【ライブレポート】UVERworld、10年連続の武道館で見せた“最高の一体感”

UVERworldが2ヶ月にわたり開催した全国ツアー＜UVERworld IDEAL REALITY TOUR＞が、10月4日の日本武道館2DAYS公演にてツアーファイナルを迎えた。

◆UVERworld ライブ写真

8月2日に9thアルバム『TYCOON』をリリースし、同作をひっさげてのライブとなった今回のツアー。全国ツアーの中でもこのファイナル、日本武道館は全国各地からファンが集結する特別な会場だ。定刻開演を予告する会場アナウンスの段階から満員の会場ボルテージは既に高く、カウントダウンとSEの「TYCOON」を経てドラムの真太郎による開幕プレイ、そしてメンバーたちが「DECIDED」で一気にステージに現れると武道館は一気に熱狂の渦へと包まれた。ボーカルTAKUYA∞の熱唱に呼応するように観客席からは“Go ahead”と力強いコールがあがる。武道館10年選手となったUVERworldに相応しい手応えがそこにあった。

「さあ行こうぜ。ライブハウスツアー、ホールツアー、様々な夏フェスを越えてこの武道館に辿り着いたぞ！」というTAKUYA∞のMCから、立て続けにアッパー曲が続く。「Don't think.Feel」では熱量の有り余ったTAKUYA∞が観客席に靴を両足とも蹴り飛ばし、「俺の情熱が靴という形で飛んでった」と言いながら両足とも返してもらってファンの笑いを誘うシーンも。（ちなみにツアー中、蹴り飛ばして返ってこなかった靴は計4足。「全部俺のせいです！」と爽やかに断言するTAKUYA∞であった）

そんなやりとりから“あれは僕のせいにしな”と優しい歌詞が織り込まれた「一滴の影響」、そして今回のツアータイトルにもなった「IDEAL REALITY」と、つい惹き込まれるストレートな歌詞に攻めのサウンドが重なるパートに入る。元々リスナーを“引き上げる”ストレートな歌詞の曲が多いUVERworldだが、そんな楽曲群にライブでの説得力を持たせるためにはバンド自身にも膨大な熱量が必要だ。6人の演奏の場をせり出した中央ステージに圧縮して放たれた「奏全域」、そして映画『新宿スワンII』挿入歌「エミュー」のあとには、TAKUYA∞による「喜びを感じることは、本当の意味では誰にも奪えない」という曲フリも熱い「ALL ALONE」、そしてアルバム『TYCOON』のラスト曲として「俺の心のヨロイをとってくれた」というラブソング「SHOUT LOVE」へと繋いでいった。

「このツアーで一番の熱い瞬間を俺たちで迎えようぜ！」とTAKUYA∞が呼びかけての「IMPACT」では、客席のオーディエンスらが拳を突き上げての大合唱。曲後にはイヤモニを外したTAKUYA∞が「今のインパクト凄いあったんじゃない？　こんな最高の一体感、見たことない！」と声をあげていたが、一体感抜群のシンガロングはこれに留まらず「RANGE」でさらに雄大さを感じさせるものとなった。ライブの最後を飾ったのは「7日目の決意」。UVERworldは今後1か月の楽曲制作期間に入ることを告げるとともに、次回のライブをさらに良いものにすることを約束してツアーの幕を下ろした。

11月2日からは神戸ワールド記念ホールを皮切りに全国アリーナツアー＜TYCOON TOUR＞を開催するUVERworld。ファンにとってすっかり馴染みとなった12月25日のクリスマスライブも、例年どおり日本武道館で開催となる。