【ライブレポート】STARMARIE、2度目の中野サンプラザが見せたさらなる景色「一致団結できたことが本当に嬉しい」

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STARMARIEが、8月30日に自身2度目の中野サンプラザ単独公演<STARMARIE LIVE 2017『FANTASY THEATER』>を開催。4ヶ月間にわたり続いた”FANTASY THEATER”の集大成をマリスト(ファン)達と共に分かち合った。

◆STARMARIE 画像

木下望、高森紫乃、中根もにゃ、松崎博香、渡辺楓の5人からなるSTARMARIEは、現在ではその世界観にしっかりした厚みを持つダンスボーカルグループだ。扱うテーマは一貫して“ファンタジー”と“生死”。現体制の5人が揃った2014年ごろは「持ち歌で人が死にすぎるアイドル」とBARKSでも紹介していた。(ちなみに彼女たちの最新アルバム『FANTASY THEATER』では全20曲中9曲で人が死んでおり、残りのうち4曲で人が死にそうになっている)

STARMARIEはファンタジーというフィルターを間に挟むことで常に生死を直視し、表現していく。この日の中野サンプラザも冒頭のナレーションは“僕も大切な人を亡くしました。”というアルバム『FANTASY THEATER』のキャッチフレーズからスタートし、観衆にこれがSTARMARIE以外の何者でもない世界観だと知らしめた。

死に別れた大切な人との絆を歌い上げる「ホシノテレカ」からスタートしたライブは、さながら映画のイントロダクションのような幻想的なメンバー紹介VTRを挟んで進んでいく。序盤では「ナツニナレ!」「ぐらんぱぐらんぱ」「ステラとスバル 宇宙のラブストーリー」と一曲ごとに昼夜を重ねるような起伏のあるセットリストを組み、STARMARIEの5人による独特な振り付けでのダンスパフォーマンスとボーカルワークでマリスト達を惹きつけた。ステージにはどこかの街を空から俯瞰したようなアート仕立てのセットが登場。朝から昼を思わせる楽曲ではまばゆく、夜を思わせる楽曲では星空や暗闇を演出する。



「サーカスを殺したのは誰だ」で観客席一面の光を端から端までウェーブで揺らしたあと、ここでセット中央にアンプが搬入。スペシャルゲストとしてSHOW-YAのギタリスト・五十嵐☆sun-go☆美貴の名がバックに映し出され、ひとり登場した五十嵐☆sun-go☆美貴がギターをかき鳴らすと会場は熱狂と興奮に湧いた。もちろんこの後のナンバーは彼女がギター・アレンジで楽曲参加した「ママは天才ギタリスト」。STARMARIEの5人もヘドバンからハイテンションなクラップで会場を煽りマリスト達を翻弄していく。

そして、ゲストとの共演後にはステージセンターにピアノが運び込まれ、高森紫乃がピアノソロで「天国からのメロディ」を披露。自ら会場の観客へ向け語りかける。

「こうして私達がステージに立てること、そして支えてくれる友達や家族がいること、一緒に歌えるメンバーがいること、そして、私達のステージをこうして見に来てくれる方がいること、そして皆さんにいつも「ありがとう」、この言葉を直接伝えることができること。それは全て当たり前ではないことだなと思っています。

何気ない日常の中で、感じる大切なこと。何気ない日常を過ごすことができる今をもっと大切にして、大切な人をもっと大切にしよう。それがSTARMARIEからのメッセージです。」

そして、ライブは高森がピアノ演奏をつとめる「ヘブンズ・ウェディング」へ。ここでは全員がそれぞれ生歌唱で全身全霊での表現を見せた。生歌唱曲としてはハードルの高い楽曲だが、中野サンプラザの大舞台でそれに立ち向かう5人のパフォーマンスには前回の中野サンプラザ公演に無かった前進の跡がみられ、曲後には観客席からも大きな拍手がわいた。



さらに、屋上から翔ぶ“君”を振り付けで見せる「屋上から見える銀河 君も見た景色」でドラマティックな世界観を最高潮まで高めたSTARMARIEは、本編ラストにアルバムのラストトラック「名もなき星のマイホーム」を披露。会場に輝く銀テープが舞う中、本編は幕を下ろした。

アンコールでは、「タイムマシーン・ラブ」からメンバーが客席側通路に登場するサプライズでマリスト達も大喜び。本編ではストーリー性を重視してMCを行わない彼女たちが、アンコールになってようやく思い思いの表情を見せた。

前回の中野公演ではMCのたびに泣いていたと言いながら「前よりちょっとは成長したと思うんです。私は本当にここにいる皆さんがいないと明日を迎えられません。なので、皆さんずっとSTARMARIEのことを好きでいてくれると嬉しいです」とマイクを持ちながらやっぱりこらえきれずに泣いてしまう松崎博香。それに「愛しいですね」と感想をよせつつ、「今日この公演を見て、STARMARIEのこともっと好きになれましたか? ありがとうございます! 皆さんのこと大好きです」と声を上げた中根もにゃ。

高森紫乃は「そもそも、私達が中野サンプラザに立てることって最初の頃から考えると夢の夢みたいでした。本当にみなさんありがとうございます。でも、今の状態に満足しているわけじゃなく、今日このステージに立って、もっともっと大きなステージを目指したいと思ってしまいました。もっともっと頑張りたいと思っています」と熱い思いを宣言する。渡辺楓は「憧れの中野サンプラザ公演、2回目も叶えることができると思ってなくて、すごく嬉しかったです。大好きなメンバー、スタッフさん、そしてマリストの皆と楽しい1日を過ごせて、本当に幸せでした。」とコンパクトにしっかりまとめ、最後に木下望はMCのトリらしく、堂々とした笑顔で率直な思いを会場の人々へと告げた。

「正直なこと言っていいんですか? これまで悔しいなって思ったこともあるんですけど、中野に向けてたくさんの方が動いてくださって、STARMARIEがきっかけで皆が一致団結できたことが本当に嬉しくて、STARMARIEってこんなに思われるグループだったんだって思って、そのグループに存在できることが本当に幸せで、10年間頑張ってきて良かったなと思えた瞬間でした。
長年やってますけども、辞めません(会場笑)。3年前にこの5人になってSTARMARIEの力はもっともっと強くなりました。もう絶対辞めさせないぞ! これからも、武道館公演に向けてたくさんたくさん頑張っていくので、みなさん一致団結して頑張っていきましょう。」──木下望

木下が音頭をとり、会場の全員が「エイエイオー!」と声をあげる。2回目の中野サンプラザを祝ってゲストにはプロレスの永田選手が花束を持って登場し、さらに五十嵐☆sun-go☆美貴も彼女たちを勇気づけた。アンコールのラストは彼女たちに様々なチャンスをもたらした「姫は乱気流☆御一行様」。お祭り騒ぎの中、スクリーンには海外やZepp DiverCity公演などを含む<STARMARIE HAPPY AUTUMN TOUR>の告知に加え、来年2月4日に3度目の中野サンプラザ公演開催が決定したというニュースが映し出され、この日の単独公演は会場に大きな熱を残して終演となった。

この4ヶ月間STARMARIEがライブで届け続けてきた”FANTASY THEATER”は、この中野サンプラザでひとまず終幕。彼女たちは9月から新たな物語を携えてのツアーに乗り出す。海外公演と国内公演の比率はほぼ半々だ。ツアーファイナルは10月30日の東京 Zepp DiverCityとなっており、そこから3度目の中野サンプラザまでの猶予はほぼ3ヶ月。

STARMARIEにとって、ふたたび進化を試される秋冬がやってくる。しかしながら前回12月の中野サンプラザからもこうして成長を見せた彼女たちのことだ。次回の中野サンプラザではより素晴らしいステージが展開されるに違いない。ぜひとも、その成長はライブ現地で確認してほしい。



セットリスト<STARMARIE LIVE 2017『FANTASY THEATER』>

2017年8月30日 中野サンプラザ
1.ホシノテレカ
2.ナツニナレ!
3.ぐらんぱぐらんぱ
4.ステラとスバル 宇宙のラブストーリー
5.かけおちしようよ
6.スペル・オブ・ザ・ブック
7.三ツ星レストラン・ポールからの招待状
8.サーカスを殺したのは誰だ
9.ママは天才ギタリスト
10.お化け屋敷に就職しよう
11.天国からのメロディ(ピアノソロ)
12.ヘブンズ・ウェディング
13.私の居ない世界で君は明日を迎えられる?
14.さよならお弁当
15.屋上から見える銀河 君も見た景色
16.メクルメク勇気!
17.名もなき星のマイホーム
EN1.タイムマシーン・ラブ
EN2.FANTASTIC
EN3.姫は乱気流☆御一行様

ライブスケジュール

<STARMARIE 中野サンプラザ公演>
2018年2月4日(日)

<STARMARIE HAPPY AUTUMN TOUR>
2017年9月9日・10日 フィリピン
2017年9月24日 台湾
2017年10月14日・15日 マレーシア
2017年10月27日 福岡
2017年10月28日・29日 長崎
2017年10月30日 東京 Zepp DiverCity

◆STARMARIEオフィシャルサイト
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