DAM 12月度D-PUSH!アーティスト、Hump Back「楽曲作り、歌、楽器すべて狙ってやっていないということが良さだと思うんです」

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“等身大かつフラットな女性の魅力”を備えたガールズバンドのニューフェイスとして話題を呼んでいるHump Backの2ndミニ・アルバム『hanamuke』が11月22日にリリースされた。キャッチーなメロディーや瑞々しさを湛えた歌詞、鋭いセンスを感じさせる演奏面、少ない音数で様々な情景を描く巧みさなど、同作の聴きどころは実に多い。BARKSでは初となるHump Backのインタビューを行って、『hanamuke』の話を軸にしつつメンバー3人の素顔に迫った。

◆Hump Back~画像&映像~

■こういう曲が足りないからこういう曲を作ろうというのがほんまにできない
■だから、今回はいろんな曲が入ったアルバムになったけど、次作はどうなることやら(笑)


――Hump Backは、どんな風に結成されたのでしょう?

林萌々子(Vo./Gt. 以下、林):私が高校1年の時に軽音楽部に入ってバンドを組んだことからHump Backは始まりました。だから、最初は高校の友達がメンバーだったんですけど、卒業のタイミングやモチベーションの違いから抜けていったりして。結構メンバーは入れ替わって、今の3人に至っています。高校生の頃は、チャットモンチーさんのコピーをしていたんです。チャットモンチーさんは女の子3人のガールズバンドだけど全然アイドルではなくて、音楽的にカッコ良いというころに感銘を受けました。ガールズバンドでもアイドル路線ではなくて、ちゃんと音楽として、バンドとして戦っていけるんだなと。そういうところから入っていって、その後自分で曲を作るようになって、高校を卒業してからは自分達の曲だけでライブハウスでライブをするようになりました。ライブのスタンスに関しては、兵庫の姫路にbachoさんというバンドがいるんですけど、ライブがすごくカッコ良いんですよ。カッコつけたロックンロールとかではなくて、おっちゃんが本当にありのまま、汗だくで歌ってるみたいな感じなんです(笑)。それがすごくカッコ良いなと思って、ライブのスタイルはbachoさんから結構影響を受けています。

――硬派なバンドが好きなんですね。ぴかさん、美咲さんの音楽的なバックボーンなども話していただけますか。

ぴか(Ba./Cho.):私はGalileo Galileiさんが大好きです。中学の頃からずっとラジオを聴くようになって、高校1~2年の時にFM802の『閃光ライオット』の番組でGalileo Galileiさんの「夏空」という曲を聴いて、好きになったんです。ライブもずっと行っていて、大阪に来てくれるたびに、めっちゃ嬉しい…みたいな(笑)。そういう感じだったので、私のルーツはGalileo Galileiさんです。彼らの出身地の稚内にも行ってみたいです(笑)。

美咲(Dr./Cho.):私は、ずっとELLEGARDENさんが好きでした。ただ、知ったのは活動を休止してからだったので、ライブとかは観たことがないんです。それが、本当に残念なんですよね。すごく好きでバンドスコアとかも全部集めて、1人でドラムのコピーをしていました。なので、影響を受けたドラマーはELLEGARDENの高橋(宏貴)さんです。

林:私は3つ上の兄がいるんですね。その兄はめっちゃ音楽が好きで、ASIAN KUNG-FU GENERATIONさんとかRIP SLYMEさん、KICK THE CAN CREWさんとかが、ずっとお家で流れていたんです。もう家族でどっか行くとなったら、車の中はRIP SLYMEさんとか(笑)。そういう環境だったので、私の中にはほんまにいろんな音楽が入っていると思います。


――ルーツの異なる3人が揃っていることもHump Backのオリジナリティーに繋がっていることが分かります。では、その辺りも踏まえつつ11月22日にリリースされた2ndミニ・アルバム『hanamuke』について話しましょう。同作を作るにあたって、テーマやコンセプトなどはありましたか?

林:テーマというのは特になかったです。ただ、私は天才ではないので曲がポンポン出来るわけではなくて、いつもストックのないギリギリの状態でレコーディングに挑んでいるんですね。それは今回も同じで、でき上がった曲達を並べて聴いてみた時に、別れの曲が多いなとは感じました。思い返してみると、ここ数年はすごく別れが多かったので、それが自然と出たかなというのはありますね。

――今の自分自身を映し出したアルバムといえますね。『hanamuke』にはいろいろな楽曲が入っていますが、それも意識したわけではなかったのでしょうか?

林:しなかったです。よく周りの人達に、リード曲があって、バンドの芯になるものがあって、変化球があってという感じで、よく考えられたアルバムですね…みたいなことを言われるんですけど、そこまで考えてはいなくて。それに、「サーカス」と「うたいたいこと」は昔からライブでやっているけど、全国流通としては入ってない曲だったんです。この2曲はこれからもお世話になる曲かなと思って今回入れることにしたんですけど、それも幅広さに繋がりました。


▲林萌々子(Vo./Gt.)

――自然とバラエティーに富んだということからは、バランス感覚の良さを感じます。

林:どうなんでしょうね。私は、器用じゃないんですよ。こういう曲が足りないから、こういう曲を作ろうというのがほんまにできない(笑)。だから、今回はいろんな曲が入ったアルバムになったけど、次作はどうなることやらと思っています(笑)。

――な、なるほど(笑)。いろいろな曲がありつつ、一貫して良いメロディーにこだわっている印象を受けました。

林:こだわっているというよりは、私はメロディーを作るのがすごく好きなんです。曲を作る時はメロディーから入ることが多いし、ずっとピアノをやっていたので、鍵盤でメロディーを考えることもあるし。人の曲を聴く時も、最初は必ずメロディーに耳がいくんですよ。それくらい、メロディーが好きですね。

――メロディーが良いので、Hump Backの曲はリスナーが歌っても楽しいと思います。歌詞を書くうえで大事にしていることなども話していただけますか。

林:歌詞は、結構音として捉えている部分があって。韻を踏んだら面白いとかいうことではなくて、語感の良さとか、響きの良さとかで選んでいたりします。メロディーを聴いていてパッと浮かんだ言葉は語感が良いものが多いし、そういう言葉はキャッチーだと思うので、そのまま活かすことが多いですね。

――たしかに、メロディーと言葉の一体感は魅力になっています。それに、歌詞が中性的なところも特色になっていますね。“僕”という一人称が多く出てきますし、ラブソングもベタベタしていませんし。

林:その辺は、どうなんやろう? ……自分では分からないです(笑)。自分の実体験を元にした歌詞が多くて、それを自然体で書いているので。

――同性の支持を得る歌詞だなという印象を受けました。

林:そうですね。Hump Backのライブは、現状若い女の子が多いんですよ。同性に受け入れてもらえるのは嬉しいことなので、あり難いなと思っています。


▲ぴか(Ba./Cho.)

――同性のファンが多いのは、良いバンドの証といえますよね。では、『hanamuke』に収録されている楽曲で、それぞれ特に印象が強い曲をあげるとしたら?

ぴか:私は、最後に入っている「ゆれる」が好きです。温かみのあるスロー・チューンで歌も好きだし、コーラスも好きだし、自分が作ったベース・ラインも好きだし…という感じで、もう好きなところで溢れていますね。もちろん他の曲も全部好きですけど、「ゆれる」はぜひ聴いてほしい1曲です。

林:「ゆれる」は今回の新曲の中では最初にできた曲です。前作に「月まで」という曲が入っているんですけど、その曲は私が昔付き合っていた人と一緒に猫を飼っていて、その猫が亡くなってしまった時に作った曲なんですね。そのアンサーソングとまではいかないけど、「月まで」に通じるのが「ゆれる」です。その猫がいなくなった時はもうツラくて、ツラくて、ずっと泣いていたんですけど、「ゆれる」を書いた時くらいから悲しみだけに捕らわれなくなったんです。「ゆれる」の歌詞には“悲しみは ときに優しいものなのね”“幸せは ときに苦しいものなのね”というフレーズがあるんですけど、まさにその通りで、すごく悲しみに暮れていたけど、今思えばその悲しみさえも愛せるというか。でも、幸せやったことを思うと、まだ胸が痛いな…という自分の内面を、そのまま書きました。

美咲:私は、2曲目の「高速道路にて」が好きです。最初に(林)萌々子が持ってきてくれた時に、めっちゃ良いと思ったんです。アップテンポで勢いがあるけど、エモさもあって、良い曲だなと思って。それに、ドラムも結構こだわっているというか、めっちゃがんばりました(笑)。

林:「高速道路にて」は、『夜になったら』のツアー中のことを書いた曲です。この曲の歌詞は私の中でも結構上位で気に入っていて、書いている時も“めっちゃ楽しい!”と思いながら書きました。ライブなんて30分だし、リハーサルも30分とかでステージに立っている時間はほんとに短いけど、何時間も掛けて移動しますよね。移動してライブして移動、またライブして移動、移動…という日々の中で、移動中に考えることがすごく多くて。ライブの後は今日のライブはああやったなとか、向かっている時は今日のライブはこんなことをしようとか。自分にとっては移動中というのはライブに対するモチベーションに繋がるというか、すごく大事な時間なんです。「高速道路にて」はそういうことを歌うと同時に、“地元の飲み会投げ出す日々で”と書いているけど、ほんまにいろんな選択肢がある中でずっとライブを選んで来た自分の意志とか、これでやっていくんだという決意も込めた歌詞になっています。

――それを爽やかに描いていることが魅力になっています。林さんも特にお気に入りの曲をあげてもらえますか。

林:「星丘公園」はリード曲ということで、いろんなところでお話させてもらっているんですけど、自分の中では「卒業」が気に入っています。この曲も、前にお付き合いさせてもらっていた人とのことを書いていて。その方とは3年くらい付き合っていたんですけど、最後は上手くいかなくなってしまって、よくある恋人同士の別れみたいな感じで、特別なドラマもなく別れたんですね。けじめをつけることにした時に電話で言おうと思って、“今電話できる?”とメールを送ったら、“もうすぐ家に着くから10分くらい待って”という返事が来て。その10分の間に思っていることとかを、“バァーッ”と書いたんですよ。「卒業」は、それを歌詞にした感じの曲です。楽曲的には、私は音楽の理論とかは分からなくて、コードとかも“ここと、ここと、後ここを押さえたら良い感じの響きになるな”みたいな感じなんですよ(笑)。そういう風にしてギターを弾いていたら、このコード進行良いなというのが出てきて、そこから膨らませていって形にしました。

◆インタビュー(2)へ
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