【ライブレポート】ナイト・レンジャー、最高のロックンロール・スペクタクル

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2017年10月、ナイト・レンジャーがデビュー35周年を記念する<35th Anniversary Tour>来日公演を行った。

◆ナイト・レンジャー画像

アメリカン・ハード・ロックの重鎮として君臨するナイト・レンジャーが初めて日本のステージに立ったのは1983年。それから「シスター・クリスチャン」による全米チャート制覇、活動休止、メンバー交替などを経ながら、彼らはロックンロールのハイウェイを突っ走ってきた。

ニュー・アルバム『ドント・レット・アップ』を引っ提げて行われたジャパン・ツアーは、広島~名古屋~大阪~東京をサーキットする全5公演。東京ドームシティホール2夜連続公演の2日目は、「ディス・ボーイ・ニーズ・トゥ・ロック」から始まった。


ジャック・ブレイズ(Vo、B)、ケリー・ケイギー(Vo、Dr)、ブラッド・ギルス(G)というバンドの主軸3人はいずれも還暦オーバーだが、そのステージ・パフォーマンスはエネルギーに満ちたもので、まったく死角がない。彼らの代表曲のひとつ「ロック・イン・アメリカ」の“you can still rock in America”というフレーズは、今日では“(歳を取っても)まだまだロックできる!”という意味合いを帯びているようにも思えてしまう。

それにしても、バンド全員が元気だ。ジャックの声のハリも文句なしで、「セヴン・ウィッシーズ」「シング・ミー・アウェイ」とおなじみのナイト・レンジャー・クラシックスですっかり観衆を手のひらに乗せたと思ったら、ジャックがトミー・ショウ(スティクス)、テッド・ニュージェントらと結成したスーパーグループ、ダム・ヤンキーズの「カミング・オブ・エイジ」で観衆をあっと驚かせる。


35年の月日を経ながらも、カリフォルニアの気の良い兄ちゃんらしさを失わないのも彼らの魅力だ。ほとんどの曲間で観客に話しかけているのが実に彼ららしい。「俺たち全員カリフォルニア出身なんだぜ♪」という前置きから「グローイング・アップ・イン・カリフォルニア」をプレイしたり(実際にはキーボード奏者のエリック・レヴィはシカゴ出身らしい)、「『摩天楼はバラ色に』って映画、覚えてるかい?マイケル・J・フォックスが主演した映画だよ」というイントロから同映画の主題歌となった「シークレット・オブ・マイ・サクセス」を披露するなど、ジョークを交えながら常にコミュニケーションを取っているエンターテイナーぶりが見事だ。東京ドームシティホール2日目が彼らの通算59回目となる日本でのショーだということ、ブラッドが初めて日本に来たのが1971年、少年時代の頃だったなど、バンドに関するちょっとしたトリビアも知ることができるステージMCに、観衆の表情もほころんでくる。





もちろんナイト・レンジャーのライブで“主役”なのは名曲の数々、そして2人のギタリストのスーパー・プレイだ。ブラッド・ギルスのワイルドなアーム・プレイはさらに冴え渡り、前回の日本公演にも同行したケリ・ケリーもジェフ・ワトソン、レブ・ビーチ、ジョエル・ホークストラという歴代の凄腕ギタリスト達にヒケを取らないテクニカルなプレイで魅せる。

ブラッドが初めて日本のステージに立ったのは1982年、オジー・オズボーンのバンドでのことだったが、今回は「クレイジー・トレイン」をダイジェストでプレイ。また、ケリの“古巣”であるアリス・クーパーの「スクールズ・アウト」も場内を大いに盛り上げた。

最新アルバム『ドント・レット・アップ』からプレイされたのは「デイ・アンド・ナイト」1曲。前日も「サムハウ・サムウェイ」のみだったが、そのあたりは名曲・ヒット曲が“多すぎる”彼らにとっても悩ましいところだろう。ただ会場の大半の観客がグレイテスト・ヒッツ・ショーを楽しんでいたことは、彼らの顔に浮かぶスマイルから窺い知ることができた。


ライブ本編を「ドント・テル・ミー・ユー・ラヴ・ミー(炎の彼方)」で締めくくった彼らだが、アンコールは「パッション・プレイ」「ペニー」から待ってましたの「シスター・クリスチャン」、そして「ロック・イン・アメリカ」と、最後までテンションが上がりっぱなしだ。後者ではブラッドの大胆なトレモロ・プレイとケリの8フィンガー奏法が火花を散らし、フィナーレをカラフルに彩った。

35年を経ながら、ナイト・レンジャーはロック・ファンを魅了し続ける。彼らのショーは、我々がまだ“ロック・イン・ジャパン”できることを証明する最高のロックンロール・スペクタクルだった。

文:山崎智之
Photo by Mikio Ariga

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◆ナイト・レンジャー・レーベルサイト
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