名実ともにフィメールDJ NO.1を誇るDJ KAORIが、日本で最も売れているノンストップ・ミックス「INMIX」シリーズ最新作『DJ KAORI'S INMIX 7』をリリースする。

収録アーティストのSNSフォロワー数が8.7億人/収録28曲の全トータルストリーミング回数が152億回…と、桁違いの話題曲のみで構成された『DJ KAORI'S INMIX 7』だが、これほどの人気楽曲が集う作品こそDJ KAORIの真骨頂といえるもの。楽曲セレクトや曲をつなぐ技術はキャリアに裏打ちされたスキルによるものだが、そもそも洋楽シーンを“今”というキーワードで切り取ったこういったアルバムは、何故DJ KAORIにしか作れないのか?

「センスさえあればMIXアルバムは作れる」のではないのか? 誰でもDJになれるのか? そもそもDJってどういう職業なんだ? DJになるには何が必要? どんな才能が必要? 音楽愛は? ミュージシャンシップは? 曲は作る?作らない? そして、DJで億万長者になれるって本当なのか?

今さら聞けない「DJって何?」…そんな質問で重鎮DJ KAORIを直撃してみた。

──今日もニューヨークから帰日を?

DJ KAORI:いや、ニューヨークに住んでるっていう誤解がよくあるんですけど、今は日本です。「フロム・ニューヨーク」って言い始めてから結構長いこと経ってるんで、もうずっと日本(笑)。活動もほとんど日本ですよ。

──もともとKAORIさんがDJを始めた頃って、どういう状況だったんですか?

DJ KAORI:ちょうど、そういうDJみたいなのが広まり始める時代だったと思います。周りにターンテーブルを持っている人が増えていた時代だったかな。

──そもそもDJって、何をやるんですか?

DJ KAORI:(笑)、もともとDJ=ディスクジョッキーって言うと、日本でもアメリカでもラジオでしゃべって曲を紹介するっていう感じだと思うんですけど、だんだんとDJがしゃべらないで曲だけかけるように変わっていったんですね。「音楽をかける」というパートに対して、より専門的になったというか。

──そこで大事になるのは、いわゆるセンスですか?

DJ KAORI:そうかもしれないですね。

──何をどうやっていけばDJになれるんでしょう。

DJ KAORI:今、DJって職業みたいになっちゃってるけど、DJってもともと“音楽好きな人の代表”みたいなものだと思うの。だから音楽が好きっていうのが大前提にないと、ただDJになりたいって言っても何のこっちゃってことになる。だから、DJになりたいっていうよりも「あなた音楽が好きですか?」「自分がかけたい曲がありますか?」「みんなとシェアしたいですか?」ってことだと思います。

──メモメモ。

DJ KAORI:なんだろ…DJに急になるものでもないっていうかね(笑)。ま、今はインスタとかで簡単にDJやってますと言える時代だけど。

──機材さえ揃えれば?

DJ KAORI:そう、機材ではね(笑)。けど、プロフェッショナルに名前をあげていくのは難しい時代になっているとも思います。裾野が広がっているのはいいことでもあるけど、どうやってDJになるかっていう話でいえば、まずはDJがいる場所に行かないことには始まらないと思う。バンドを演っている人ならまずライブハウスに行くでしょ?バンドマンだって、いきなりステージに立てるわけじゃない。ステージに立ちたいと思って曲を作ったり演奏するというのは、バンドもDJも基本同じですよ。本当にDJになりたいんだったら、クラブに通っていろんな人に会うとか、自分を見せるチャンスがあれば出していくことしかないんじゃないかな。クラブに行っている間に知り合いもできるだろうし。

──やっぱ簡単な道はないか。

DJ KAORI:ないですね、多分どの業界も(笑)。「近道しても長続きしない」っていうのが世の中じゃないですか(笑)?

──近道を探している時点で、その姿勢がダメか。

DJ KAORI:うん(笑)。だからやってることを楽しいって思えたら続けられるし、なんでもそうですよね。

──音楽好きであることは今も昔も変わらないと。

DJ KAORI:聴いたときに「やっぱりこの曲いいなあ」っていう興奮があるから続けられているんだと思います。


──DJって、オーディエンス寄りなんですか?それともアーティスト寄りなんでしょうか。

DJ KAORI:わかんないけど、私はリスナーの代表かなって気持ち。アメリカでもそうですけど、ジャンルごとに人気のDJがいて、自分が好きなスタイルとか楽曲で曲をかける。「人気が出る」ってことは「評価が高い」ってことで、ダサいことをやると音楽ファンから淘汰されちゃう。だからやっぱり音楽ファンの代表だと思いますよ。ミュージシャンかミュージシャンじゃないのかって言われたらよくわかんないけど。

──でも音楽を紡ぐには、ミュージシャンシップが必要ではないですか?

DJ KAORI:厳密に言うと、キーの違うものをミックスすると音が当たって不協和音になったりすることは当たり前にあることで。でもこれが気持ちいいのか気持ち悪いのかは分かってくるし、それがミュージシャンシップかどうかはまた別だと思う。でもミュージシャンよりもDJの方が、曲はたくさん知ってると思いますよ。絶対に。

──そうかもしれないですね。

DJ KAORI:流行りのものにも敏感だし、時代を捉えるのはミュージシャンよりDJの方が優れていると思います。ミュージシャンの友達もたくさんいますけど、自分で作っているからそこ中心だし、楽器とか弾いているとそれ専門で、意外と曲は知らなかったり。

──それでいいんでしょうね。ミュージシャンは音楽作りの職人ですから。

DJ KAORI:そう、それでいいんです。そういう部分が必要な職業だし、どっちが優れているという話でもない。DJってね、「音も作ってないし何やってんだ?」みたいなさ、最初の頃は「自分の曲でもないんでしょ」って、低く見られてた部分がすごいあったと思うのね。でも今はないよね。イベントとかパーティでDJと楽しんでいる人いっぱい増えたし、そういうのをみんな実感してると思う。

──たくさんの音楽を聴いていると、ヒット曲が作れそうな気がしてきませんか?

DJ KAORI:ありますよ(笑)。これ売れねえな…とか分かるし、で、自分で作ってみるんですよ。でもね、やっぱり言うは易く行うは難しですよ。そんな簡単じゃないのよね、曲作りって(笑)。「これはだせえな」とか他人が文句言うのは簡単ですよ(笑)。

──ははは(笑)

DJ KAORI:やれそうで、できない(笑)。だから逆に、DJはプロダクションができる人と組んだ方が仕事ができると思いますよ。

──『DJ KAORI'S INMIX 7』のような、ヒット曲満載のMIX CDを作るにはどうしたら良いですか?


DJ KAORI:っていうかね、みんなDJになったらヒット曲をすぐにかけれると思っているかもしれないけど、そうじゃないですよ。自分のかけたいものをかけれるわけじゃなくてね、まず立場があるわけですよ。みんなそこから始めてますから。私だって、いろんな人のオープンやって、いろんなところでやってきてるんで、最初っからいい思いできると思ったら、それは思い違いかな。だからこそ「楽しみながらやれば続く」って言いたい。「音楽に触れて楽しい」って思えれば、もっと幅も広がると思うし。すぐ結果を出そうとして、お金にならなかったら辞めるとか言っていると、“すぐに儲かる、年収1億円”とかに騙されちゃうよ。そんな話があるはずないじゃん、気をつけろ、若者!って思うよね。

──ですね。

DJ KAORI:私だって、借りられない曲っていっぱいありますよ。そんな状況の中で、みんなが聴いて楽しいっていうCDになるまではリリースしたくなかったから、前作から1年位かかってますけど、今回はほんとに良い曲がいっぱい入って、音楽好きじゃない人にも洋楽の楽しさがいっぱい分かるCDになっていると思う。聴いて欲しいなぁ。

──『DJ KAORI'S INMIX 7』の28曲のセレクトの裏には、どんな活動があったのですか?

DJ KAORI:とにかく現場にいます。クラブに行けば今のトレンドもわかると思いますし、音楽が一日中かかってる場所で、いろんなタイプのDJもいる。あとお客さんのノリね。お客さんがどういう曲に反応するのかしないのか。そういうのは現場です。DJしながら肌で感じる部分っていうのも大きいし、自分がDJしていないときはリスナーになるし。

──いろんなことが学べそうですね。

DJ KAORI:だけど黙っててもダメだと思うから、やっぱアピールすることね。友達を作るのもそうだし、言うのはタダなんで「こういうことをやりたい」って言う。日本人て謙虚な人が多いでしょう?でも黙ってたら何にも来ない。やりたいことがあったら他人に遠慮しないで言っていく。「あたし、これ、やりたい」って伝えていくっていうことが大事だと思う。それを誰かが聞いていて何かが動くかもしれないし、アピールするのが大事。チャンスは自分でつかみにいかないと待ってちゃダメよ。

──なるほど。DJ KAORIの5年後~10年後はどのようになっているんでしょう。


DJ KAORI:あんまり5年後~10年後とかは考えず、現場現場で盛り上げる事を考えて、今に至る感じかな。いつまでに何々の結果を出すとか決めるのって、結果が出なかったときに焦るし、つらいと思うんだよね。私も焦ったときがあったし空回りしたこともあったけど、そういうときに限って人にだまされたりするんだよ(笑)。「そういうおいしい話ってないんだなあ…地道にやろう」って思いましたもん。自分が絶世の美女だったら持ち上げられることもあるかもしれないけど、大概の人はそうじゃないし(笑)、自分で掴むまでDon't give up.ですよ。

──勇気が出ます(笑)。

DJ KAORI:大丈夫。「求めよ、さらば与えられん」。あはは(笑)。

──DJに男女の違いはありませんか?

DJ KAORI:女性にとっては結構タフな仕事だと思いますけど、今は女性もいろいろ働ける時代になっていますよね。DJだけじゃなくてもいろんな仕事で輝いてキャリアを積んでいけると思う。人生に早道はないって感じですよね。

──特に秘策はないか。なんかあるんかと思った。

DJ KAORI:あると思うよね? でもね、やっぱない(笑)。

──逆に、誰にでも成功のチャンスはあるってことですよね?

DJ KAORI:あると思う。それにどれだけがっつけるか、しがみつけるかってことだと思いますよ。

──DJ KAORIもそうやって、ここまでたどり着いたと。

DJ KAORI:楽しいことばかりじゃなかったですけど、続けられたから楽しかったんだと思う。どの仕事でも楽しいことばっかりじゃないと思うけど、腐らずに楽しんでやりたいですよね。楽しい仕事ですから。「音楽好きで、何かやりたいけどミュージシャンになるっていうよりは聴いている方が好き」っていう人、「ライブ行くよりも踊っている方が好き」っていう人に、DJは向いていますよ。

取材・文:BARKS編集長 烏丸哲也


Various Artists『DJ KAORI'S INMIX 7』

2017年10月4日発売
UICZ-3142 2,482円(税込)
1.カルヴィン・ハリス/スライド feat.フランク・オーシャン & ミーゴス
2.ゼッド&アレッシア・カーラ/ステイ *
3.ザ・チェインスモーカーズ/クローサー feat.ホールジー
4.DJスネイク&アルーナジョージ/ユー・ノウ・ユー・ライク・イット
5.フレンチ・モンタナ/アンフォゲッタブル feat.スワエ・リー
6.DJスネイク/レット・ミー・ラヴ・ユー feat.ジャスティン・ビーバー
7.チート・コーズ&ダンテ・クレイン/レット・ミー・ホールド・ユー(ターン・ミー・オン)
8.チャーリー・ブラック/ギャル・ユー・ア・パーティー・アニマル
9.ジョナス・ブルー/ママ feat.ウィリアム・シング *
10.リアム・ペイン/ストリップ・ザット・ダウン feat.クエイヴォ *
11.ジャスティン・ビーバー+ブラッドポップ/フレンズ *
12.ゼッド/ゲット・ロウ feat.リアム・ペイン *
13.ネヴァダ/ザ・マック feat.マーク・モリソン&フェティ・ワップ
14.トリー・レーンズ/カム・バック・トゥ・ミー *
15.マルーン5/ドント・ワナ・ノウ
16.ザ・ウィークエンド/アイ・フィール・イット・カミング feat.ダフト・パンク
17.デミ・ロバート/ソーリー・ノット・ソーリー *
18.レイ・シュリマー/ブラック・ビートルズ feat.グッチ・メイン *
19.ザラ・ラーソン/アイ・ウッド・ライク
20.ジョナス・ブルー/バイ・ユア・サイド feat.レイ
21.マーティン・ソルヴェグ/プレイス feat.イナ・ロードセン *
22.アクスウェル Λ イングロッソ/モア・ザン・ユー・ノウ
23.クングス vs クッキン・オン・3・バーナーズ/ディス・ガール *
24.アレッソ/テイク・マイ・ブレス・アウェイ *
25.ジャックス・ジョーンズ/ユー・ドント・ノウ・ミー feat.レイ *
26.ジョナス・ブルー/パーフェクト・ストレンジャーズ feat.JPクーパー
27.アレッソ/フォーリング *
28.ジャスティン・ティンバーレイク/キャント・ストップ・ザ・フィーリング!

◆DJ KAORIオフィシャルサイト