THE BOHEMIANS、the pillowsを迎え凱旋ライブ開催+12月に新AL『DELICIOUS』発売

ツイート


THE BOHEMIANSが、2017年9月23日(土・祝)に山形 ミュージック昭和セッションにて凱旋ライブを行った。オフィシャルから届いたライブレポートをお届けししたい。

◆ライブ画像

  ◆  ◆  ◆

まさに衝撃の夜だった。
2017年9月23日(土・祝)。山形 ミュージック昭和セッションで開催された<THE BOHEMIANS EVENT SPECIAL in yamagata city>。2005年に結成、2007年に現在の編成となったバンド THE BOHEMIANSが、今年現メンバーでの活動10周年にあたりメンバー5人の出身地・山形で初となるイベントを主催することになり、その対バンにthe pillowsを迎えることになったのだ。the pillowsといえば、THE BOHEMIANSのフロントマン、平田ぱんだ(vo)が少年だった頃に毎日聴いていたほどの大ファンであり、2011年にメジャー・デビューを果たすも所属事務所を失ったときに、the pillowsの山中さわおが主宰するレーベル「DELICIOUS LABEL」に来ないかと誘われて以来、籍を置いているという縁のあるバンドだ。地元に錦を飾り、憧れの存在とガチンコ勝負するという、こんなロックな一夜が衝撃的でない訳がないのだ。

ライブ前々日から両バンドのツイッターで、連れ添って2台の車で東京から山形に向かう道中の様子が次々と公開され、前日には温泉宿で浴衣姿の大宴会や共に温泉につかる“裸の付き合い”画像までアップされ、その衝撃度に、瞬く間に「いいね!」が連打される盛り上がりをみせた。

ガチンコ勝負の先攻はthe pillows。結成28周年でこれまで欠かさず全国ツアーを敢行してきた彼らだが、山形でライブを行うのは実に25年ぶりだという。山中さわお(vo、g)、真鍋吉明(g)、佐藤シンイチロウ(ds)にサポートの有江嘉典(b)を加えた4人が登場すると、どよめきが沸き起こった。なんとオープニングは「LITTLE BUSTERS」。“BUSTERS”と称されるthe pillowsファンとの絆を象徴する曲であり普段はライブのクライマックスで演奏されることが多いナンバーをのっけから繰り出した理由は、そのあとの山中のMCで納得させられた。「今日はね、1曲目から最後まで全部、平田ぱんだの選曲です。普段、オジさんたち頭からこんなに飛ばさないからね(笑)」という告白に場内から歓声が揚がる。「リクエストじゃなかったら、たぶん演らなかったであろうピュアなラブソングを」と前置きして「Ladybird girl」。さらに中盤には「Funny Bunny」のサビで大合唱となり、「ぱんだのリクエスト曲で、もしかしたらこれが本命曲だったのかなと思う曲を演るよ」と紹介された「白い夏と緑の自転車 赤い髪と黒いギター」ではセンチメンタルな雰囲気が醸し出され、たまらなく良かった。「THE BOHEMIANS現メンバー10周年おめでとう、イエ〜イっ!」と叫んだ山中の合図でステージにビールが用意され、乾杯。前日の大宴会のエピソードを面白おかしく再現したMCの最後に「来年もまた来たい」と、今回の企画に大満足の様子。終盤では屈指の名曲「ハイブリッド レインボウ」で場内の感情がひとつになり、最後にthe pillowsトリビュート・アルバムでTHE BOHEMIANSがカバーした「No Substance」を本家が披露するとファンの拳が何度も力強く突き上げられた。





後攻のTHE BOHEMIANSの登場に、地元の会場を即日ソールドアウトにしたファンの待望感が満ち溢れ、その想いが悲鳴と共にステージ前方に押し寄せた。「おぉ!スザンナ」で幕を開け、2曲目に繋ぐドラムのビートに合わせて平田ぱんだは「今日オレ機嫌いいから! この日をどんだけ楽しみにしてきたか。あとはあんたに任せたぜ」と煽って「ダーティーでリバティーなベイビー、お願いだから」になだれ込む。身体をしなやかにくねらせ妖艶に歌うぱんだはまさに希代のロックスターだ。結成のきっかけの引き金を引いたビートりょう(g)も腕をぐるぐると振り回して印象的なフレーズを刻み、ときにぱんだと寄り添い1本のマイクでコーラスを重ねるシルエットはまさにロックンロール・バンドの醍醐味を体感させてくれる。本間ドミノ(key)がトリッキーなピアノで華やかさを演出し、躍動感に満ちたリズムをお洒落に刻む千葉オライリー(と無法の世界)(ds)も秀逸。本間と千葉のコーラスも楽曲に厚みと温もりを加えるのにひと役買っている。「やりたいことがあって…」と切り出した星川ドントレットミーダウン(b)が「“おかえり”って言うから“ただいま”って言って」とファンにおねだりして、「おかえり〜っ!」と絶叫するも、実はメンバーは“ただいま”という言うべきだったことに気づいて場内大爆笑。ユニークなキャラクターがここでも発揮された。「自分がこんなに機嫌のいい人間になるとは思ってもみなかったぜ」と語り出したぱんだは「山形では独り、部屋でヘッドフォンでthe pillowsを聴いてウーンってなってた」と、故郷でthe pillowsと共演できたことに感慨深い様子。「今日のオレたちのセットリスト説明しとこうか。今日はTHE BOHEMIANSのベスト・アルバムを作ってるように歴史をお聴かせできたらなと思って。前半演った曲はCDを出してデビューしてロックンロール・アイドルと名付けられた頃。やがて会社が潰れ路頭に迷っているところを、憧れのthe pillowsさわおさんが『おまえら最高だ、ウチに来なさい』とDELICIOUS LABELに入った訳です。じゃあ後半はさわおさんに誘ってもらってからの歴史をお聴かせするぜ」と「NEW LOVE」を披露。感情の赴くままに身を任せてぐいぐいと魅き込んでいくぱんだは何度もフロアに向けてダイブを繰り返し、ロックンロールの衝動を具現化していく。

















アンコールでは、2017年4月にメンバー5人が1曲ずつ持ち寄って制作された初のミニ・アルバム『FIVE SOUL ROLL EP+1』のボーナストラックとして、プロデューサーの山中さわおの作詞作曲で集録された「I’ll be Japanese Iggy pop」が演奏された。するとステージには突如山中さわおも現れ、ぱんだと共にダイブを繰り返すという衝撃のシーンが実現。続いてロマンチックなピアノから始まる名曲「ロックンロール」で場内のボルテージは最高潮に。なんとギターを携えたままビートりょうもダイブを敢行。ぱんだが「帰りたくないぜ」と言い残して、ステージを去る5人。いったん場内も明るくなるが、名残惜しくて鳴りやまない拍手に促されて、予定になかったWアンコールは「もしも~if~」。ぱんだが「山形時代の懐かしナンバー演って終わろうと思ったのに、千葉オライリーがもう1曲演りてえって言うから有名なロックンロール・ナンバー、“これ知らないと恥ずかしい”ってヤツ演るぜ」と煽ると、ジェリー・リー・ルイスのカバー「火の玉ロック」で、その幕を閉じた。こんな情熱的なパフォーマンスが山形で繰り広げられた奇跡。出逢えた幸運に感謝し、夢の続きがこれからもみれますように!と思わずにはいられなかった3時間だった。



その“夢の続き”が早くも実現する。THE BOHEMIANSは12月6日(水)に8枚目のオリジナル・アルバム『DELICIOUS』が発売されることが決定した。これまで積み上げてきた魅力に加え、新たな機軸を打ち出した楽曲も収録されているらしいから期待は募る。そして12月には東名阪で2マン・ツアー<Looking for friends tour 2017>の開催も決定。12月1日(金)@心斎橋 KING COBRA、12月2日(土)@名古屋 ell.SIZE、12月22日(金)@渋谷 WWWで、ゲスト・バンドは後日発表されるので要チェックだ。

なんともロックな醍醐味を届けてくれそうな彼らから、これからも目が離せない。

取材・文:浅野保志(ぴあ)

  ◆  ◆  ◆

セットリスト

<THE BOHEMIANS EVENT SPECIAL in yamagata city>
2017年9月23日(土・祝)@山形 ミュージック昭和セッション

■the pillows
01. LITTLE BUSTERS
02. RUNNERS HIGH
03. WAITING AT THE BUSSTOP
04. Ladybird girl
05. I know you
06. Funny Bunny
07. 白い夏と緑の自転車 赤い髪と黒いギター
08. サードアイ
09. About A Rock’n’Roll Band
10. その未来は今
11. ハイブリッド レインボウ
12. No Substance

■THE BOHEMIANS
01. おぉ!スザンナ
02. ダーティーでリバティーなベイビー、お願いだから
03. THE ROBELETS
04. 太陽ロールバンド
05. 恋はスウィンギン・イン・ザ・レイン
06. THE BIKE
07. NEW LOVE
08. THE ALWAYS
09. male bee, on a sunny day. well well well well!
10. so happy go lucky !
11. That Is Rock And Roll
12. GIRLS(ボーイズ)
13. TOTAL LOVE
〜EN 1〜
01. I ride genius band story
02. I’ ll be Japanese Iggy pop(with 山中さわお)
03. ロックンロール
〜EN 2〜
01. もしも 〜if〜(with 山中さわお)
02. 火の玉ロック

8th ALBUM『DELICIOUS』

2017年12月6日(水)発売
DELICIOUS LABEL
¥2,500-(tax in)
※詳細は後日発表

THE BOHEMIANS 東名阪2マンツアー<Looking for friends tour 2017>

12月01日(金)心斎橋 KING COBRA open 18:30 / start 19:00
12月02日(土)名古屋 ell.SIZE  open 17:30 / start 18:00
12月22日(金)渋谷 WWW open 18:30 / start 19:00
※ゲストバンド(各日1組)は後日発表
<チケット> 一般発売中 前売り¥3,240-(ドリンク代別)

この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス