【インタビュー】サラ・オレイン、スタンダードから最新作まで映画の名曲をカバーしたアルバム『Cinema Music』

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“世界を癒す1/fのゆらぎ”を持つ美声と評価されている超実力派シンガー、サラ・オレインが映画の名曲をカバーしたアルバム『Cinema Music』をリリースする。オーストラリアに住んでいた少女時代から映画やアニメを夢中になって見ていたという彼女。今作には、サラが大好きなムーミンの『ムーミン谷とウィンターワンダーランド』の主題歌の日本語ヴァージョンや『美女と野獣』の主題歌を本家ピーボ・ブライソンとデュエットしたヴァージョンも収録。日本のアニメーション映画を繰り返し見て日本語を覚えたというルーツのひとつ『天空の城ラピュタ』の「君をのせて」や『君の名は。』の主題歌「なんでもないや」もカバーしている。いつかは自分で映画を撮りたいというサラにアルバムのことはもちろん、プライベートな楽しみについても語ってもらった。

◆サラ・オレイン~画像&映像~

■昔の映画の名曲から新しい映画の音楽までいろいろな世代が楽しめて
■いろいろな言語の曲を入れたいなと思って選んだ曲たちです


──12月に公開される映画『ムーミン谷とウィンターワンダーランド』の主題歌の日本語ヴァージョンを始め、『美女と野獣』、『君の名は。』『ラ・ラ・ランド』など映画音楽の名曲が収録されたアルバム『Cinema Music』は、サラさんのヴォーカルもヴァイオリンも素晴らしい。今年の4月にサラさんがプロデュースした『シネマ・コンサート』がキッカケとなってアルバムに繋がっていったということですが。

サラ・オレイン(以下サラ):そうですね。コンサートを開催した後に、曲が永遠に残るアルバムを出したいと思ったんですが、コアな理由は私が大の映画ファンだからです。

──小さな頃から映画を見ていたんですか?

サラ:そうです。昔の映画から新しい映画、ヒット作品からマニアックな作品まで、今も毎週見ています。私の大きな夢は映画を作ることなんです。


──映画監督になるのが夢ということ?

サラ:映画はマルチな表現が活かせる場所だと思っているんです。俳優のチャップリンもクリント・イーストウッドも監督した作品に自分も出演していて、チャップリンの場合は作曲もしています。私はコンサートでは自分でプログラムや映像構成を考えて、パフォーマンスする時には女優のように演じて歌うこともあるので、クリエイティブなことに全て関わりたいという気持ちがあるんです。──いずれは、サラ・オレイン主演、監督、音楽も手がけた映画を作ってみたいということですね。

サラ:はい。スクリプトを書くのも大好きなので、今もラジオ番組の台本は自分で書いています。

──どんな映画を見たことでそんなにハマってしまったんですか?

サラ:いちばん最初に見た映画は正直、覚えていないんですが、小さい頃からいろんなジャンルの映画を見ていました。日本のアニメーション映画も好きですし、今回のアルバムに収録されている『ニュー・シネマ・パラダイス』のような自分が生まれる前のヨーロッパ映画だったり。

──そこから音楽に魅力を感じて歌うようになったんですね。

サラ:好きな映画の音楽を聴くと、流れていたシーンが蘇りますよね。私は『ニュー・シネマ・パラダイス』のテーマ曲が流れると最後のシーンを思い出して涙が出てきちゃったり。

──そんなに映画好きだったら、好きな曲もたくさんあるだろうし、今回のアルバムの選曲は大変だったのでは?

サラ:以前、発売したアルバムにも映画音楽は何かしら入っているんですけど、今回は初めてのシネマミュージックアルバムだったので選曲は悩みました。『天空の城ラピュタ』の「君をのせて」と『ニュー・シネマ・パラダイス』の「シネマ・パラディーゾ」は過去にCD化されていますが、後者は自分でヴァイオリンも弾いた新しいヴァージョンを収録しています。昔の映画の名曲から新しい映画の音楽までいろいろな世代が楽しめて、いろいろな言語の曲を入れたいなと思って選んだ曲たちですね。物語が感じられるアルバムにしたかった。

──曲によって歌い方が全然違いますよね。なぜ、こんなに声の表情が変えられるんだろうと思いました。

サラ:ありがとうございます。歌に関しては今回は女優になりきって歌いましたね。1曲目の『レ・ミゼラブル』だったら、エポニーヌになった気分で。フランス語の『白い恋人たち』なら、かわいらしくセクシーな要素を出したいとか、曲のキャラクターに合わせて歌い方を変えています。私、コスプレも好きなんですけど、役になりきりたいんでしょうね。


──そうなんですね。役になりきって歌われているというのは納得です。10代の頃から好きだった思い出の曲も収録されていますか?

サラ:小さい頃からディズニーが大好きだったので、『美女と野獣』は多くの方がアニメーションで見たことがあるでしょうし、今年、エマ・ワトソンが主演した実写版が大ヒットしたこともあって、ぜひ歌いたいと思っていました。

──アルバムではピーボ・ブライソンとデュエットしていますよね。

サラ:そうなんです。この曲のいちばん有名なデュエットと言えば、セリーヌ・ディオンとピーボ・ブライソンのオリジナルだと思うんですけど、実現したのにはエピソードがあって、ブルーノート東京で私がライブをした前日にピーボ・ブライソンが会場にいらしていたのを知って、ダメもとでお願いしたんです。何年か前にTVで一緒に「美女と野獣」を歌ったことがあったので、レコード会社の方を通じてお願いしたら受けてくださって、彼のコンサートの前にレコーディングができたんです。

──それはスゴイ。タイミングも含めて縁を感じますね。

サラ:「美女と野獣」でアカデミー賞をとった本家の方と、音源という永遠に残る形で一緒に歌えたのは光栄だったし、小さい頃から見て聴いていた方なので不思議でした。レコーディングではオーケストラと同時に“せーの”で録音したんです。クリックもなしで生のオーケストラとブースに入って一緒に歌ったんですけど、ピーボ・ブライソンも「こんなレコーディングは10年以上やっていない。こういう録り方をするのはバーブラ・ストライザンドしかいない」ってすごくビックリしていました。そのせいなのか、何万回と歌っていらっしゃる曲なのに、生のオーケストラのアレンジや雰囲気もあって、ふだんとはちょっと違う歌い方をされているんですね。聴きこんでいる方はわかると思うんですが、すごくレアなテイクだと思うのでピーボ・ブライソンのファンにとっても貴重だと思います。

──サラさんにとっても夢がまた一つ叶いましたね。

サラ:はい。幸せでした。

──12月に日本で公開される映画『ムーミン谷とウィンターワンダーランド』の主題歌「ウィンターワンダーランド」を歌うことになったいきさつについても教えていただけますか?

サラ:これも面白い話があって、私は小さい頃から「ムーミン」が大好きなので、映画の主題歌の話にも十分ビックリしたんです。フィンランドの方が自分の声を気に入ってくださって、日本語ヴァージョンを歌ってほしいというオファーをいただいたんですが、ホントにムーミンが好きなので嬉しかったですね。驚いたのは主題歌が世界のいろいろな言葉で歌われると聞いて、私の母国語は英語なので一応、英語ヴァージョンも録音して一緒に送ったんです。特に連絡はなかったんですけど、インターネットにティザー映像がアップされていたので“英語圏は誰が歌っているんだろう?”と思ってチェックして、どこかで聴いたことあるなと思ったら自分の歌だったんです(笑)。


──まさか採用されるとは思ってなかったから?

サラ:そうなんです。自分はちょっと高い声のほうがムーミンのかわいさや明るさが出るなと思ってキーを変えて歌ったんですね。最初は「他の人もキーを調整してるんだ」って思ってたんです(笑)。日本語ヴァージョンと英語ヴァージョンを両方歌わせていただいたことには、まだ驚いています。

──嬉しい驚きが詰まったアルバムでもあるんですね。

サラ:まるで映画みたいにサプライズがいっぱい。今回のアルバムに収録されているのは日本語ヴァージョンですけど、「ウィンターワンダーランド」は白い雪の中のクリスマスの物語で、ムーミンは冬に憧れているんですね。私自身もオーストラリアで育ったので。

──クリスマスの季節は夏ですものね。

サラ:そうです。だからホワイト・クリスマスって、ファンタジーの世界で憧れなんですよ。そういう部分でも自分と重なって「雪よ降れ!」ってワクワクしているようなピュアな気持ちになって歌えました。

──ムーミンに夢中になっていた頃の気持ちに戻って?

サラ:まさに。子供の頃の気持ちを大切にして。今は日本に住んでいるので冬のクリスマスも経験できましたけど、小さい頃は北欧にすごく憧れました。「ムーミン」ってちょっとダークじゃないですか。私、基本、暗いので(笑)。

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