【座談会】逹瑯(MUCC)、玲央+晁直(lynch.)、千秋+SORA(DEZERT)、D'ERLANGERを語る「“でけえ” “すげえ” “強え”」

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D’ERLANGER主宰イベント<ABSTINENCE'S DOOR>初日、彼らをよく知る3バンド5者による座談会を行なった。Tetsu発案によるこの座談会は“本人の居ないところで好き勝手に語ってくれ”というもの。そして、イベント初日の楽屋に集まってくれたのが、初日出演者からMUCCの逹瑯、DEZERTの千秋とSORA、2日目出演者からlynch.の玲央と晁直だ。もちろん、トリビュートアルバム『D’ERLANGER TRIBUTE ALBUM 〜Stairway to Heaven〜』、イベント<D’ERLANGER presents ABSTINENCE'S DOOR>の両方に参加するなど、D’ERLANGERメンバーからも愛されるアーティストたちである。

◆D’ERLANGER座談会 画像

それぞれが持つD’ERLANGERエピソードは、記事に出来ない話が多分に含まれていたものの(笑)、筆舌に尽くし難い音楽的な凄味はもとより、メンバーの豊かな人間性が浮き彫りになるなど、オフステージやプライベートに関わり深いメンツだからこそのレアトークばかり。さらには、自身の道をひた走る3バンドならではのシーン論や互いの印象論など、約1時間の座談会は深く濃く、爆笑必至のものとなった。なお、司会進行役を務めたのはTetsu直々の御指名により、逹瑯。<VISUAL JAPAN SUMMIT 2016>でもMCの大役を任された彼のトーク術にもご注目を。

   ◆   ◆   ◆

■晁直くんのドラムに
■Tetsuさんをすげえ感じた──逹瑯(MUCC)

逹瑯:いや、そもそも俺に「司会やってくれ」っていうのもツッコミどころ満載で。だって、一番最後にトリビュートアルバムへの参加が決まりましたからね。Tetsuさん本人に「やっぱりどうしても出してくれ」と直接電話して決定したようなもんだから。

玲央:自分から?

逹瑯:そう、後出しジャンケンみたいに。みんなはどの段階で参加が決まったんですか?

▲逹瑯(MUCC)

晁直:うちは最初に連絡をもらったのが今年の2月ですね。「トリビュートの企画があるから」ってさらっと言われて、「あ、マジすか」と(笑)。

逹瑯:たしか玲央さんだったかな? 「受けるのも断るのも勇気が要る」って話してたの(笑)。

玲央:受けたら受けたで、錚々たるメンツが並ぶんだろうなっていう。

逹瑯:ってことは、まだ参加アーティストが決定していない段階だ。

玲央:そう。オムニバス形式のアルバムって、いろんなアーティストの音源が1枚に入るわけだから、比較されるじゃないですか。そこで世間の評価とか見え方も変わってくると思うんで、それなりのものをしっかりと出さないといけない。そういう部分で受けるにも勇気が要るし、断ったらその後の人間関係が……っていう部分で(笑)。

逹瑯:わかります(笑)。ちなみにトリビュートへの参加ってlynch.としては初ですか?

晁直:そう、初ですね。

【〜突然、D’ERLANGERのTetsuが乱入「あ、楽屋間違えた!? あれ?ここじゃなかったっけ、俺の楽屋」と言って嵐のように立ち去る〜】

逹瑯:あぁ、今からD’ERLANGERのリハですね。その前に様子を観に来てくれたという(笑)。で、DEZERTも初トリビュート参加でしょ?

SORA:いや、昔hideさんのトリビュートアルバム(※2013年リリース『hide TRIBUTE III-Visual SPIRITS-』)に。

逹瑯:嘘、マジで?

千秋:はい。ヴィジュアル系の若手が参加してもいいみたいなhideさんのトリビュートの時にちょっと。でも、そのあとで「一生トリビュートはしねえ」って言ってたもんね。

SORA:うん。

玲央:なんで?

千秋:なんか微妙だったんですよ。根本的に人様の、それもhideさんもD’ERLANGERも大好きなアーティストさんなので、そういう人の曲をやるっていうのはやっぱりプレッシャーがありますし。

玲央:ああ、さっき僕が言ったのと、たぶん同じ気持ちなんですよ。

逹瑯:でも、大好きだからこそやりたくなるじゃない?

千秋:その気持ちもあるし……でも生半可じゃできない。

▲Tetsu(D'ERLANGER)乱入時のPHOTO

逹瑯:大好きなアーティストのトリビュートに自分が参加しないってなったときに、なんかモヤモヤが残るじゃん。そのトリビュートアルバムに収録されてる他のアーティストのカバーを聴いたりしたらさ。で、今回のトリビュートアルバムは通して聴いたら全部よかったんだよね。晁直くんのドラムにすげえTetsuさんを感じた。「XXX for YOU」のスネアの独特なグルーヴに“Tetsuさん味”が。

玲央:そうそう! ドラム録りの後で、「これにギターをかぶせて」ってデータが送られてきたんですよ。それを聴いて、「え!? ほとんどTetsuさんのドラムじゃん! 寄せてるでしょ?」って思った。すげえ器用だなって。

晁直:もう真似するところはとことん真似しました。

逹瑯:あの曲を聴いてうちらが感じたのは、“TetsuさんとかD’ERLANGERのメンバーが聴いて嬉しかっただろうな”ってことで。結構、時間かけたんですか?

玲央:いや、強行スケジュールだったよね。2ヵ月間のツアー(<lynch. TOUR'17「THE SINNER STRIKES BACK」> ※6月9日のCLUB CITTA'を皮切りに8月11日の日比谷野外大音楽堂まで全27公演)がスタートするときくらいに正式オファーをいただいたんだけど、そのツアー終わる前までに音源データを納品しなきゃいけなかったんで。ツアー中のオフ3日間をフルに使いつつ、スタジオ入ってレコーディングもして、みたいな(笑)。

逹瑯:MUCCが今回のトリビュートに参加できたのはlynch.のおかげなんだよね。7月中旬ぐらいに「やっぱり出たい! まだ間に合いますか?」って、Tetsuさんに直接電話したら、「ちょっともんでみる」と。で、lynch.のレコーディングスケジュールが結構ギリギリで、葉月の歌録りが8月中旬じゃないとダメだったらしく。「逆に言うと、そこまでに音源があれば」ってOKをもらったから。MUCCもlynch.と同じ時期に同じようなツアーを廻ってたんだけど、調整して。lynch.のおかげで間に合いました。ありがたかった(笑)。

玲央:僕ら、ツアーの2ヵ月間は家に帰れなかったもんね。ツアー中盤の関東公演の先頭にドラム録りをくっつけたんだけど、1週間あるはずのインターバルが晁直だけ全部吹っ飛んで。

逹瑯:それでそんな不機嫌な顔になっちゃったんだ(笑)。

晁直:この顔はいつも。

玲央:あははは。「俺だけ帰れねえ!」って怒ってた(笑)。

逹瑯:その結果、ドラムに勢い詰まってよかったんじゃないですか?

晁直:まあ(笑)。

玲央:ギターはツアー中に録るしかなかったので、青森のホテルで一生懸命弾きました(笑)。

逹瑯:すごいなぁ。DEZERTの参加曲「MOON AND THE MEMORIES」はどうやって決めたの?

千秋:「D’ERLANGERさんのトリビュートの話があるけど、何やる?」ってSORAくんから言われて、「じゃああの曲で」って1秒ぐらいで。

逹瑯:1秒? 即決?

千秋:そうですね。<D’ER≠gari feat.DEZERT>のときに歌った曲なんですよ。

逹瑯:アレンジって誰がするの?

千秋:全員でやったんですけど、初めてあんなアレンジに。レコーディングではドラムも直さなかったし、ギターもいつもだったら俺がチャチャ入れたりするんですけど、出てきたもののままで。

逹瑯:なんで今回は煮詰めなかったの?

千秋:人の曲だから。

逹瑯:どうでもよかったのか(笑)?

千秋:違いますよ(笑)! 変に時間かけてもいいものにならねぇなと思って。錚々たるメンツっていうのは僕も予想してたので、アレンジに凝ったりするんじゃなくて普通にやろうっていう。あざーっす!って感じだけで、もう比べられるとか何も考えなかったです(笑)。

逹瑯:うちらも比べられるっていうことはあんまり考えてなかったっちゅうか。そう考える人も多いと思うんですけど、“最後にねじ込んでもらって申し訳ない”っていう気持ちだったから。もう、ほんとにメンバーさんに喜んでもらおうっていうことだけだった。

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