【特別企画】フラチナリズム × RICOH THETA V × BARKS:最新360°映像体験

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最新360°カメラ「RICOH THETA V」(以下THETA V)とBARKSによる新たなコラボレーション企画が発足した。今回のコラボでは、9月に発売が予定されている新型「THETA V」を使って、BARKSがアーティストの演奏シーンを様々なシチュエーションで撮影していく。 全ての作品は360°映像として楽しむことに特化したものになる。

第一弾アーティストは、八王子を拠点に活動する4人組バンド・フラチナリズム。彼らの魅力を最大限に引き出せるシチュエーションとして、8月13日に東京・北野台中央公園で開催された<第38回 北野台夏祭り大会>をセレクトし、そのステージに密着した。



撮影当日の昼間は晴天だったが、だんだんと雲行きが怪しくなり、会場に到着した頃にはパラパラと雨が降り始める。傘無しで屋外にいるのは厳しいという状態まで天候が悪化してしまい、メンバー、スタッフ陣の表情は固くなり、その場にいた全員の頭に“延期”の文字がよぎっていた。

雨は時折弱まるものの、天気予報は「夜にかけて雨脚が強くなる」という。雨天の場合は体育館に会場を移してのライブが予定されており、主催者から選択を迫られるが、「移動後に雨があがったら」「外で決行して土砂降りになったら」など、答えが出せないまま時間だけが過ぎていった。



決断したのはモリナオフミ(Vo)だった。「外でやります」と自信たっぷりの表情でステージに向けて歩き出し、その勢いに押されてリハーサル開始。小雨の降る中、ライブがスタートした。

祭りのステージは、提灯と色とりどりの花で飾られたやぐら。メンバーはこの日の特別衣装としてお揃いの浴衣を着用し、「ひな壇芸人行進曲」「抱きしめてWonderland」「君がいるだけで」(カバー)などをパフォーマンスして会場を盛り上げていく。



とにかく心配だった雨は中盤で奇跡的にやみ、いよいよ「THETA V」での撮影に入る。楽曲は彼らのキラーチューン「KAN&PAI -THE GENESIS-」だ。手をビールジョッキに見立てて腕を左右に振る宴会ソングでその場にいた全員を巻き込み「KAN&PAI!」の大合唱でステージを締めくくった。

演奏後、メンバーと一緒に映像を確認。4K動画撮影に対応した「THETA V」は画質が格段に向上しており、やぐらの飾りや撮影に協力してくれたファンの浴衣、フラチナリズムグッズのTシャツ・タオル、会場の芝生の緑などヴィヴィッドな色合いが美しく、想像を遥かに超えた仕上がりにメンバーも360°グルグルと映像をまわしながら「すごい!」「やばい!」と大興奮だった。


メジャーデビューから2年、八王子を愛し、ファンへの感謝を一時も忘れずにコツコツと活動を続けるフラチナリズム。急遽決定した今回の撮影に対し、夏祭り主催者が協力を快諾してくれたことや、多くのファンが撮影のために集まってくれたのは、彼らだからこそだろう。バンドと町とファンとの絆がたっぷり詰まったコラボ映像をぜひご覧いただきたい。

ちなみに「THETA V」は4chマイクを内蔵し、動画にリンクした「空間音声録音機能」が搭載されている。画面に映し出されている映像に合わせた音が聴こえてくるので、ヘッドフォンやイヤホンを使用して再生してほしい。

取材・文◎高橋ひとみ(BARKS)
撮影協力:八王子・北野台夏祭り大会

■「フラチナリズム×RICOH THETA V撮影」を終えて

8月13日、<第38回 北野台夏祭り大会>が開催された八王子の北野台中央公園には、目頭を熱くする心地よい感動が会場を包み込んでいた。その心震わせる空間の中心にいたのはフラチナリズムだ。彼らは会場の思いをひとつにまとめ、やぐらステージに集った老若男女を全員巻き込んでしまった。

日が傾くたびにますます雨脚が怪しくなる夏祭り会場だったが、ステージに立ったフラチナリズムは、リハーサルの時点から会場の人たちとのコミュニケーションをはかり、祭りに集った人たちとの距離を少しずつ縮めていた。リハでありながら既にエンターテイメント。この現場最優先主義は、八王子飲食店街「八王子ロマン地下」で繰り返し鍛え上げられた“流し活動”から培われたものだ。お客さんの表情を読み取り、直接声を汲み取り、その場の空気の流れを上手にコントロールしながら、音楽を通して間合いを詰めていく。そんなフラチナリズムの持つ圧倒的なパフォーマンス力は、本番ステージに立つだけで周りの空気を一変させ、会場の人々を一気に惹きつけていく。そこから溢れ出すのは笑顔・笑顔・笑顔だ。

地元夏祭り主催者の温かい支援も、フラチナリズムのために集結したファンの結束力も、本番のときだけピタッと雨が止んだ奇跡も、全てはフラチナリズムの人間力が成し得た必然のようだった。

もともとはファンク/ジャズを核としたオシャレなロックをプレイしていたフラチナリズムだが、音楽で人を幸せにすることができることを学んだのは、流しの現場だったという。とは言え、おしゃれバンドだった彼らにとって、流しという現場は自分たちが描いた活動の姿ではなかった。酒を呑まされカラまれながら声を枯らして何でも歌わされる過酷な状況が続き、最初の半年は嫌で嫌で仕方なかったと振り返る。カネを払うから消えてくれと罵声を浴びたこともある。だが、神様は彼らに転機を与える。ボーカルのモリナオフミはその時のことをこう語っている。

「居酒屋って、そもそも誰も歌を求めていないんです。でもそこで“お願いだから歌わせてください”って歌い、そこで感動して泣いてくれた人がいたんですね。今まで不特定多数に向けて“俺達の音楽はこうだ”って発信していたけど、1対1で感動してもらう…しかも求められていない状況で歌だけで。そんな経験を通して、みんなで楽しめるものを作りたいという思いに変わっていった。音楽って誰かに届いて初めて音楽になる…というか、自分たちがスタジオで演っている時はただの音でしかなくて、ミュージシャンとして生きていく以上、誰かが喜ばないとだめなんだと思いました」──モリナオフミ

生の歌で感動してもらうには、歌そのものにもトーク力にも高いスキルが要求される。4年もの流し経験から、フラチナリズムの骨格は強靭となり、人々に感動を呼び起こす屈強な血と肉がバンドを形成する事となった。フラチナリズムのライブにブレがなく、いつでもどこでも笑顔で満たされるのは、つまりはそういうことなのだ。

文◎BARKS編集長 烏丸哲也





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