVE IN JAPAN!!


世界最強ロックンロール・バンド、ローリング・ストーンズのサポーティング・ベーシストとして早いもので四世紀近く活躍、ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、チャーリー・ワッツ、ロニー・ウッドから絶大なる信頼を得ているダリル・ジョーンズがお盆明けに来日した。まさにストーンズ欧州ツアー/Stones No Filter直前ということになる。マイク・スターン/ビル・エヴァンス・バンド feat ダリル・ジョーンズ & サイモン・フィリップス LIVE IN JAPANだ。

ダリルにはEメールも含め何度もインタビューしたことがあるし、また良き友として池袋や名古屋で酒宴も…。今回の来日時は公式インタビューはなし。公演会場バック・ステージでワイン会。ということで、ストーンズ情報も含めワイワイガヤガヤ。これは秘密、なんてこともちょっぴりあったりしたりして…。そんな中で一番吃驚したのは8月23日の最終公演翌日、ひとり羽田からロンドンに直行してストーンズに合流するということ。ツアーに向けての準備開始だ。そんなダリルのコメントも紹介しながら音楽職人たちのステージをふり返ってみたい。


35年以上前のマイルス・デイヴィス日本公演で帝王をサポートしていたのがマイク・スターン&ビル・エヴァンス。名古屋ブルーノート、ブルーノート東京、そしてコットン・クラブでこのマイク・スターン/ビル・エヴァンス・バンドの素晴らしい演奏が披露され多くのファンを熱狂させた。



マイクとビルをサポートするふたりも凄い。ドラムスがサイモン・フィリップス、まさにドラムの達人。ジェフ・ベックからTOTO、そして上原ひろみらでお馴染み。でもでもストーンズ・フリークにとってはサイモンといえばミック・ジャガーの87年ソロ・アルバム『プリミティヴ・クール』ドラマーなのだ。翌年春のミック初来日、東京ドーム公演。ソロ・ツアー時のドラムスは勿論サイモンだった。ギターのジョー・サトリアーニ共々、各ソロ・パートがあった。今や大御所となったミュージシャンを大抜擢したミックのセンスには改めて脱帽だ。


そしてベースがダリル・ジョーンズ。ビル・ワイマンの後釜としてストーンズをしっかり支えている。4月のマイルス Electric Bandのライヴに続いて今年2度目の来日。個人的には一昨年のサンディエゴ(RS)、昨年のコーチェラ・ヴァレー(RS)、今年4月の六本木(MEB)に続いての“KONNICHIWA”。


マイク・スターン/ビル・エヴァンス・バンド feat ダリル・ジョーンズ & サイモン・フィリップス、BNT最終日セカンド、CC最終日ファーストをしっかり味わった。フュージョン・ファンからストーンズ・フリーク、ジャズ・ファンからTOTOファン。ミュージシャンから現在練習生。そして楽器ファン…。年代も我々爺から20代まで実に幅広い。


マイク&ビルにダリルが加わり、ドラムスはジャズが大好きだと断言したことのあるサイモンということで、マイルスのトリビュートもあるかと予想したけど、そこはあくまでマイク・スターン/ビル・エヴァンス・バンドということで二人の作品がどんどん登場した(セットリストを参照)。


ふたりの作品集からのセレクションが中心で、その演奏のなかでダリル&サイモンがしっかりとステージを盛り上げ、時折前面へ出てのベース、ドラムを思いっきりフィーチャーしてのプレーも心躍るものがあった。主な演奏楽曲のデータは以下の通り…。

*マイク・スターン作品
「What Might Have Been」アルバム『VOICES』から2001
「Tipatina’s」『PLAY』から1999
「Chromazone」『TIME IN PLACE』から1988
「Red House」『ELECTIC』(Eric Johnson/Mike Stern)から2014   ジミ・ヘンドリックスのカバー

*ビル・エヴァンス作品
「Cool Eddie」『SOUL INSIDER』から2001
「Tit For Tat」『DRAGONFLY』から2012
「Soulbop」『VANS JOINT』から2009
「Kings And Queens」『DRAGONFLY』から2012

クール&ホットなムードを見事にコントラストさせジャジーな展開の中でのステージング。でもそこにはロックもあり、そしてブルージーなムードも投入されフュージョンと呼ばれる世界が誕生。まさに音楽はボーダレス、そんなことをダイレクトに感じさせるグルーヴが次から次へと噴出していく。マイクのギターとビルのサックスの実に息のあった演奏ぶり。そこにダリルのベースとサイモンのドラミングがしっかりと入りこむ。「Out Of The Blue」で早くもダリル・べース、サイモン・ドラムもフィーチャー。


「Tip For Tat」はもちろんビルのサックスを味わえるミディアム・テンポの作品。パーカッシヴな流れの中でマイクのギターが心地よい。そのバランス感覚が見事だ。サイモンのプレーに観客からため息…。


3曲目ではマイクのスキャットで「All You Need」。ソフィストケイトされたお洒落感覚の作品だ。

続いての「Kings And Queens」ではビルがピアノやヴォーカルもたっぷりと披露、もちろんサックスも、多才ぶりを発揮。彼はテナーだけでなくソプラノ・サックスも得意なのだ。


ダリルのベースも各所でその実力ぶりを発揮。自らのポジションにしっかりと位置しながら、そっと前へ出てくるそのタイミングは「Wings And A Prayer」などでも絶妙だ。「Chromazone」でもダリル・ファンを唸らせた。そしてこのナンバーでのサイモン・ドラムも凄かった。ステージ中央にドーンと構えるそのビッグなサイズのドラム・セットにまず吃驚。そしてパワフルでこれでもかこれでもかと迫ってくるプレー。マイクのギター、ビルのサックスをより光らせているのだ。そのサックスは「Tipatina’s」でもたっぷり味わった。このエキサイティングなナンバーでのベース&ドラムスのインプロビゼーション・タッチな掛け合いに会場からは割れんばかりの拍手&声援。


アンコールはジミ・ヘンドリックス・チューンから「Red House」。ジャム・セッション・タッチの導入部からブルージーな雰囲気でまずマイクがファースト・コーラス。そしてセカンドはビルがシャウトしていく。マイクのブルース・ギターもウィープしてドラマティックだ。BNT最終日セカンドでの後半では「Smoke on the Water」(ディープ・パープル)も飛び出して来たのだ。BNTスタッフの方にうかがったところ「(I Can’t Get No)Satisfaction」が登場したステージもあったとのこと。そういえばマイク・スターンはメンバー4人のメッセージ映像の中でダリルの横でミック口調で“俺がホントのミック・ジャガー!”と自己紹介している(*^_^*)。



8月21日セカンド・ステージ後、BNTバック・ステージで4人に挨拶。そして、ダリルといろんな話しをした。8月23日のCOTTON CLUBでのステージ翌日、そのままロンドンに飛ぶ。9月からローリング・ストーンズのStones No Filter、ヨーロッパ・ツアーが始まる。ちょっぴりツアー前情報を教えてもらった。
*5月に招集がかかりニュー・アルバム・レコーディング。まだ作業は残っている。
*いろいろあったらしく欧州ツアーもなかなか決まらなかった。
*ロニー・ウッドはもちろんツアーに参加する!
*ロンドンではツアーリハが待っているが、どんな曲を演るか、全く知らされていない。
*ロンドンでウォーミング・アップ・ギグ? これも全く知らされてない。
*No Filter前、自身はパリで2~3回ライヴの予定。バナード・ファーラーも何かギグが入っていると言っていた。
*チャーリーは携帯も持っていない。でもそこが良いんだ。
*キースはiPad頑張ってる!(笑い)

そのほか僕のジャズ公演初体験/1966年ジョン・コルトレーンLive in Japanからアクセサリーの話題まで。そしてハンブルグでの再会を約束。

マイク・スターン/ビル・エヴァンス・バンド feat ダリル・ジョーンズ & サイモン・フィリップス、大拍手のステージであった。ぜひともこのライン・アップでのアルバム・レコーディングを望む。そして完成時には、ぜひともレコ発LIVE IN JAPANを実現して欲しい。


*ライヴ・ショット:Photo by Yuka Yamaji

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