【短期連載】wyseのアルバム『Breathe』制作記 第10回_ツアー編「熱にやられたんだ」

どうも。月森です。アルバム制作記から、そのままツアー日記を書くことになり。全国ツアーも半分終わったところでようやく俺が一つ目のコラムを書いてから、早ひと月。次は誰が書くのかなと待っていたら、とあるインストアイベント中に「あれ？ 月森、続き書かないの？」……は（笑）？

◆wyse 画像

いや、書くよ。書く……書くけどもさ！ えーとね、なんだろう……リレーのトップランナーで走って、頑張って返って来たら、誰も待ってなくて、「もう一周お前走れば？」って言われた感じ？ ……え？これ、そういう競技じゃなくね？ このタスキ意味なくね？ なんなら邪魔なだけじゃね？みたいな。

いいよ、俺走るよ……“陸王”履いて走るよ。“こはぜ屋”さんと一緒に走るよ……。竹内涼真より背低いけど……。彼くらい背ほしかったよ……20cm以上足りてないけど。

さて、前回の続きです。13年ぶりの全国ツアー、各地で熱いだけじゃないライブが出来ていて語り尽くせないですが、次はこちら。

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2017年9月24日(日)の名古屋 SPADE BOX。

ツアーも4本目になってくると、SEが鳴った時から手拍子やらが起こり、見ているこちらが勇気づけられ始める。今回はもちろん全箇所でアルバム『Breathe』収録曲をやるが、それ以外の曲では、それぞれの土地を想いそれぞれのセットリストを組んでいる。

「Rainy」「J.E.T.」「My name is Japanese Breaker」と序盤から熱い曲で構成したせいか名古屋は初っぱなから激しく、ステージにいる俺らが終始びっくりするくらい、もっと欲しい！ もっと来い！という空気感。

おーおー、それならやってやろうじゃねーかと、若干やりすぎた感はあるが、それ以上に遊びつくした満足感の方が大きかった。そう……たぶん、名古屋の奴らの熱にやられたんだ。この辺からライブの曲数がおかしなことになってくる（笑）。

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2017年10月6日(金)の大阪 RUIDO。

言わずと知れた我らwyseの故郷。懐かしい曲がセットリストに入ってきたのは必然で、やっぱり大阪だからこそやりたい曲というのがある。この大阪を離れる時にできたのが、今回の『Breathe』の中にある唯一の再録曲「With...」。大阪を離れ、もうずいぶんと時間は経ったけど、今でもこの曲は俺らとこの土地を繋げていると思う。

それともう一曲、大阪のライブでは「bring you my heart」の存在が大きなキーポイントだった。こう言っちゃなんだが、wyseは本当にライブ一本一本で同じ歌、同じ演奏が出来ない。プロなんだからちゃんとやれよって思う気持ちも無いでは無いが……いや、あんま無いな。

音楽ってのは元々そういうものではあるんだけど、うちは特別それを強く感じる。その時その時で、今、その瞬間までの自分の経験やメンタルや生きてる全てを声に、音にしてるせいか、自分達でもびっくりするくらい曲が変わる。そういう意味ではこのタイミングでアルバムが出せて、全国ツアーとして帰ってきた大阪での「With...」、そして「bring you my heart」は間違いなく最高の歌を、音を、届けられた。

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2017年10月8日(日)の新潟 GOLDEN PIGS BLACK STAGE。

13年ぶりに帰って来た新潟。ずっと待たせた申し訳なさと、帰ってこれた嬉しさと、ここまで5ヵ所の土地土地で成功して来た＜wyse Live Tour 2017 Breathe＞を見せてあげられるドキドキ感と、俺が新潟泊りじゃない事の切なさと……いろんな想いでステージに立った。

wyseというバンドが全国ツアーを回るようになって、いつの頃からか、ずいぶん昔から言われている事がある──「wyseの新潟はヤバい」。関係者ですら東京を差し置いてわざわざ新潟に見に来ていたような土地……そんな土地での13年ぶりのライブ。もちろん心配なんてしてなかったが、13年ぶりだろうが何だろうが、それは全く変わらなかった。

本当に熱いライブというのを文章で表現するのは難しいが、新潟のこいつらとライブをしていると、小さい子供の頃みたいな感覚を覚える。外が暗くなるまでバカみたいに走り回って、体力なんてとっくに無いはずなのに“楽しいから”、たったそれだけで、まるで無限にエネルギーがあるかのようにいくらでも麻痺できる。ライブの中で何度も何度も“また帰ってくるから”、心からそう思った。

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今回はここまで。残りはあと3ヵ所4公演。仙台、札幌、東京。ツアーってさ…あっという間だね。