【インタビュー】千歌繚乱出演バンド・まみれた、生音と生活音で表現する「日常」

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BARKS主催ライブイベント<千歌繚乱vol.14>に出演するヴィジュアル系バンド、まみれたは“嘘、嫉妬、欲望、疑心暗鬼など、人間の本性が現れる負の感情にまみれた汚い混沌”をコンセプトに掲げるバンド。臆することなく汚い言葉を駆使して表現する楽曲と、激しいライブパフォーマンスが特徴だ。今回はインタビューで彼らがどんなバンドなのかを紐解いていく。

◆ミュージックビデオ・アーティスト写真

※本記事は10月16日(月)に渋谷REXで開催される<千歌繚乱vol.14>において、来場者限定で配布される「千歌繚乱 ARTIST BOOK」掲載のインタビューの一部を事前に公開するもの。「千歌繚乱 ARTIST BOOK」ではメンバーへの一問一答アンケートなど、より深い内容が掲載されている。

   ◆   ◆   ◆

■人間って心の闇とか汚い感情のほうに素直になる

――まずは楽器を始めたきっかけから教えてください。

未来(Dr):ドラムを始めたきっかけは、中学生のころ吹奏楽部に好きな子がいたんで俺も入部して打楽器を始めたことでした。今もバンド活動の傍ら、高校に吹奏楽を教えに行ったりしてるんで、今の自分がいるのはあのときのあの子のおかげですね。

Ryusei(G):僕は野球部だったんですが練習が大変で暇な部活に移籍したところ、逆にすっごい暇になっちゃって。たまたま家にチューニングも出来ないようなぼろぼろのギターがあったのが、ギターを始めるきっかけでした。一緒にギターを始めた友達がちゃんとしたギターを買ったんでそれを弾かせてもらったら「めっちゃいい音なるじゃん!」ってなって真剣にギターに取り組むようになりました。ちなみにその友達は佐野君と言います。

かる。(B):俺は楽器を弾いてる人ってかっこいいなって単純な理由です。

伐(Vo):俺はもともとブレイクダンスをやったんですが、一回ケガで三半規管を駄目にしちゃって一時期ダンスができなくなっちゃったんです。で、何もすることねーなってアニメを見てたらちょうど『NANA』をやっていて。それに影響受けて「バンドやろ!」って思ったのがきっかけです。ダンスもチームバトルとかあったし、何かグループでやるってことが好きなんですよね。

かる。:わかるよ、俺、サッカー部だったから。

伐:いやまあ俺は剣道部だったからめっちゃ個人戦だけど。でも実際バンドやろうと思ってもギターやベースは弦がいっぱいあってこんなん覚えらんねえよって思って、バイトの初めての給料でドラム買ったんすよ。でもバンドでドラムを叩いてるうちに「ボーカルが一番目立つよ」って言われたんでボーカルやることになりました。

未来:ちなみに最初に組んだバンドの名前は?

伐:Child of dawn!

未来:夜明けの子ども…だせえ! まぁ、初めてのバンドは横文字になりがち説あるよね。


▲伐(Vo)

――そういう時代を超えて今は「まみれた」って平仮名のバンドに。「まみれた」にはどんな意味が込められているんですか?

伐:俺、中途半端なことが嫌いなんですよ。やるなら振り切ろうぜってことで、何かに「まみれようぜ」と思い「まみれた」になりました。

――楽曲のテーマも教えてください。

未来:ひとことでいうと、「日常」です。

伐:今のバンドって同期でいろんな音入れてるじゃないですか。僕生活音好きなんで、同期で生活音流そうかなって。アニメとかでも、描かれている日常が自分の知ってる日常と違って見えると人って不快になるんですよね。俺らも日常でよく聴く音を楽曲に入れて、不快感というか、「なんだこれ」ってなるのを表現してます。歌詞には「極論言えばこうでしょ」って振り切ったことを書くようにしています。きれいごとが嫌いだし、人間って心の闇とか汚い感情のほうに素直になる。だから自分が思ってる正直な思いを歌っています。

Ryusei:バンドで表現したいのが「日常」ですからね、同期を使わず生音だけで勝負してるのはこだわりです。同じフレーズを弾いていても毎回変化をつけられるし。

伐:同期を使ってるとリズムがずれるとめちゃくちゃになっちゃう。自由にライブをするためには同期はいらないんです。

未来:同期がないからライブ中にテンポ上げろって言われたりもします。同期がないからこそできることなんですけど。

Ryusei:基本的に毎回何も決めずにライブするから、曲間の煽りも「あ、今日はこんなに長くやるんだ」ってその場でわかったり(笑)。

――じゃあ毎回まったく違うライブができるんですね。

伐:それは結構心がけてるポイントですね。

未来:反省するくらいならいいライブしろよって思うから、ライブ後の反省会もないしね。

――考え方的にはあんまりヴィジュアル系っぽくないというか…。

伐:まぁそうなんですけど、俺の感性はヴィジュアル系寄りだから。好きなバンドはヴィジュアル系だったし、最近のヴィジュアル系はあんまり振り切ってねえなって思ってたから、見せてやるよって思いでヴィジュアル系バンドとして活動しています。


▲Ryusei(G)

――確かに言葉選びのセンスや、ミュージックビデオの雰囲気はヴィジュアル系ですよね。現在ミュージックビデオが公開されている「お邪魔します」という楽曲についても教えてください。

伐:これはストーカーの歌なんです。ストーカーって、一番の愛の表現の形だと思うんで。

未来:この曲にもノックの音という生活音が入っています。

伐:未来がうちで寝てるときに郵便配達の人が来て「コンコンコン」ってドアをノックしてきて…そのとき「うわ、この音いいじゃん!」って思って郵便配達の人をほったらかしてすぐ作った曲です。

未来:ノックの音から広がっていた曲です(笑)。ちなみにレコーディングでは色んなところを叩いてみて、最終的に「この音がいいな」っていうトイレのドアを見つけてノックした音を使ってます。録音してたら店員さんに怒られたけど。

かる。:ちなみに衣装にも「コンコン」って擬音を書いてて、ネクタイには「お邪魔します」って書いてます。インターホンも飾りとして付けています。

――おもしろいですね! ミュージックビデオもインパクト大でした。

未来:背景をごちゃごちゃさせたり汚くするのが好きなんですよね。汚いのが落ち着くんだと思う。

かる。:みんな部屋汚いからなー。

Ryusei:特に未来んち! みんなで未来の家に行ったことがあるんですが、部屋に入って5分くらいしたら息できなくなってくしゃみが止まらなくなりましたもん。

未来:ほこりにまみれてるんです。

伐:ちなみにこの楽曲は現在開催中の「貪る五大欲求」企画で、配布しています。


▲かる。(B)

――「貪る五大欲求」とは?

Ryusei:「まみれた」という言葉を調べると、一番良く出てくるのが「欲にまみれた」っていうワードで、僕ららしいなと思って「欲」にフィーチャーした企画を立てました。「お邪魔します」は財欲をテーマに、僕らが初めて行くライブハウスと、僕らの主催ライブとワンマンライブで無料で配布しています。

伐:ライブハウスにいるお客さん全員に配っているんで、対バンするバンドさんにも“お邪魔します”、ライブハウスにも“お邪魔します”、お客さんにも“お邪魔します”の意味を込めてます。

――他の“欲求”は何なんですか?

未来:食欲をテーマに10月6日に<かる。BirthDay『かる。を食べたい』>、睡眠欲をテーマに11月9日に<毎日何もしたくないけど本気出す日>、性欲をテーマに12月14日に<未来BirthDay『下半身から生まれた下半身』>という、三カ月連続の主催ライブを予定しています。そして名誉欲をテーマに来年1月21日に<1st ONEMAN LIVE 『童貞卒業、恥骨の真ん中お邪魔します』>を開催します。

――ライブタイトルがすごいですね。

かる。:未来はすぐ脱ぐから、未来バースデーの日は「性欲」ってテーマにぴったり。

伐:かる。は何か美味しそうだから「食欲」にした。

かる。:当日何されるのか怖い。普通のライブでもよく噛まれたりするんで…。

Ryusei:一回でんぐり返ししながらずっと伐が俺につきまとってきたこともあったし…。

――本当に何が起こるかわからないステージなんですね。ワンマンライブの日は特に大変そう。

伐:周りがいないから好きできるわーって感じっすね。何しちゃおっかなー。

Ryusei:普段から25分ステージでも6曲やってるから、ワンマンってなると何曲出来るんだろ。

かる。:お客さんもこの日は好きにやっちゃってください。


▲未来(Dr)

――ちなみにおすすめの楽曲は何ですか?

かる。:「だるまさん」。激しい曲だけど、まみれたの曲の中ではメロディもしっかりしてる。「あー何もしたくない」っていう気持ちを歌った曲だから、お客さんも共感できるんじゃないかな。

Ryusei:「下半身中毒者」も寂しさがテーマになっているから共感しやすいかも。歌詞がすごい好き。

未来:やっぱり「お邪魔します」は聴いて欲しいですね。聴き所はノックの音。

伐:「死因 :暮らし」には、俺が世の中について思っていることが詰まってます。現代って自殺がすごく多いけど、その死因って究極を言えば暮らしなんだろうなって。曲としてはBメロに死ぬ方法を選ぶシーンを入れていて、それぞれの死に方を言ったあとに毎回2小節だけ異なるフレーズが流れるのがすごく楽しいです。

――暮らしが人を殺す、という見方なんですね。

未来:まぁ、俺は死ぬまでバンドやりたいし、ライブ中に死にたいけどね。

伐:あー俺は誰に聞いても「こいつが一番やべえ」っていうボーカリストにならないと死ねないわ。それが目標でもあるかな。

――Ryuseiさんとかる。さんの今後の目標は?

Ryusei:俺はドームツアーがしたい。

かる。:ドームツアーもだけど、このメンバーでまみれたを長く続けていけば確実に何か残ると思ってる。このメンバーで全部やりきって、力を出し切れたらバンド人生に後悔はないかも。

伐:つまり俺とずっと一緒にいたいってこと?

かる。なんかそれ気持ち悪いから黙って(笑)。

取材・文◎Yoko Hattori(BARKS)


<千歌繚乱vol.14>

日時:2017年10月16日(月) 開場17:00/開演17:30
開場:渋谷REX
出演:Sick./ZERO MIND INFINITY/ハクビシン/まみれた/未完成アリス/ラッコ
料金:【先行チケット】3,500円 【一般チケット】3,800円 【当日券】4,000円

チケット受付スケジュール
9月12日(火)12:00~10月15日(日)
チケット購入ページURL:
[イープラス]
http://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002235976P0030001

2ndシングル「お邪魔します」

下記9公演にて9種限定Release

配布日程
10月6日(金)池袋Blackhole 3ヶ月連続主催 第1弾 食欲
10月22日(日)池袋手刀
10月25日(水)池袋CYBER
11月09日(木)池袋EDGE 3ヵ月連続主催 第2弾 睡眠欲
12月14日(木)高田馬場AREA 3ヶ月連続主催 第3弾 性欲
12月20日(水)池袋Ruido K3
1月4日(木)神楽坂TRASH UP!!
1月11日(木)東高円寺二万電圧
1月21日(日)池袋EDGEまみれた 1st ONEMAN LIVE『童貞卒業、恥骨の真ん中お邪魔します』

三ヶ月連続主催企画

<三ヶ月連続主催企画 かる。BirthDay『かる。を食べたい』>
【食欲】10月6日(金)池袋BlackHole

<三ヶ月連続主催企画『毎日何もしたくないけど本気出す日』>
【睡眠欲】11月09日(火)池袋EDGE

<三ヶ月連続主催企画 未来BirthDay『下半身から生まれた下半身』>
【性欲】12月14日(火)高田馬場AREA

<1st ONEMAN LIVE『童貞卒業、恥骨の真ん中お邪魔します』>

1月21日開催
【会場】池袋EDGE
【時間】開場16:00 開演16:30
【料金】前売3,500円(D別)当日4,000(D別)
【出演】まみれた
【チケット】
A:12月14日高田馬場AREA公演終了後、A001~A50をシャッフル販売
B: e+(12月15日発売)
C: バンド予約
【入場順】A→B→C→当日券

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